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たとえば、一瞬目が合うとか、ほんの少し指が触れるとか。そんなことに、心拍を躍らせてしまうのが恋とかいう病気で。ほんの少しの触れ合いで頭がおかしいのかと思えるほど幸せになり、ほんのささいなすれ違いで不幸のどん底に突き落とされる。


――そんなジェットコースターの様な想いをすることに、もう疲れた。






干物女というキーワードが一時期はやった。以来、すっかり恋に縁遠い女性を指すワードとなった「干物女」。この単語の響きの悪さから、妙齢の女性を指す言葉としてどうよって思いはあるが、私こと遠野楓がそれに当たるっていう自覚は正直ある。大有りだ。


メールの返信は遅い。SNSなんてめんどくさい。

自炊なんてほぼしない。部屋に他人をすぐに上げるなんて無理。

休日はノーメイクは基本だし、見えない場所の毛の処理もしない。

飲食店でお一人さまも慣れたもの。

お仕事はきっちりやれど、プライベートはがっつり手抜き。


ラクチンで乾いた生活と、女という性を忘れていく自分。

このままがラクでいいと思って生活していながらも、世の結婚難に忘れかけていた女としての危機感を微かに感じてもいたらしい。

正直、魔が差したとしか思えないけど、インターネットの掲示板にこんなスレッドを投稿した。


『干物から鮮魚(素敵女子)になるには、どうしたらいいでしょうか?』


――方法がわかったところで、恋する勇気も無いくせにね。

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