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天井に空いた穴

ブックマーク登録が20件突破しました! そして総合評価も68ポイント行きました!

これも読んでくださる皆様のおかげです。ありがとうございます!


※本日は余力がありそうなので、またあとで更新します。

今週もよろしくお願いします!



 なのんの姿が、見当たらない。




 いったい、どこに行ったんだ……。





『転生神の神殿』とかいう偉そうな名前の空間を、俺は見回す。





「隠れられそうな場所は……」




 呟きながら考える。







 この空間は、およそ30畳の広さだ。


 だけど置いてある家具は、俺がよく座る、ふっかふかのソファーだけだ。




 あと、床には300を超えるマニュアルが乱雑に広げられている。



 

 が、それだけだ。




 この広い部屋には、1つのソファーと大量の本しかない。



 

 床と天井をつなぐ柱が数本あるけど、隠れられるほど太くはない。




 つまり、ない。



 隠れられそうな場所はない。





 だけど、なのんがいない……?







『転生神の神殿』は、死んだ者を転生させる場所だ。


 死者は魔法陣で召喚されるため、ドアも扉も窓もない。




 周りはカベ。


 下は地面。


 上は天井。





 隠れられる場所も、逃げる場所もない。




 なのに、なのんがいない……。







「どうしたの? カベ食べる?」


「カベは食べない」






 どうしたものか、なのんはどこにいるのか。

 俺が考えていると、転生したスライムのレオルが、脳天気にそんなことを訊いてくる。





 と、レオルがプルプルと小刻みに震えた。





「探し物?」



「物っていうより、探し人だ」



「なのん?」



「もしかして……どこにいるか知っているのか?」



「うん!」




 ナイスだ!




「隠れるところを見ていたのか?」




 俺がそう尋ねると、レオルは体を3回横に振った。



『いいえ』の意味らしい。



「感じたんだよ!」




 レオルが元気よく答える。




 おお、なんかすげえな。



 さすがは、転生神の手足ってところなのか?



 いや、転生神の手足が具体的に何をしてくれるのかは分からないけどさ。






 とにかく、レオルは探し人が誰かを見事言い当て、しかも居場所を知っている。




 しかも、「感じた」とか武術の達人っぽいこと言ってる。


 すげえなあ。

 



 そうやってレオルに感心していると、上からパラパラと砂が落ちてきた。



「……ん……?」



 砂……?





 不思議に思っていると、レオルが上を見上げてにっこりと笑った。





「ほら! なのんはあそこだよ、褒めて褒めて! ご褒美にカベ貰ってもいいよね!?」






 その視線を追いかける。




『転生神の神殿』の天井に、大きな丸円の穴があいていた。




 こんなもの、なかったはずだ。






 レオルの言葉。

 チビたぬきの獣人の姿がないこと。



 そんなことを考えずとも、犯人はすぐ分かった。





「………………なのん……?」





 天井にあいた穴に向かって声を出すと、すぐにソイツは現れた。




「あ! 神さま! あな掘っておきましたよ! 頑張れりました!」




 鼻のあたまや頬に泥を付けて、なのんは天井の穴から、俺とレオルを見て屈託のない笑顔で笑うのだった。


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