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横行跋扈は止めた

「いままでごめんなさい」


これは誰だろうか。


今は麗らかな朝早く。


朝ご飯の時間に彼女は来た。


男になっていない、女の姿で来た。


男体化とかいう巫山戯たスキルが発動していない辺り、麗しい朝の空と同じくすっきりした心で居るのだろう。


「何か、あったの?」


ぼくに教えてくれるよねという顔でクオリが聞いてきた。


クエスチョンが付いてないような、教えてくれるのが当たり前という顔をしている。


いやさ、教えてもいいが、ちょっとねぇ。


「くよくよしてるのに対してこうドカンと言ったらスパーンって済んだ感じ」


「なるほど!わからない!」


「自分でも解らない!」


「ばかっ!リンコばかっ!ぼく、狂ったヒメコにれいぷされたかと思った!心配した!」


ぷんぷんと怒ってますという顔をしているけれど、頬にメープルシロップが付いているので格好がつかない。

拭けよ。


ていうか今凄い事言わなかった?気の所為かしら?


ハッとなってヒメコを見ると、ヒメコは観音様の様なアルカイックスマイルを浮かべていた。


…なんかこわい。


「彼女に近付かないで。不愉快だわ」


クオリを蹴り上げるヒメコ。

私をギュッと抱き締めて高速頬擦りをかましてきた。


誰だ君は!!

反抗期終えた潤君(※近所のまさるくん)か!!


矢張りというか、クオリに対したダメージを与えれていない。

クオリは妙にニコニコした顔であの恐ろしい形状の剣を取り出し、チャキチャキと床を鳴らした。

ヒメコはナックルを取り出してアルカイックスマイルをし、くいくいと人差し指でクオリを呼んだ。

その際、男体化した。


まさか二人共マジ切れモードなの?

挟まれた私はどうするべきなの?


斬り合い殴り合い仕舞いには手を組んで互いを讃えて喧嘩を終わらせたと見せ掛けて二人揃って不意打ちでKOパンチを喰らわせて倒れた。


あー、うん、良かったねヒメコ。

クオリと(男同士の友情に似た)友好を築けて。

でもね、女としてはどうかと思うよ。


その起き様の華麗な顔面蹴り。


クオリも女に向けるもんじゃないと思うよ。


飛龍原爆固め的なその動きは。


喧嘩が終わる前に朝ご飯を済ませて散歩を済ませてぐだぐだしてお昼ご飯作ってお昼ご飯済ませてぐだぐだして買い物に行って夕飯を作った。


要するに一日中喧嘩をしていた。


駄目だ。

誰か止めないと超人同士の戦いはヒートアップするだけのようよ。




面倒。


夕飯食べて寝るから勝手にしてくれ。


シザリオンの家に勝手に入って適当にベッドに潜り込む。


4個もベッドあるんだから良いよね。


五月蝿い我が家で寝れないんだからこれくらい良いよね。


なんだか横に生暖かいものが居る気がするけれど、恐らくは気の所為だろう。


「わざわざ我が輩の寝場所に入るとは矢張り貴様は魔族なのだな!!我が輩を誘惑しようとしても無駄なのである!!ぬぅうっ!我が輩の手が勝手に動くだと!?どんな魔法を」


「うるせぇ。黙って枕になってろよ」


「…はい」


私は昨日寝た気がしないのでいま物凄く眠いの。


だからもう動かないから。


おやすみ……

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