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「地味」だと追放した聖女が世界のOS(基本ソフト)だった件 〜規約違反により貴国への全サポートを終了いたします〜  作者: ☆もも☆@12話完結の人


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第1話:地味すぎて追放?こちらから願い下げですわ。

王都――勇者パーティが築き上げた、輝かしい拠点。

世間ではそう称えられている場所だが、リリアにとっては違った。

彼女にとっては、ただの“淀んだ空気の溜まり場”に過ぎない。


「いいか、リリア。お前の回復魔法は、とにかく地味なんだよ!」


勇者レオンの怒鳴り声が、大理石の天井に無作法に反響する。


「新しい聖女のミナちゃんを見ろ! 

彼女のヒールは、黄金の光が降り注ぐ。

これこそが民衆が求める『救済』だ。それに比べてお前は……」


レオンの隣では、派手な香水の匂いを漂わせたミナが、

勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。


「そうですよぉ、リリアさん。

 あなたの魔法って、傷が塞がるだけですしぃ……

 見ていて、地味で貧乏臭いんですよね」


この瞬間、リリアはこの国の価値観を完全に理解した。

中身が空洞であっても、表面さえ輝いていれば、

それを“救済”と呼ぶらしい。

 

実に見苦しい、定義の混同であった。


「聞いているのか! 追放だぞ、リリア。

……靴を舐めるなら、許してやってもいいが?」


その言葉を聞いた瞬間、リリアの胸の奥は、

驚くほど静かに凪いでいった。


「……承知いたしました。謹んで、お引き受けいたしますわ」


「はあ? 今、なんと言った――」


「追放の決定、心より感謝申し上げますと申し上げましたの。

これほどまでに清々しい心地は初めて。

あなた方と同じ空気を吸わずに済む。

それだけで、私の肺が浄化されていくようですわ」


ドレスの裾を指先でつまみ、完璧な角度で、優雅に一礼する。


「“空っぽの器”を修復する術式は、あいにく存じ上げませんの……

ミナ様もお体をお大事に。

中身のない器が無理に熱を持てば、

いずれ無惨に割れてしまうものですから」


去り際の一言に、偽聖女の顔が引きつったが、私には関係ない。

リリアは清々しい気分で宮殿を後にした。



リリアは、人も魔物も近づかぬ禁域――

“死の森”と呼ばれる場所の最奥にある、賢者の庵へと向かった。


数日後。

辿り着いたその場所は、

かつての主を失ってもなお、圧倒的な神聖さを保っていた。


リリアは一振りの魔法で小屋を清掃し、テラスへ椅子を持ち出す。


その時、草むらがガサリと揺れた。


「あら……不法侵入かしら」


現れたのは、四匹の奇妙な生き物だった。

泥にまみれた白い仔虎。

羽の生え揃わない赤い小鳥。

甲羅に蛇を巻き付けた亀。

そして、トカゲのような青い蛇。


世に言う「四神」――白虎、朱雀、玄武、青龍。

一国を千年も繁栄させるという伝説の神獣たちが、

無様に転がっていたのである。


「……不快だわ。死ぬなら、せめて敷地の外でお願いしたいもの。

 縁起が悪いと言うか…私の美学に反しますわ」


そう言いながらも、リリアの指先からは、

七色に光る魔力が漏れていた。


「いい? 浄化が終わったら、速やかにお帰りなさい。

 ここはあなた方のような『毛玉』や『爬虫類』が、

 勝手に入り込んでいい場所ではありませんのよ」


リリアが指を鳴らしたその瞬間、

森を揺るがすほどの浄化の光が奔った。


 ――それは、世界の魔法碑に映し出される

「全世界配信」の第一歩でもあった。


読んで頂き、ありがとうございますm(_ _)m

本日、第3話まで投稿します。


明日は、4話と5話を連続で投稿していきます。

12話で完結しますので、よろしかったらブクマをポチッと

して頂けると嬉しいです(*^-^*)


よろしくお願いします☆

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