転生神の尖兵 02
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ちょっと情報を整理しよう。
1.ヒルビナを転生させたら、「なのん」という存在が現れた。
2.現れた「なのん」は、神の尖兵だった。
3.神の尖兵というものが、どういった存在なのか俺には分からない。
4.女神さまやマニュアルを頼っても、答えが分からない。
5.ただ1つ言えること、それは、この「なのん」がチビだってことだ。
そこで俺は、「なのん」自身に聞いてみることにした。
もう少し分かりやすい、噛み砕いた質問なら答えられるじゃないか、そう思ってのことだ。
「尖兵って、何?」
まずは外堀を埋める。
情報を少しずつ引き出す。
一気に質問しても、きっと同じ問答が続くだけだからな。
「尖兵っていうのは、戦場で1番槍をつとめたり、みんなが逃げれれるときに敵の足止めをする人なのですよ、神さま!」
敵?
転生神にも敵がいるのか……?
とにかく、まともな解答にびっくりだ。
気になるがまずは、なのんという存在について知ることが先決だろう。
「なのんは、俺の味方なんだな?」
「多分そうです神さま! あ、はい! これマニュアルでれす!」
そう言って、身長50センチのたぬき幼女は、俺に分厚い本を差し出した。
え、ていうかマニュアルあるの?
それ……。
最初に渡してくれていれば女神さまにも…………いや、深く考えるのはやめよう。
マニュアルをくれた、それだけで十分じゃないか。
そう思わなきゃやってられん。
ていうか、多分味方って言いやがったな?
まあ、こんなチビッ子に負けるとは思えない。
とりあえず、脅威ではないな。
そう考えながらも、少しだけビビリながらマニュアルを開く。
【転生神の尖兵マニュアル①:転生神の尖兵とは、攻守を担当する兵士です。契約条件は、転生させた者の好感度が一定以上に達する・恋愛感情が含まれない敬愛のこもったキスのどちらかを満たすことです】
【転生神のマニュアル②:尖兵には、転生した者の能力や容姿がいくつか引き継がれます。転生した者と尖兵は、それぞれが別個体で存在しています。そのため、どちらか一方が死んでも、もう一方は生きたままです。同じ理由で、尖兵は鍛えなければ弱いままです】
【転生神のマニュアル③:ステータス画面で特技をみれば、非戦闘時に、尖兵がどんな作業を得意とするかが分かります。尖兵は転生神に従順ですが、過酷な作業を強いた場合に反乱を起こします。覚えていてください、神の尖兵は、仲間です】
ふむ。
まとめるなら、
「なのん」は転生神の尖兵になる条件のうち2つを、両方ともクリアした。
「なのん」には、「ナノン」の要素が引き継がれている。
「なのん」と「ナノン」は、完全な別個体。
……ってことか。
んでもって、怒らせたら離反されるって、そういう感じかな?
思ったよりも、なのんは俺にとって大事な存在になりそうだ。
「神さまー……」
「ん? どうしたなのん?」
「遊んできても、いいでれすか?」
不意に、そんなことを聞かれた。
こちらとしてはたぬき幼女が遊んでいる姿を見られる。大興奮だ。
勿論、大歓迎だ。
「おう、いいぞ、遊んでこい!」
「わーい!」
なのんはそう言って、トコトコと10センチほどしかない小さな足で、壁に向かって走っていく。
神の尖兵とか言っても、やっぱり見た目通りの子供だな……。
そんな風に思っていると、なのんは壁を殴り始めた。
ドゴンドゴンと音がなる。
床が揺れる。
天井からパラパラと何かが落ちてくる。
えっ、ちょっとまって。
小さな体、小さな拳、だけど壁には、大きな穴があいていた。
「頑張って洞窟、つくれりますね!」
作らなくて良い。
作らなくていいから!
慌てて止めようと、なのんに向かって走ろうとした時だった。
ドシュン!
いつもの召喚音がなる。
くっそタイミング悪い!
こっちは、なのんの奇行を止めないといけないんだよ!
「ああああああ!!!!」
大声を発しながら振り返ると……そこには。
「プル……プルプル……?」
えっ。
スライム……?
転生神って、人外も仕事の内なの……?
荒削りですみません!




