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リアル推しガチャRe  作者: 有氏ゆず
第三話 恐らく、好敵手
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3-10




「あっ、そういえば優勝者1名には何でも願いが叶う権利が与えられるみたいだけど……織華さんには何か願い事はあるの?」

「願い事……無いことはありませんのよ。だからこそわたくしはこのゲームに乗ったのですから」


……そうだ。織華さんは訳も分からず巻き込まれたのに参加資格を放棄していない。つまり彼女は説明を見て、ルールを把握した上でこのゲームに乗ったのだ。

だったら、彼女がぼくらに協力する理由が分からない。優勝者はたった一人……つまり、プレイヤーは皆敵同士なのだから。


「ふふ。心配なさらないで。わたくしに敵意はございませんわ」


ぼくは相当警戒した様子を見せたらしい。彼女は安心させるかのようににっこりと笑って答えてくれた。


「でもぼくに優しくするメリットなんてないでしょ。一人しか願い事は叶えて貰えない。なら、織華さんにとってぼくは排除すべき敵じゃないの?」

「メリットはありますのよ。このゲーム、一見個人戦に見えますけれど……誰かと組んだ方が有利に事を進められる筈ですわ」


確かにゲームでのファンクロにはフレンド機能があったし、フレンドと協力した方がクリアーしやすいクエストも沢山あった。

だけど、それはゲームの話。リアルファンクロではそうとは限らないし、仮にフレンドがいた方が得だったとしても手慣れなプレイヤーと組まないと逆に足を引っ張られてしまうのではないだろうか。


「ぼくは始めたばっかだし、戦力にはなれないと思うんだけど……」

「始めたばかりの芋煮様の方がお話が出来るかと思いましたの。それに、芋煮様はファンクロの上位ランカーなのでしょう?」

「な、何でそれを……?でも、ゲームとリアルは違うじゃん……!」




「……ねえ、織華」


突然、少納言が立ち上がり、バンと大きな音を立てて机を叩いた。


「な、なぎ!いきなりなんですの!?お静かになさいませ!」

「織華の声の方が煩いと思うけどなあ。……って、そうじゃなくてさ。さっさと本当のこと話しちゃえば?」

「な、何をおっしゃるの?わたくしは本当のことしか話していませんわ……!」

「はあ……とっとと素直になりなよ。あのさ、織華は成世ちゃんのことが可愛くて、成世ちゃんをストー……」

「……!!お消えあそばせ!!」


織華さんが焦った様子でスマホを開き、何かを操作すると……なんと少納言が跡形もなく消えてしまった!!


「え!?な、何!?消えたの!?てか、消したの!?」


確かに織華さんはお消えあそばせって言ってたけど!でもそれで本当に消えるとか、ある!?

ぼくは恐怖でガタガタと震える。彼女の機嫌を損ねると、ぼくも "お消えあそばせ" されてしまうのだろうか。


「だ、大丈夫ですわ。パーティメンバーを変更しただけですの。リアルファンクロのアプリから操作出来ることですのよ」

「えっと……つまりパーティメンバーから外せばリアルから一時的に消えるってこと?」

「そうですわ。ただパーティに入れていないパートナーには経験値が入りませんから……あまり外すのはオススメ出来ませんわね」


成程。つまり、パーティにセットすればリアルに召喚されて、パーティから外せばリアルからは消えると。外しておいたらリアルに出て来ないからずっと外しておけばいいんじゃないかとも思ったけど、そうすると経験値が入らないのか。まあ、パーティ入りしてないと経験値が入らないのはゲームの方のファンクロでもそうだった。


で、さっき消えた少納言は今はアプリの中にしまわれてる状態……ってことかな。原理は分かんないけど、今更それについて説明を求める気にもならない。


というか、リアルファンクロを始めてからどんどん突拍子のないことを素直に受け入れている気がするんだけど……毒されてるのかもしれない。




「ねえ、織華さん。そういえばさっき少納言が言いかけた話って……」

「あ、あら!もうこんな時間ですの!?お稽古に間に合いませんわ!」


織華さんはわざとらしく腕をちらっと見て、立ち上がる。もう時間が無いアピールをしたかったんだろうけど……いや、腕時計してないが?君はいったい何を見たんだ?


「お、お稽古?」

「それではまたお会いしましょう!ごめんあそばせでしてよ〜!」


そして会計をし、彼女はそのまま逃げるように店を出ていってしまった。

自分の会計ついでにぼくらの分まで払ってくれたのは嬉しいけど、何か誤魔化された気がするぞ。




「てかまたお会いしましょうって……連絡先教えて貰ってないんだが……?」

「これは私の勘になりますが……近いうちにまたお会いすることになると思いますよ」


果たして彼女らは敵か味方か。最後にちょっと怪しいところがあったし、完全には信用しない方が良いのかも。……あのお嬢様言葉もなんか変だし。それに……


「ストー、って……少納言、何て言おうとしたんだろ……?」

「ふむ……私にもよく分かりません」

「ふうん……?」


……まあいいや。とりあえず帰ったら今日教わったことをノートにでも纏めておこう。それと、家では式部をパーティから外しておいた方がいいかもしれないな……。


そしてこの後、式部がパーティから外れるのを拒否した結果、とんでもないことになってしまうのをこの時のぼくはまだ知らない。




第四話に続く……




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