神の手足 02
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さて、どうしたものか……。
死んだスライム……もとい、レオルの個人情報を盗み見ながら、考える。
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死者名:レオル・ライヴィデータ
区分:スライム
性別:両性
善ポイント:10
悪ポイント:10
どっちつかずポイント:0
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使用できるポイントがあまりに少ない。
転生神は基本的に、「死者の要望を叶える」べきだと、そうマニュアルに書いてある。
だけど、これでは希望を叶えられない気がする……。
まあ、まずは質疑応答からかなあ。
どんな能力が欲しくて、どんな環境に生まれたいのか。
それを訊いてみないことには始まらない。
転生神のスキル『厳粛』と『荘厳』により、何百倍にも膨れ上がった、なんだか偉そうな雰囲気をまといながら、俺は低い声で話しかける。
勿論、マニュアルは片手に収まっている。
こいつは手放せないぜ。
「死者よ、どのような未来を望む?」
「どのような未来って、どんな未来があるのー?」
「例えばの話、種族を変えたい、性別を変えたい、そういったものがあるだろう。……要するに、こんな自分になりたいっていう願望だ。それを教えてくれれば良い」
「じゃあ、スライムが良いー」
え。スライムで良いの?
思わず驚いてしまったが、人間も人間に転生したがる。
ならばスライムがスライムになりたいというのも、別に変ではないのか……?
やはり種族そのものに愛着が湧いたりするのだろうか。
手足がないから不便そうだけど…………まあ、本人が良いってんなら、いいか。
「良かろう。だが、モンスターがいる世界となると、やはり争いが付き物だ。魔法や武器、あるいは両方が特化した世界……、俺がもっている文献によれば、転生先の世界は多岐に渡る。どんな場所が良い?」
「えー。うーんとねー」
レオルはプルプルと震えて、ゆっくりと息を吐いた。
真上から見るとその動きはまるで、しぼんでいく風船のようだった。
ちょっとした笑いをこらえながら、レオルの言葉を待つ。
するとレオルは、可能かどうかも分からない要望を俺に言ってきた。
「ここが良い! 僕、ここに転生したいなあ! カベ美味しいし」
恥ずかしいのだろうか……なんだかモジモジしながら、その風船はまたも、しぼんでいくのであった。




