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「こいつは俺の相棒のスキルで眠らせた!それが分かるとは……お前がURのパートナーだな!?」
「そうですか、何か」
男が式部に向かって叫ぶ。それに対して式部は酷く冷たい声色で返事をした。
「へへ……!これで俺の今月のクエストはクリアー出来るぜ……!ギリギリだったな……!」
男は一人で何か呟いている。狂っている、のだろうか。ぼくは怖くて式部にしがみつく。
「……成世様」
「は、はいっ!ごめんなさい!」
調子に乗ってすみませんでした!さっきからベタベタ触り過ぎてましたよね!
ぼくは慌てて式部から離れる。
「決して、その場から動かないでくださいね」
「……え?」
「何コソコソ話してるんだ!……まあいい、すぐに終わらせてやるよ!出てこい、俺の相棒───」
「………………………えっ?」
……それはあまりにも一瞬過ぎて。
ぼくには何が起こったか分からなかった。
「あ、あ……ご主人、さまぁ……」
男がスマホで何かのアプリを起動して一人の女性を呼び出した。その女性はファンクロのキャラクターで、それでこの人もリアルにパートナーを召喚してしまったぼくと同じ人なんだと、そこまでは分かった。
しかしそこからが本当に一瞬で、気がつけばそのパートナーは……切り刻まれて倒れていた。
「終わりですか」
「う、嘘だろ……俺の相棒が一瞬で……」
血に濡れた装束を纏い、式部は男へと振り返る。しかし男は今起きたことが信じ難いようだった。
「終わりですか」
「ひっ!」
式部は再度同じ言葉を口にした直後、ぼくにも捉えられないくらいの速さで間合いを詰め、男の首を掴んだ。
その瞬間、無傷だった筈の男が傷だらけになって。
「……ぁ、やだ……」
式部が怖い。彼を止めたいのに、恐怖で掠れた声しか出ない。
「私は今、怒っています。それはもうとてつもなく。理由はお解りですね?」
「あ、あ……」
「成世様に涙を流させた。……貴方は許されないことをしました」
やめて。やめてよ式部。だってその人、もう……!
「だ、だって、だってよ。俺だってURのパートナーが欲しくて……」
「もう、結構です。終わりにしましょう」
「待っ……」
「さようなら」




