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いつもの日常…?

「おはよーさん」


朝の我が家は気持ちいい程に静かだ。あれではずっと賑やかだっただけに、何も返ってこない我が家は寂しく感「おはよー!ご飯、出来てるよ!」「おはよう御座います凛子様!」な…なん…だと…?

聞き覚えがありすぎる声っぽい幻聴がしたが気の所為だろうか気の所為だろう夢だものあれは。


そろりと幻聴がした気がする方角へ進んで行くと、白い人がにこやかにローストクオリ(きっと味は高級なローストビーフ)を食卓に並べていた。

…いかんな。どうやら私は風邪を引いているらしい。幻覚まで見えるとは。

その幻覚の数は二体。美青年が二体だ。目の保養と割り切って安全圏から望遠鏡で眺めるくらいなら害の無さそうな、そんな優しい生物達の幻覚が見えてしまっている。


ああ私、疲れているのか。


近寄って黒い方の腰をガシッと掴んでみる。


「な、何をなさるのですか?」


うーむ…やけにリアルな感触。


「そんな所を揉まないで下さいませ!そんな所を揉まないで下さいませ!…か、噛みつかないで下さいませ!!」


ま、まさかこれは本物なのだろうか?

いや、そんな筈はない。神様なんて現実に居る筈がない!だがやけにリアルな感触…


「も、揉まないで下さいませ!!止めて下さいませ!!」


「リンコ…ぼくを無視するの?」


何故かよがり叫ぶカケルっぽい物体の横で、クオリっぽいわんこがクキューンと耳を伏せてうるうるしていた。

あらまあ。私の家、わんこ飼ってたっけ…?


高速撫で撫で(髪を禿げさせる恐ろしい攻撃方法の一つ)をしてやると、喜ぶ白いわんこ。

やけに生々しい夢だなこれ。


「夢では御座いませんよ、凛子様」


「じゃあなんで当然の如く我が家で寛いで居るのよ」


いいよもう認めるよ。

逃げても無駄さね。

だってあっちと違って此処じゃあ私余りサバイバルして暮らせないもの。


「逞しい!リンコ、逞しい!」


はっはっはっはっ

お腹が空いているとね、必然と身に付くもんよ。

やたらと褒め称えてくるクオリを撫でて、はたと気付く。

私、外見がかなり違うけどいいのか?好感度を弄られてたって知っても尚、私を好いてくれるのか?


クオリがにこにこ笑って言った。


「リンコはリンコなんでしょ?えへへ…ぼく、君が好き!だからいーの!」


「クオリ…」


可愛くにこにこしてそう言ってくれているクオリに、私はどうしても言いたい事があった。





「ほっぺにご飯付いてる」


「うわ!本当!」


「雰囲気台無しで御座いますね」


何故かカケルが引いたけれど、知ったこっちゃないね。雰囲気なんて壊す為にあるんだから。





「それにしても…私、結構感動的な別れ方した筈なんだけど」


「仕方ない。だってリンコ、魔石持ってる」


は?魔石?私が魔石を持って…………るね。

髪の毛に絡まってるわー。


ちょ、やばくねーか!?


「カケル君これの処分頼「私帰りますね」おい帰るな神!これなんとかしろよ!おい!!」


信じられない事に、カケルは魔石とクオリを置いて帰ってしまった。


「…時にクオリ君」


「なあに?」


きゅるんとした顔で小首を傾げるクオリ君は、当たり前のように我が家に居座っている。

なんだか嫌な予感が止まらないから訊きたくないけど、流石に訊かなきゃいけないと思うのよ。


「…クオリ君は元の世界に帰「無理。流石に自分じゃ帰れない」ええええええぇ」


放置するわけにいかないだろうし、同居人になるという事かな。

…帰って来た気がしないのは何故だ。


後、この手元にある爆発物より質悪いのはどうしたら良いんだ?

こんなん捨てれないし…本当にどうしたら良いんだ?

神てめぇこの野郎戻って来やがれ!!

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