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リアル推しガチャRe  作者: 有氏ゆず
第一話 推し、襲来
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1-1




「ふぐあっ!!」

「いってえ!!」

「はうっ、ご、ごめんよ我が弟…!」




初めまして。ぼくの名前は芋煮成世(いもに なるよ)

花も恥じらうJK。好きなものはゴスロリ。家でゴロゴロするのが大好きなインドア。そしてファンタジークロニクルの重課金ユーザーなのだ。


ああ、ファンタジークロニクル……略してファンクロってのはぼくがハマっているスマホのアプリゲームなんだ。

アクティブユーザー数が100万人超えの超人気ゲーム。ぼくの周りでも結構な人がやってるレベルなんだぞ。




「姉ちゃんが魘されてたからわざわざ起こしに来てやったのに……いきなり頭突きかましてくるとかアリかよ…」

「むむ、すまぬ。我が弟よ」


で、ぼくが寝起きに思いっきり頭をぶつけたのがぼくの弟の芋煮鳴海(いもに なるみ)。中学生。

インドア派のぼくとは真逆で、運動部に入っててモテモテ。何かイケメンらしい。知らんけど。


鳴海にもファンクロを薦めてみたんだけど、「姉ちゃんがやってるのを見てるだけで面白い」んだってさ。……ということにして、マジで興味が無いからやりたくないパターンだと思う。弟め。




「……泣いてたのか?」

「……?いや、わかんない」


鳴海に指摘され、指で目を擦ってみたら、微かに濡れていた。

でも寝る前に泣いた記憶は無い。


「怖い夢でも見てたんじゃね?」

「ん……そうかもなあ。全然覚えてないけど」

「怖い夢なら覚えてねー方が正解だろ。ほら、朝飯作ったからさっさと食って」

「御意」


鳴海はぼくと違って何でも出来るので、家のことは何でもやってくれている。

姉として情けないが、つい甘えてしまう。

いやもう情けないという感情すら忘れてきているが。まるでヒモだ。ヒモか。


ちなみに我が家には両親は居ない。

二人とも海外で働いていて、滅多に帰って来ないんだ。

でもうちにはお手伝いさんも居て、そこそこおっきい家で……まあ、裕福なんだと思う。


寂しいと思ったことは、あんまりない。

鳴海もいるし。




「姉ちゃん、早くしろって!置いてくぞー!」

「わ、わわっ……!ま、待って、まだ味噌汁が……あっつ!!むりやむしぬ」

「こんなことでいちいち病むなって!ほら、ゆっくりでいいから!」


急かすのかゆっくりでいいのかどっちなんだ、我が弟よ。

というか「置いてく」って言う割には一度もぼくを置いてったことないんだよな。


ぼくは涙目になりながら味噌汁を啜り、弟と共に家を飛び出した。




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