表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/109

元凶は呑気に笑う

明けましておめでとうございますですー

学校から帰ってくると、家の中には儚げな女神が佇んでいた。

その神々しさ。

外見だけか…それとも中身もなのか…


何があっても驚かないという心構えをしてから「誰ですか貴方」と聞くと、女神はふわりと笑った。


「私はあなたの妻でぇすっ……うえっぷ…吐きそう…」


「そんな所で吐くな不審者!!」


違う意味で驚いたわ!

いきなり吐くとか何だこの女!!

イメージぶち壊しにも程が過ぎるだろ!!


思わず蔑んだ目で見ていると、ゲロ女はグフフとおっさん臭い笑い声を上げて言った。


「もお凛子ちゃん!ゲロ女は厭だぞぅ!私の事は愛情を込めてマルちゃんって呼んでね☆」


「おマルちゃん」


「きゃ~名前呼ばれちゃったぜ超嬉しい!グッフッフッフ…」


その笑い声止めて欲しいマジで。

悪夢を見ているような気分になるし。


おマルちゃんは女としてどうかと思う笑い声を響かせた後、思い出したように言った。


「あ、そうそう。私ったらビールぶっ零しちゃった所為でさー、No.966…は可愛くないからクロムで。クロムっていう超ド級に危ない犯罪者の魂を此処に逃がしちゃったのよー。いやー参った参った…××の作ったシステムに入った所為で凄いやばいくらい殺戮大好き凛子ちゃん大好きなラスボスが誕生しちゃったZE☆もうマルちゃんったらおきゃんでドジっこだわー」


なにそのラスボス。

殺戮と並んで好きとか真っ当じゃない好意なんかめちゃくちゃ要らねえよ!!


「敵は大量に分裂してるから気を付けてちょうだいな!ああ、そうそう、人が殺害されても何とか誤魔化すから安心してね☆」


「それって…市太郎が死んだという事実を無かった事にするっていうの?」


恐ろしい事実を取り敢えず無視してそう言う。


「そう☆貴女が生き返らせなくても大丈夫だったんだけど…まあ、少し手間が省けて良かったわ」


きゃふきゃふと笑うおマルちゃんと私。

私の場合はちょっとカクカクした笑い方だけど許せ。本音言えば笑えねーもん。


よく考えたらいま側に居るはずのクオリ達の姿がないけれど、多分恐らくきっと女神の力だとかそんなんで私と彼女の2人きりにしたんだろう。


やや不安だ。


「クロムは…貴女のお父さんの魂まで取り込んだ所為で、貴女に対して歪んだ愛情を持っちゃったのよ。取り敢えず出来たらお父さんを助けましょうね☆」


「ちなみにお父さんを取っただけだとどうなるか分かる?」


「白が赤に染まったら戻れないように、一度根付いた自我は消えないわよ?肉体が滅ばなきゃね」


逃げる道を絶たれてしまった!

そんな…面倒な事をこんなにしなきゃとか…死ねるわ。


「別に大丈夫よ?戦わなくても」


そう言った女神に後光が差しているように見えた。


「貴女が黒いもやもやに捕まれば多分満足して大人しくなるもの」


「ちょっと待てちょっと待てちょっと待て!そんな身を呈すくらいなら殺りに行くわよもう!」


「ヤりに行くの?ぐふ!楽しみだわーー」


きっと勘違いしている。


そんな気がしたけど無視した。


藪蛇はいやだもの。





気付けば女神は消えていて、クオリ達が隣に居た。

……夢か。


そう思ったけれど、クオリがアッと叫んだ。


「リンコ、そのまーくは何?きすまーく?」


「げ…やられた…」


私の首筋にキスマークに似たものがくっきりとあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ