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栢林は過酷かも(3)
そういえばちょっと前に「暗視」とかいう妄言を言ったがあれはただ暗闇に目がなれただけだった。
スキルという物自体が存在しているかすらわからないが想像で勝手に何か作ってないとやってけない。
依然、氷の木々の生い茂るこの森は姿を変えない。
退屈ではあるが生物も特に見当たらない。
今のところ移動手段である歩きによる移動距離は少しだが確実に長くなっている。
途中小川があった。
そこで遺品にあった水筒に水を入れてそれ以外でも水分補給をしておいた。
驚くべきことにこの水筒、外と中の温度が明確に違う。
水筒の外に刻印のような物が彫られていたから多分魔術か何かだろう。
こういうことを考えることが出来る点を思うと他人の記憶を植え付けられたのは好都合だな。
正直自分は前世で自覚していたが世間知らずだ。
転生でもしてくれれば自分は十分に生活できただろうな。
ただ、不運にもこの氷の台地のど真ん中にあった洞窟に転移した。
...
改めて思うが最悪な状況だな。
飯がない。
防寒服を貫通する寒さ。
言語がわからない異世界になんちゅう環境で転移してんだおれは...
まぁ悔やんでも仕方ない。
今を生きれば明日は幸運に見舞われるかもな。
...
こんな想像をできる今が幸せかもしれないな。




