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謎の宗教軍団と私

ハロハロ。

ゆるふわガールの凛子さんだよ。

私こと荻原凛子は、間違っても超絶美少女なんかじゃないんだよ。


鏡さんを見てそう呟いても、鏡さんは偽りの姿を映すだけ。

ある意味見慣れたその姿で溜め息を吐くと、脳裏にあの留学生の科白が浮かんだ。


『眠れなくしてやんよ☆』多分こんな感じ。あやふやだがきっとこんな感じ。


あのセコムだかなんだかの相手をするのは嫌だなって思ってたけれど、意外にもあれから私に関わらなくなった。


ヴァーデ曰く、あの少年は射撃の腕前が凄まじくあるんだとか。


少年が来てからというもの、新聞に載ってた宗教軍団の話はかなり広まっていき、更に過激になっていった。


もう、幾つの警察官が殉職したか判然らない。


世紀末な空気の漂う街中には、超能力が威張って歩いている。


超能力は大体が宗教軍団に所属していて、黒いもやもやの手先として働いていた。


クオリが見つけた強い超能力を洗脳して味方を増やしていると言っていたのが、昨日だったかな。


そして昨日の夢の中にカケル君が現れて、すまなそうな顔をしている気がする相変わらずのポーカーフェイスで私を呪ったのだ。


『戦うので御座います!!美少女戦士キューティーリンコさま!!私も陰ながら応援致します!!』


応援致しますじゃねぇよ!!

私を元の平和な世界に返せよ!!


私が望んだ世界はこんな世紀末な雰囲気漂う世界じゃねぇよ!!


暴力が通貨になりつつあるし!!


でも学校は普通にやっている不思議。


私の家と私のよく歩く所と学校だけが荒らされていないという凄まじい不自然さに、やっぱり全部が全部、私を狙っているからなのかなって不安になる。


ポストには相変わらず危ない物が届くし、この前なんかリスが私を盗撮していたし、無視をするのも限界だった。


顔もカケル君によって美少女verに変えられてしまった事だしと、護身用に釘バッドを持って外出する。


ヴァーデとシザリオンの2人は情報収集に忙しいらしい。

なので、ころころと布団の上でゲームして遊んでたクオリ君を肩に背負って持って来た。

釘バッドがチクチク刺さってると騒いでいるけれど、無視をしておいた。耐えろ。


最近になってガラの悪い奴等が出入りしているらしい公園に行けば、なんと色んな物を抉り出してあり更には大きな穴が開いていた。


此処が奴等のアジトか…

意を決してその穴の中に入る。


意外にも小綺麗な長い階段を降りて行くと、エレベーターがぽつりと置いてあった。


更に下降するのか。


じたばたと暴れるクオリ君を持ち直し、エレベーターの中に入る。

中には普通のエレベーターと同じ感じでボタンが並んでいるが、突っ込み所が満載だった。

なんだエジプトって!


恐る恐るラットランドのボタンを押して見ると、ガコンという物騒な音が鳴る。


そして次第にエレベーター内は光に包まれていき、気付けば何処かの室内に着いていた。わあ…ワープ機能付きエレベーターなんだあ。


きょろきょろと辺りを見渡すと、此処がロッカールームなんだと気付く。


何の気なしにロッカーを掴み開けると、ガキャコと軋みつつ普通に開いた。


「うそ、駄目だよ、リンコ。ろっかーに、手形付いてる」


「違うよクオリ。これは私の手が物凄く汚れてたからその汚れが付いただけだよ。まあほらあれだ…クオリ君はそろそろ乙女心を理解しときなさい」


「本当にそれでいいの!?なんなの、その妙な乙女ごころは!!」


笑いながら驚愕の雰囲気を浮かべるクオリ君は、なんとも器用だなぁと思う。


「ずっと笑顔はちょいと怖いなと思ったのは内緒さ」


「内緒にする気、かいむだね!」


良い突っ込みをくれるから大好きだよクオリ君。


そうそう、私はボケか突っ込みでいうと、ボケキャラなんだよ。

だから私は突っ込まれたいんだよ。

そういうキャラだからね、私は。


「だから遠慮なく私にどんどん突っ込んでね。私を(良いボケをかましたという満足感で)、クオリ(の突っ込み)でいっぱいにしてね?クオリ(の突っ込み)無しではいられないようにして欲しいわ」


「り、リンコの小悪魔!きちくー!!男ごろしー!!」


はて、なんのことやら。





ロッカールームを探った結果、此処には武器が大量に積んであるのが解った。

宗教軍団の武器庫が夢溢れるラットランドにあるとは思うまい。

クオリ君が物色して武装していくのを、横目にする。


主にロケットランチャーやパンツァーミサイルやらの危ない物ばかりを選んでいるのを見て、もしや戦わずに建物だけ壊して生き埋めにするのではと戦慄した。





更に物色するクオリ君。

異空間にぽいぽいと入れて行くのを見て、妙に不安になってきた。


まさかクラスメートに持たせる気じゃ…いや、まさか…


「お待たせ!もう、いいよー!」


大量のグレネードを某モンスタを捕まえて入れるボールを付けるように腰に装着した。

そして矢張りこのにこやかである。怖いわ!


しかし…どうやって元のエレベーターに戻るのかが判然らない。


迂闊に魔術を使えばどんな反応するか判然らないし…どうしようか…


「探ろうよ!あそびながら!」


え?きみはそんな物騒な格好で遊ぶ気なのか!?

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