神バトル開始 05
『小さな丘より大きくて、木よりも緑色。力は強いがダブリさんには敵わない。そんなおでは、だーれだ?』
この問題に迷って、早数分。
俺たち、なのんとレオルの頭上に、時計が浮いていた。
それも大きなヤツだ。
半径1メートル。
直径は2メートルもある時計だ。
カチコチカチ……と、今時には珍しく、秒針の音が鳴るタイプのやつだった。
時計の盤上には数字が書いてある。
それを右回りにゆっくりと、細い針が回っていく。
だがこれは、時間を確かめるための時計ではない。
俺たちを攻める、いわば時限時計だ。
ご丁寧に、盤上の頂点には「LOSE」と書かれている。
時間になったら負けって意味だ。
「うーん、うーん……」
なのんが口に出して唸る。
俺たちが考え始めてから、おそらく4分ちょっと。
その4分になった頃に、あの時計は現れた。
おそらくは神の息吹のシステムによるものだ。
間違いない。
あの秒針が頂点に付けば、俺たちは「負け」となるだろう。
秒針は既に、真下を向いた。
もうこれで半分もない。
「ダメでれす神さま。分かりません……」
残り15秒。
くそ、なにも思いつかねえ。
こうなったら、もう間違いで良い。
無回答よりは、一筋の光を求める!
「なのん! さっきの言葉は取り消す、直感で良い! 好きに答えろ!」
「! はいでれす!!」
なのんが元気よく返事をし、息を吸う。
そして彼女は、我慢して溜め込んでいたモノを吐き出すように、ハツラツした顔で答えた。
「ドール! でれす!」
やはりなのんもその答えからは逃れられなかったか……。
俺も同じ答えしか思い浮かばなかった。
さあ、答えを教えてくれ!
なのんが答えを言うと同時に、真上にあった時計が止まる。
カチコチという規則正しい音がなくなり、静寂が神殿をつつむ。
そしてダブリは頭をかかえ、ドールが「うぬう……」と唸った。
「正解だ……。おでの名前はドール。よくわかったな!」
あ。
コイツばかだ。
「やべえなクソ」
正解したらしたで、むちゃくちゃ悔しい。
負けても勝っても悔しいだと?
こんなにも後味の悪いなぞかけは初めてだよ!




