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悪化している気が

次の日。

シザリオンも転入生として我がクラスに来た。

違和感凄いのよ、学生服のシザリオンは。

だってシザリオン、見た目がどう考えても高校生以上だもの。

大学生にすら見えないもの。

でも、シザリオンの年齢はなんと…16歳!!有り得ない!だってあなた貫禄が有りすぎるもの!


生徒全員そう思っただろう。


とりあえず神様。我がクラスにばかり転入生が来るのは違和感有りまくりなんだけど、そこんとこ大丈夫なのかしら?

クラスメートが何人か足りない気がするんだけど、気の所為なのかしら?


なんだろう。考えれば考える程に不安なんだけど。





シザリオン達は体育の時間の時も目立ちまくりだった。

クオリとヴァーデはそもそもちゃんと体育に参加していなかったけれど、シザリオンが弛んでいるぞと怒ったので仕方なく参加したんだ。


それにしても…もしかしたらシザリオンは私が荻原凛子なんだと気付いてないのかも知れないわねー。


キョロキョロと辺りを見回して、がっかりしているし。


けれども私は敢えて無視をする。


ほら、獅子は子を火山口にぶち込むって言うじゃない?それよ、それ。そんな感じの私なりの激昂とかそんなアレよ。


クオリもヴァーデもシザリオンに教えなかったし。


そんなこんなで放課後になり、帰る時間になった。


まだ来て間もないというのに、転入生組は部活の誘いが凄かった。


凄い身体能力にずば抜けた頭の良さは、同年代の子よりあるからね。彼等は。


けれど三人とも無視して歩く。


シザリオンが人を無視するなんて珍しいわね。


「我が…俺、今日は早く帰りたい気分なのである」


一人称を変えたーー!

まあ、現代において一人称“我が輩”はちょっとアレだなとは思ってたけど…なんだか凄い違和感する。


シザリオンは私をガシッと掴み(あれ?)、そそくさと我が家へ直行した(あれあれ?)


「さて…改めて。久し振りであるな、リンコよ」


「分かってらっしゃった…だと…」


「困った時に耳朶を摘んでおっただろう?それに眠い時は必要以上に瞳孔が開いておった。我が輩リンコの癖は熟知しているのである!」


誇らしげに告げられた内容に、私は軽く死にたくなった。


見 ら れ て た 。


それも多分、すっごくガン見されてた。


「シザリオン変態」


「リンコが減るわ」


クオリとヴァーデのブーイングを喰らったシザリオンは、ちっとも堪えぬ顔で言う。


「我が輩に教えぬ輩の言う言葉ではないな!我が輩はリンコかどうかを見定めただけであるしな!」


見定めなくていいよ帰れ。


流石に私もそれは言えなかった。


ああ…今月の食費が怖いな…


いや、そういやヴァーデが金持って来たんだっけ。

か、金持ち万歳!金持ち万歳!私金持ちと結婚する!


「はい!はい!ぼく金持ち!ぼく金持ちだよ!」


「な、なんなのクオリ君…その凄まじくキンキラキンででかくて高そうな宝石の付いた冠は…」


「えっとね、お兄ちゃんの!」


か、返してあげてーー!!

お兄ちゃん可哀想だから!!きっと今頃泣いてるから!!


だけどもクオリは満面の笑みで言った。


「大丈夫、ジャパンの、兜あげたから!…紙製だけどね」


今なんか小声で言った気がするけれど、私は気にしない事にした。


ああ、人はこうして大らかになっていくのね。


ふふふ…

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