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神バトル開始 03

今回いつもより長めだ!




「こちらの手勢は、俺ことダブリ、ドール、ミレイヤだ」


「俺の手勢は、俺、なのん、レオルだ。よろしく頼む」







「パーランス」




 スキルを発動させて、マニュアルを隠す。

 これで、俺の片手にはマニュアルが握られているが、それが見えるのは俺だけとなった。




 さってと。 

 どうやらダブリはやったことがあるそうだが、俺は神の息吹バトルは初体験だ。



 マニュアルを見ながらじゃないとバトルのやり方が分からん。




 ダブリに聞いても良いが、いや、だめだ。

 ダブリがどう思うかは知らないが、無知ってのはそれだけで格下だと舐められる。

 戦いにおいて舐められるってのは、戦いを不利に進めたいときにしかやっちゃだめだ。



 つまりやっちゃダメだ。



 考えをまとめながら、マニュアルに目を走らせる。




【神の息吹マニュアル:やり方①:まずはお互いにルールの宣誓をしましょう】





「さて。当然知っているだろうが、まずはルールの宣誓を行う」


 まずは、俺からだ。




「ルール1、肉弾戦は行わない、競うのは頭脳だ」




 俺の言葉に、ダブリが続いて宣誓する。




「ルール2、回答の権利は、1人1回だ。ちなみに、問題を出すことができるのも、1人1回までとする」



「ルール3、全体の正誤を数え、優っている方が勝ち。同数なら引き分けだ」

「ルール4、負けた方は財宝を差し出す。引き分けならば、お互いに財宝を取り替える」



「良いな?」

「ああ」




 俺とダブリで、交互にルールを確認する。




 そして…………えっと、なにをするんだ?





【神の息吹マニュアル:やり方②:それでは本番です。頑張りましょう】




 えっ。

 もう始まるの!?

 早くね!?



 説明これで終わり?


 このマニュアル使えない!





 「ぶふぅぅん! よぉおし。俺が最初に問題を出すぞ」





  俺が焦っているのにも構わず、ダブリは大きな鼻息をたてて、こう言った。





「寝ても覚めても消えないのに、目を瞑ったときにしか見えないもの、なあんだ?」





 寝ても覚めても消えない。

 つまり、どんな時にでも「ある」ということか。

 だけど、目を瞑らないと見えないもの……。


 

 あ、これ簡単じゃね?

 


 

 答え、絶対マブタだろ。




「あ! それボク知ってるよ! 答えは壁! 待ってよ? ……目を瞑ると………………ほら出てきた! ね? 壁が見えるでしょ?」





 おい。

 おい!



「残念でした! 答えはマブタだ! これで、そっちは1回ミスだな!」




「うーん。絶対に壁だと思ったのに……ごめん神さま……」





 どうやら本気でしょげているようだが……絶対に合ってると思ったのか?



 少なくとも、俺が目を閉じても壁は見えてこない。

 それはお前の幻覚だ。





 もっとも、マブタを壁と表現する比喩的なものなら惜しかったかもしれないけどな。





「それじゃあ次は、ボクが問題を出すね! 見ててよ神さま、名誉挽回するんだからね!」





 レオルが意気込むが、嫌な予感しかしない。





「壁はカベでも、食べられないカベは、な~んだ!」




 ほらな。こいつはヒドイ問題だ。




「カベ……? そんなもの、全部が……」




 ミレイヤと呼ばれたラミアが、困惑した顔で考える。




「どんなカベだろう。おでには分からん」



 ドールと呼ばれた30メートル超えの巨漢……トロルが言う。





「ふん! そんなもの決まっている! 俺には分かるぞ!」




 ただ、ダブリは違った。



 どうやら一瞬で答えが分かったようだ。

 さて、ダブリはなんと答えるか。




 ちなみに俺の答えは「どれも食べれないが、レオルだけ食べることができる」っていう答えだ。





「カベは食えん! よって答えは、存在しないだ!」




「ぶっぶー! 残念! 惜しい! 正解は、どのカベも食べられる、でした!」





「なにをぉおお!? 貴様、神の息吹において戯言を放つとは! 許さん!」





 レオルがごねり、ダブリがキレた。




 まあ当然だろうな。俺だって怒る。

 カベは食べるもんじゃないんだ。



 最も、それは種族間の概念の違いだろうけどな。






 俺が2人の間に立って、しっかりと中立に話をまとめよう。


 そう考えて1歩進んだところで、レオルが言った。




「だってほら、食べられるよ? 人間だと消化はできないかもしれないけど、食べられるでしょ?」





「……おいおい」


 俺の呟きは小さく、2人の論争が止まることはなかった。





「貴様! それで食べられなかったら、戯言を言った罰はしっかりと受けてもらうぞ」




 小さく、しかし怒気が十分にこもった声で、ダブリが言う。




 そしてダブリは何を思ったのか……唐突にカベに向かって、右ストレートを放った。




 その瞬間、転生神の神殿全域が揺れた。




 天井からパラパラと砂が落ち、殴ったカベには、クレーターのような穴が空いていた。





「どれ……」




 そうして、ダブリはカベの破片を口に運んだ。

 大きさとしては、俺の握りこぶしよりも大きい。



 それを、ダブリは口に放り込んだ。





「ふ……む」




 ゴリゴリと音がなり、時々、石が噛み砕かれた音がなる。




 それから数秒後、ゴクリと音がなって、ダブリは頷いた。




「なるほど、確かに食えた。疑って悪かった。この勝負、貴様の勝ちだ」






 おい。

 これはどんな茶番だよ。





 そう心のなかで突っ込むも、レオルがはしゃぐので何も言えない俺であった。





「ね! ね! 神さま! 名誉挽回! 見た?! すごいでしょ!」




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