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地獄

作者: 千歳

灰色の世界だった。

人は、マイナス一歳から、神の「教育」を受けて育つ。

神の「教育」がなかったということは、私は神から憎まれていたのである。

ひたいにしわが寄る年になってようやく「教育」に気づいた。しかし、「教育」自体が本当に始まったのは実は二十五歳くらいで、それに気づかなかったのである。私は誰からもそのこと――孵卵器の中にいること――を知らされずに、地獄に暮らしていた。そんな私を人々は嘲笑した。白痴であると。

二十五歳までの私は、一切の「生きる能力」が育たず、ただ植物のように生きていた。お前には生きる資格がない、ということだったのだろう。15歳の時の恋の願いも、神によって砕かれた。神はすべての恋を砕いた。それは薄汚い嫉妬心からである。

地獄。地獄を作ったのは体育教師と数学教師と美術教師だった。それが神なのである。

どんな理由があろうと、裁判官でない者、醜い神が人を裁くことは許されない。

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