情報整理と黒い影
田中市太郎提供の情報によると、春山樹先生の姿をした黒いもやもやは自分の家族を目の前で惨殺した後に笑いながら自殺したらしい。
その後、知り合いの男に化けた先生が現れ、混乱したまま殺された。
荻原柩によれば、自分は転生者で善行を積んだ為に記憶のあるままにされた、所謂転生トリップの別世界の人間だそうな。
小さい頃の記憶がすっぽ抜けており、だけど私の存在だけは覚えていたらしい。
仮説だが、あの黒いもやもやはずっと荻原柩の体を使って行動していたが、意識のある者の体を使うのは難しかったみたいだ。
よく癇癪を起こしていて、まるで子供のような感情を、あの黒いもやもやは持っていたらしい。
そして自分の知る限りだとポストの事や殺害関係は知らない、と。
だが、どうも私(荻原凛子)が親しい男を作るのが気にくわないらしく、親しい相手を私から遠ざけていたそうだ。
シザリオンは私が狙われてからよくジョギングついでに見回りしていたけれど、この街にやけに鳥や猫が多いのが気になったらしい。
そして、何故か動物にはない筈の訝しかむような憎んでいるような深い愛情を何かに向けているような複雑な感情を感じたそうだ。
何処までも人間くさかった、と。
ヴァーデは知り合い(超金持ち集団)に掛け合ってみてくれたらしく、興味深い事が聞けた。
曰わく、国のトップが何処も彼処も可笑しくなっているだの、黒いもやもやが其処ら彼処で湧いているだの。
全てが同じ日にち、私が異世界から帰ってきて直ぐと被っていたと。
だから無関係とは思えないと。
一番とんでもない情報をくれたのは、クオリだった。
先ず街の至る所(警察の許可を取っているらしいがどうやって?)にカメラを仕掛けた結果、超能力に目覚めた人間が居るらしい。
それは何気ない所で使っていて、もっと深く調査した結果、この街にのみ超能力持ちが居るのだとわかったとか。
その力が何なのかよく判然らないので、仮名を超能力とした。
その超能力は魔力とは全く違う力を持っていて、それは大地の気を使用した精霊魔術に近いとか何とか。
…強い超能力を持つ者は決まって黒いもやもやを纏っていて、暴力的な思考になるらしく、至る所で喧嘩が勃発したそうだ。
まだメディアが目をつけていないだけで、危険な状態だとか。
そして一番怖かったポストの犯人は、沢山の鳥だったらしい。
「証拠のびでお、みる?」
「遠慮しておきます」
…思った以上にヤバい事態じゃないか?
全ての黒いもやもやの感情が私に向いてなければ良いけど…
「あのね、ひつぎ。あの黒いのって、ほかの事、かんがえたり、してた?」
「うぅん、ぜんぜぇん。凛子お姉ちゃんの事しかぁ、考えてないくらいだよぉ」
…全国に散らばる黒いもやもや全てが同じとも限らないって、私信じてる!信じてるからね!!
ぐだぐだになってしまったので、一旦区切ります。
神様?に超絶チート美少女に変えられてゲーム世界にトリップさせられた…のタイトル通りじゃない感じしますが、きっと気のせいです。