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「地味」だと追放した聖女が世界のOS(基本ソフト)だった件 〜規約違反により貴国への全サポートを終了いたします〜  作者: ☆もも☆@12話完結の人


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12/13

第11話:利用規約違反ですわ

王都の崩壊。それは悲劇ではなく、単なる「仕様」であった。


リリアは、前住人が残していった旧式の魔導石コンソールの前に立ち、

流れるログを淡々と眺めていた。


「リリア様! お願いします、どうかこの滅びを止める『更新アップデート』を!」


境界線の外で、泥を啜りながら叫ぶ元貴族たちの声。

しかし、彼女は一度たりとも、彼らを見ようとはしなかった。


「……あら。皆様、今まで一度も『利用規約』を読まずに、

この世界の恩恵を享受していらしたのかしら。

実に見苦しい、同意なき権利の主張ですわね」

 

リリアは、しろたまの爪を整えながら、向こう側――

全世界の魔法石碑に向けて、氷のような宣告を放った。


「私が『聖女』として提供していたのは、慈善事業ではありません。

この世界の安定を維持するための、管理・保守サービスに過ぎませんの……

そして、その契約には、絶対的な条件がありましたのよ」

 

彼女は扇を広げ、空中に巨大な術式の「条項」を映し出した。


「第一条:管理者に対する不当なハラスメント、および業務妨害の禁止。

 第二条:システム(聖女)の独占的私物化、および不衛生な環境での運用。

 ……あなた方は、このすべてを自ら破り、私を『追放』という名の

強制解雇に処しました。……契約の重大な違反。つまり、この瞬間に『聖女』という

システムのサポート期間は、終了していたのです」


◆ ◆ ◆


【世界中の井戸端会議(掲示板)】

1:名無しの魔導士

 ……利用規約!? 魔法を使うのに、そんなものが存在してたのか!?


2:名無しの賢者

 聖女様が今、映し出したログを見ろ……。

 王都がリリア様を追い出した瞬間に、世界中の「安定化プログラム」に

『Access Denied』の文字が並んでる。


3:名無しの騎士

 「私はあなた方を滅ぼしたのではありません。

あなた方が、サービスを停止させたのです」

 ……俺たち勝手に、自分たちで自分たちの首を絞めただけなんだ……。


4:名無しの市民

 見てくれ、王都だけじゃない!

 不正を働いている他国の役所でも、魔法の灯りがパチパチと消え始めたぞ!

 「不正な運用は、自動的に検知・遮断されます」って……。


5:名無しの商人

 聖女様、紅茶を飲みながら「マニュアル通りに動かないシステムに、

存在価値はありませんわ」って……。

 世界が、大掃除されていく……!


◆ ◆ ◆

「……ふぅ。これでようやく、不適切なユーザーの選別フィルタリングが完了しましたわ」


 リリアは、朱雀が九十八度で維持した最後の一杯を楽しみ、

静かに端末(魔導石)を操作した。

 

もはや、誰が泣こうと、誰が祈ろうと、停止したプロセスが再起動することはない。


「いい、四神の皆様。エラーを吐き続ける古い秩序を、

一度きれいに『削除』すること……その後に、自分たちの足で立てる者だけが、

次のログインを許されるのです」


 リリアは満足げに微笑み、メインスイッチに指をかけた。


「――皆様、さようなら。

これより、本システムの最終シャットダウンシーケンスに移行いたします」


全世界が、自分たちが失ったもののあまりの大きさに、絶望と畏怖を刻み込まれた瞬間であった。


ご覧頂き、ありがとうございますm(_ _)m

本日は、最終話12話まで投稿します。

よろしくお願いします☆

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