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リアル推しガチャRe  作者: 有氏ゆず
第三話 恐らく、好敵手
28/40

3-7




「いいえ。私はいつでも成世様をお慕いしております」


式部が、ぼくの言葉を否定する。




ファンクロの式部は、ぼくの知っている式部は……こんなこと絶対に言わなかった。


そもそも彼はプレイヤーに意見などしないし、プレイヤーの言葉を否定したりなんかする訳が無い。


彼はプレイヤーにはとても従順で逆らうことなんて有り得ない。だが、プレイヤーのことを好きになるなんてそれ以上に有り得なかった。彼には感情が無い。ただプレイヤーが自分の主人だから、主人の命令に従っているに過ぎないのだ。


でも、現実(リアル)に召喚された式部は……ぼくのことを好きだと言う。




……最初からずっと覚えていた違和感。




そういえば召喚した時から、式部はずっとぼくに優しくて、執着しているように思えた。

だって、普通ならプレイヤーが傷つけられたところで、式部はあんなに怒ったりしないし。命令以外で、自分の感情で動いたりするようなキャラじゃないのに。


自分を主人の人形だと思っていて、自我なんかない、そういうパートナーなのに。推しに対してこんなこと言うのはアレかもしれないけれど、でもぼくはそういう式部が好きで、推していた訳で。


でも今ぼくの目の前にいる式部は、何もしていないのに、レベル2のスキルが使えるくらい、ぼくを愛してるの……?




「……成世様?」

「……………ぁ、」




式部が心配そうにぼくを見ている。顔が、近い。こんなに近いのに、面布の中は見えない。彼の表情は窺えない。

だけど彼は本来、こんなことは絶対にしない。そういうキャラじゃない。ずっと式部で上位ランカーだったぼくが言うんだから間違いない。


でも……


「……ううん。何でもない」

「そうですか?体調が悪そうに見えましたので、心配で」

「大丈夫……ちょっと色々考えちゃっただけだから。織華さんもごめんね。話、続けて欲しい」


まだリアルファンクロのことについて聞きたいことは沢山ある。今、話を止めたくなかった。ぼくは織華さんに続きを促す。




それにこれ以上、式部(このひと)について考えるのは……何となく怖くなってしまったから。




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