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「なぎっ……!」
女の人が席から立ち上がり、式部からアイアンクローを喰らっているセイ少納言の元へと向かう。だからぼくは女の人が彼を心配して、助けに行こうとしてるんだと思った。
そう……思った……んだけど……。
「お、織華……!僕を助けに来てくれたんだね……!」
「アンタはっ……!絶対手を出すなって……言ったでしょうが!!」
「ぐふっ!?!?」
まさかのセイ少納言に腹パン。そしてそのまま彼はめちゃくちゃ吹っ飛んだ。明らかに腹パンの威力じゃない。やだこの人強いじゃない。
「お、織華……?何で僕を殴るのかな……?」
吹っ飛ばされて壁に激突しながらもふらふらと立ち上がるセイ少納言。結果的に式部のアイアンクローからは逃れられた訳だけど、それ以上の怪我を負ってしまっている気がする。
「私はただ、私はっ……!憧れの芋煮さんと話したかっただけなのに!何余計なことしてくれてるの!?一発じゃ済まさないわよこの最低男!!」
「わー!待って待って!ぼく平気だから!ほら!全然元気でしょ!?」
放っておいたら彼がこのままボコボコにされかねかなかったので、慌ててぼくは止めに入った。
「いえ、成世様……彼は懲りない人ですから。もう少し仕置きが必要だと、私も思ったのですが」
あれ!?式部ってそんなに黒かったっけ!?いや、対セイ少納言だとこういう対応が普通だった気もするけど!それにしてもやっぱりちょっと可哀想だ!!
「……はっ!……失礼致しましたわ。わたくし、自我を失っていたようですの。お許しあそばせ」
「今更取り繕っても……無駄だと思うよ……?」
「お黙りあそばせ!」
「ふぐぅっ!!」
黙っていればいいのに口を出したセイ少納言はまた女の人にビンタをされてしまう。そして盛大に吹っ飛ぶ。だからそれ、ビンタの威力じゃないんだって。
「と、とりあえず!落ち着こう!落ち着いて話をしようか!……ねっ!?」




