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××と〇〇と△△

「凛子様。これが△△様で御座います」


カケルが仔兎を抱き上げて、そう言ってきた。


どこをどう見ても普通に美味しそうな兎である。


ぷっくりした体は無駄な脂肪分がなくさぞかしあっさりとした味わいをしているだろう。


「待ていお嬢ちゃん!!わてを食うても美味くないと思う!!せやからそないな目で見んといて!!」


「あれ?非常食(可愛い兎)さんが喋ったわ!」


「本音と建て前が逆!逆になっとる!」


ぎゃあぎゃあ叫ぶ兎はやっぱり美味しそうな肉塊にしか見えなかった。


「確かに人間界に住む兎に見えますが…中身は万年発情期の変態野郎で御座います。ゴキブリよりも美味しくないと思いますよ」


「ゴミじゃん」


「なんやそれ!?それ酷くないか!?わては絶対美味しいと思うで!!勿論性的な意味でもやけど!」


仔兎のだらしなく崩れた顔は最早恐怖しか抱けなかった。

頗る可愛くない。

そしてやっぱりロクな神がいないと思った。





「わあ、うさぎさん!」


サンカクさんを見て、クオリが歓声を上げた。


可愛い物好きのクオリの事だから喜ぶとは思ってた。


それを見てカケル君が「ああ、それは」と声を上げた。


クオリはサンカクさんを抱き締めて「なあに?」と返す。


「バイセクシュアルな男神の△△様で御座います」


お、思いっきり投げ捨てよった!!


ばちんと壁に思いっきり当てられたサンカクさんは「美人さんがめっちゃ酷いことしよるぅ」と言いながら、カケルの脚に抱き付いた。


そして短い兎足でカケルの細長い脚を撫でくり回す様は、気持ち悪いとしか言いようがなかった。


可愛い仔兎の姿にならないで欲しいかな。


「気持ち悪いのでお止め下さいませ」


「きゃんっ!!カケルったら照・れ・屋・さ・ん☆」


冷たい眼差しを向けられてもなんのその。


サンカクさんは兎の姿でカケル君をおちょくっていた。


カケル君はクオリを見て、そして良いことを思い付いたみたいな雰囲気を醸し出した。


きっとサンカクさんの未来が暗くなるような事だろうなと、他人ごとに思う。

此奴の所為で面倒なことが起こったのだし、どうでもいいというかね。うん。


「クオリ様。兎の毛皮で出来たぬいぐるみは欲しいですか?」


「わー!ほしい!あのね、イルカさんのとなりに飾りたいな!」


コンバットナイフを持ったカケルに、そう言ってサンカクさんを抑えるクオリ。


サンカクさんは必死に「わての艶やかな毛並みでぬいぐるみ作ったら確かに良いのが出来ると思うがわてという色男が消えたと知ったら神界の住人が嘆き悲しむで!」とか言っている。


けれども2人は無視し続ける。


あ、頭の毛が無くなって…ドンマイ☆


「ドンマイ☆じゃあらへんよ!!お嬢ちゃん助けて!わての大事な物が穫られてまう!」


「取られちまえ」


「ひどーーい!!」


今日の夕飯はハンバーグだったけど、このハンバーグは何肉なんだろう。

サーチの魔術は、なんとなく使わないでおいた。





「遊びに来たわよ」


そう言ってマルちゃんが抱き付いてきた。


豊満な胸に埋まり、息が苦しくなる。


ちょっとお尻を触らないで欲しいかな。


割れ目に沿って指を動かさないで欲しいかな。


薄い下着越しにマルちゃんの指の体温を感じて、恥ずかしくなる。


「やっぱり可愛いわ…凛子ちゃん!」


頬に額にキスされまくって、それから漸く離して貰えた。


神々と相対するのは、なんだか学校の喧騒よりも疲れる。


「美男子同士の絡みもええけど…やっぱり美女×美少女の絡みは格別やね!もうわて…はちきれんばかりや!」


「うわ、生きてたんだ」


ピンピンとしてるサンカクさんが「その言葉酷くないか!?」とほざく。


だって…てっきり昨日のハンバーグはサンカクさんのお肉かと思って…お腹下さないか心配だったんだもの。


「とても安心した」


「いろいろ含まれとる気がするんやけども…それはさておき、わても触り合いっこに混ぜてー!」


ル〇ンダイブ的な動きで来たサンカクさんを、マルちゃんが長く細い足で蹴り返した。


よく死なないな…サンカクさん。


「貴方は××のケツの穴でも掘ってなさい」


ん?今なんか女神様が口にしちゃいけない言葉を吐いたような…


「でも××ったらガードが堅いんやも~ん。一回も掘らせてくれへん」


「だからって可愛い可愛い凛子ちゃんやメイド達に手を出さないで頂戴!」


「執事とかは?美男子は?」


「別にどうでもいいわ」


「よっしゃー!」


サンカクさんは生ゴミを見るような目をしてるマルちゃんを一切合財気にせず、そそくさと帰ってしまった。


何しに来たんだ彼奴。


「百合趣味はとても良いと思うけど、他は駄目ね、理解出来ない」


女神様がカーッぺっと親父臭く唾液を吐かないで欲しい。


「まあ、どうせ蹴られてお仕舞いだけど。うちの執事達は女の子達を守る為に鍛錬させてるもの。…あんなのが自分の元婚約者だと思うと怖気がするわ…」


神々の生い立ちや文化等がとても気になったけれど、取りあえず黄昏ているマルちゃんの肩を叩いて励ましておいた。

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