1-4
「ねえ、サスケ氏!今日の部活はもうお開きに……」
「拙者もそう言いたいところでござるが……部員の勧誘ノルマがまだ……」
「あっ……うわあ……思い出したくなかったのに……」
ぼくらには抱えている問題があった。
まあ、ぶっちゃけ部員が少な過ぎることなんだが。
一応文芸部と名乗っているが部員は2名であり、実質同好会に過ぎない。たった二人の部員の為に教室をひとつ使わせるのは勿体無いと。このままだと廃部の危機だと。部として続けていくには最低5人の部員が必要であると。
……まあ、そういうことを昨日先生に聞かされたのだ。
「うう。ぼく、サスケ氏と語れる場がなくなるのは辛い……」
「拙者とて廃部は免れたいでござる。成世氏、ツテは無いのでござるか?」
「あるように見えるのか?」
「…………」
サスケ氏、そこは否定してくれよ。
いやでもぼくには本当に友達が居ない。サスケ氏しか居ない。自慢にもならないけど。いや、自慢したくもないし。
そもそも、こんな見るからにオタサーって感じの部活に誰が好き好んで入部するだろうか?
うう、自分で言ってて悲しくなってきたぞ。
なんか隣の教室を使ってる怪しげな部活……なんでも部……いや、よろず部、だっけ?にも、縋りたい気分になってきた……。
あそこ、生徒会長が入部してるから割とやりたい放題なんだよね。
でもでも、得体が知れないし……うう。
「よし」
「成世氏!何か思いついたのでござるか!?」
「とりあえず……」
「とりあえず……?」
「勧誘のことは明日考えよう!!今日は帰ろう!!」
……ぼくは現実逃避に走った。