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爽やかな朝の事件

「リンコ」


私を手招きまでして呼んでいるシザリオン。


取りあえず横に並ぶと、テレビを付けた。


最初にテレビを見て幽霊騒ぎしてたのが懐かしいな。


パチリとついてニュースキャスターがどんと映る。


喋る内容と画像に、私は冷や汗をかいた。


《ドラゴンです!あれは絶対にドラゴンでした!そう興奮する目撃者は多数に及び――》


シザリオンが穏やかに笑った。


「カケル殿を殺そうではないか、リンコ。平和の為に」


「そうね。それがいい気がしてきたわ」






――あの騒ぎの内幾らか消し忘れていたらしく、そして特に害はないからそのままにしておく事にしたようだ。


味噌汁(クオリの味噌は阻止したから入ってない)を啜りながらそう本人が言ったのだ。


「天にお帰り下さい」


そう言うと、カケルは不思議そうな顔をした。


「おや?褒美は要らないのですね?解りました帰「帰ったら尻の穴付近の毛が異様に伸びる呪いかける」なんて恐ろしいことを仰るのですか!!その様な呪いは止めて下さいませ!」


本当に嫌だったらしく、謀らずとも表情を変えるという目的を達成できた。


ぶつぶつ言いつつも能力をくれたので、私は上機嫌になった。


さあ、使ってみようか!


何が良いかな………………これだ!!



ネバァ



「なっとう!?リンコ、よりによって、なっとうにするの!?」


ネバァ~


「う…変わった臭いがしますわ」


ネバネバァ


「我が輩…ナットウは好きなのであるが…ナットウが手のひらから出て来るのはちょっと…」


ネバァネバァ


「い、いっぱい出さないで下さいましぃぃぃ!」


何故か不評だった。


美味しいのにね、納豆。





「あ、そうそう。私今日から此処に住みますから宜しくお願い致しますね」


「居座るな!」


「おや?帰ったらし、しり…ゴニョゴニョ…をかけると、貴方が仰ったでは御座いませんか」


「ちょ、なんだそのバカでかいケースは!いつの間に持ち込んで…っていうか中身枕と布団しか入ってねぇ!」


「私枕が変わると眠れないので御座います」


「帰れって!」


「こんなに面白いのを画面越しに見るだけなんて嫌で御座います!」


な ん だ こ い つ 。


どんだけ言っても帰ってはくれず、挙げ句の果てには学校から行って帰って来た時に美味い鰻の蒲焼きをくれたので追い返せなかった。


くそ…もぐもぐ

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