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護身用には狼牙棒

「ふう」


私は今、1人で宿に泊まっていた。

勿論クオリは置いてきた。というか、別にクオリと私は恋人でも夫婦でも兄弟でもないしね。来たけりゃ探して来るだろう。


あの家を出た理由は、あのシザリオンである。

もしや私の家に居る率が高いんじゃないかと思って谷間に作っておいた私の家を覗けば、シザリオンと勇者様(という名の雌餓鬼)とその他愉快な仲間達がいた。

見た瞬間に、ああもう無理だな家出よう、と思った。





「やっぱり雪はいいなぁ…偶には」


降り注ぐ雪はとても冷たく、だけど気持ちいいものだ。

温泉の女湯に入って寛ぐ。

チート能力のお陰なのかお金は簡単に手に入るので、気分は旅行者である。

服も着ないのは私専用の亜空間に入れればいいし、その外のも同じく。

なので、実際は旅行より身軽で動きやすい。




突然だが私は棍棒やらモーニングスターやら打撃武器を使用している。

理由は簡単。切り刻むのは好きじゃないからだ。

基本的に防衛以外では使わないけど。


「ぬおっ!?いきなり何をするであるか!!」


「此処女湯だ変態!!」


腰にタオルを巻いた変態が女湯に入ってきたので、ここで殴り殺してもきっと正当防衛になると思うんだ。


そう思って狼牙棒(棒の先に棘が沢山付いた中国の武器)を振り下ろしたけれど、避けてしまった。


「す、すまなかったである!!だがそれが我が輩にぶつかったら怪我じゃすまんぞ!?」


「…っち。早く出てってくれない?ここは!女湯!だから!」


顔を真っ赤にして出て行ったシザリオン。


………強制イベントこわっ!!


私、風呂以外では宿の部屋にいるか気をつけて街を観光してるから大丈夫だと思ってたのに。


迂闊だった。


まさか正義馬鹿なのに女湯に乱入する変態とは!!


まあ、見られて減るもんではないけど。


風呂から出ると変態が待ち構えていたのでダッシュで逃げ出した。


「ちょ、君はあの女神の泉に魔族(後から判明した)と居た女性であろう!?話を訊きたいのだが!!待ちたまえ!!」


…もういっそうのこと、魔界に行こうかな。

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