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「───────ッ!!ふざけるな!!私と式部は愛し合って、誰よりも深い絆で結ばれているんだッ!!!!式部!!あいつら全員纏めて仕留めろ!!」
「……承知致しました」
嗚呼、鈴木さんが思いっきり煽ったせいで翼さんはもう激おこじゃないか……!
だけどパートナーをうちに置いてきた上に負傷もしているぼくにはどうしようも出来ない。これほど煽り散らすってことは勝てる自信があるってことだろうと信じ、ぼくは鈴木さんに全てを託すことにする。
「あーあ、ダメ。全然ダメだわ。エジソン、本当の絆とやらを教えてやりましょ」
「ほむ!了解じゃ!」
二人はお互い目を合わせ微笑んだ。
そして同時に、口にする。
「「スキルレベル1発動!!バクダンどっかーん!!」」
「いや何そのふざけたスキル名ーーーっ!!」
ぼくは思わずツッコミを入れた。いや、ツッコまざるを得なかった。
一応今はかなりのシリアスパート……の筈だよね!?いや確かにちょっとネタに走りそうなところもあったけど、ぼくがボコボコにされてた訳だし!殺されるかもしれないって怯えてるところだったよね!?
「くらうのじゃ!!」
ぼくのツッコミなど聞こえていないのか完全スルーしたエジソンは手を伸ばし、式部が着けている首飾りに掴みかかった。そのまま彼を引き寄せて爆発に巻き込む気だろうか。スキル名的に。
「式部!振り払って!」
しかし実年齢はともかくエジソンの見た目は小さな女の子だ。体格差で適う訳がない。案の定式部に呆気なく吹っ飛ばされてしまい、そのまま壁に激突してしまう。
「……ぐぅっ!」
「ああっ……!こんなの、適う訳ないじゃん……!!」
さっき吹き飛ばされたサスケ氏と同じ……いやそれよりも小さな身体にはその衝撃は耐え難いものだっただろう。エジソンは傷だらけになり、血を吐いてしまった。
だが、エジソンが劣勢だというのに鈴木さんは焦った様子すら見せない。
「す、鈴木さんっ!エジソン負けちゃうよ……!?」
「大丈夫よ、狙い通りだから」
鈴木さんがそう言うと、エジソンは重症にも関わらず口角を吊り上げて……ニヤリと笑った。
「……起爆せい!!」
そして放った彼女の言葉とほぼ同時に、式部の首飾りの一部が弾け飛ぶ。
「えっ!?ええっ!?」
ぼくは何が起こったか分からず、ただ混乱するだけ。しかし、状況は一転してこちら側が優勢になったことは理解出来た。
「な、何だよそれっ……!!」
原理は分からないが首飾りが突然爆発したんだ。当然首から上が爆発に巻き込まれただろう。無事でいられる筈がない。……しかし、式部は辛うじてまだ生きているようだった。
「……まだやる?次の一撃で、あたしたちはアンタのパートナーを確実に仕留めるつもりだけど」
「……っうう……!くそ!くそっ!!戻って式部!!」
翼さんがスマホを操作すると、その場から式部が消えた。多分、パーティから外したのだろう。
そしてそのまま部屋の扉を開け、彼女は逃げるように走り去って行く。
「……はあ。親愛度がマイナスって……ほんと何やらかしたんだか」
逃げていく翼さんの後ろ姿を見送りながら、鈴木さんは呆れたように呟くのであった。




