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「……さて、式部。リアルファンクロについて色々教えてくれる?」
……あの後、結構な金額を使ってぼくは服を引き当てた。当然親の金をガッツリ使っての課金である。親ガチャ大成功万歳。親の金で引くガチャはうまいか。最高です。
そしてその服を式部に着せたらこれが似合うこと。これは推せる。
でも面布は外してくれなかった。ゲーム本編で好感度MAXでも外してくれなかったしな、これは仕方ないか。寧ろ外されたら解釈不一致だったかもしれない。……まあ、面布をつけていたとしてもいつもの着物よりは目立たないだろう。たぶん。
「何処からお教え致しましょうか?」
「ううん……そうだな……」
長居する為に喫茶店に寄ったのだが、何処から聞いたものか。何せ何が分からないかすら、ぼくには分かっていないのだ。これなら何を聞くべきかノートにでも纏めてくるべきだった。無計画過ぎる自分が嫌になる。
「……ごめんあそばせ。御一緒しても宜しいかしら?」
何から聞こうか悩んでいた所、急に声を掛けられて驚いた。声をかけてきたのは大人っぽくて、すっごく綺麗な女の人だった。
「は、はい!ど、どどどうぞ!」
サスケ氏以外とまともに話したことがないぼくはコミュ障を発動させ、吃りまくってしまった。ちょっと……いやだいぶ恥ずかしい。
……っていうか、そもそもリアルファンクロの話するんだから相席させちゃダメだろ!!
でも、店内が混んでいるならわがまま言う訳にもいかないんだけど……あれ?
ぼくは辺りを見回したが、店内は相席なんてする必要も無いくらいガラガラに空いていた。
「ぇ、ぁ……」
いや、あなた相席する必要無いですよね。
そこらへんいっぱい空いてますよ。
……そう言えば良いのだが、コミュ障陰キャのぼくにはそれを口にするのはハードルが高過ぎた。
ぼくが戸惑っているうちに女の人はぼくの隣に座ってしまう。……まずい。これじゃあ完全に席を立てない状況になってしまった。何とかして遠慮して貰わないと式部と話が出来ない。
「あ、あ、あのっ……」
「芋煮成世様……でいらっしゃいますわよね?」
「!?」
な、何でぼくの名前……!?
そう口に出そうとした瞬間、彼女は更にぼくを驚かせるようなことを口にしたのだ。
「……リアルファンクロって、ご存知ですの?」
「え、あっ」
「そちらの方は、パートナー……ですわね」
「な、何でっ……!?」
……まずいかもしれない。
この人も、昨日の男みたいに襲いかかってくるのだろうか。立ち上がろうとしたけど思いっきり逃げ道は塞がれている。まさか、ぼくを逃がさない為にわざと隣に座った……?
「式部、たすけ……!」
「……!成世様!」
ぼくが式部を呼ぶのと、式部がぼくを呼ぶのはほぼ同時だった。式部がテーブルを乗り越えてぼくの手を掴もうとして……一瞬遅かった。
式部はぼくの手を掴めず、そしてぼくは……
…………何故か宙に浮いていた。




