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「いやあああああ!!高い!高いの怖いーーーーーー!!!!」
「申し訳御座いません。移動速度と一般人を巻き込まないことを加味した結果、空から攻めるのが一番かと判断致しました」
あーあー!ぼく式部にお姫様抱っこされて空飛んでる!凄いや!
確かにファンクロの式部は飛べる設定だった。かと言って、現実で生身で空を飛ぶ経験なんて普通はしない。まあバンジージャンプとかパラグライダーとか、そういう経験をしようと思えば出来るけど。
少なくともぼくは今までにしたことはないし、これからもしようとは思わない。絶対に!
「お、落としちゃやだよ!?絶対ダメだからね!?」
「はい。成世様の御命令とあらば」
式部がそう言ったとしても恐怖が和らぐことはなく、ぼくは彼に思いっきりしがみついた。
普段なら、こんなことしたら卒倒しそうなんだけど……照れて離れようもんならそれこそ命が無くなる。
「ま、まだなの!?まだつかないの!?」
サスケ氏が心配で、ぼくは何度も式部に声をかける。実際はそんなに時間は経っていないのだろうが、急いでいるぼくにとってはとても長い時間のように思えた。
というか、そもそもその目は見えてるの!?結構なスピードなので面布が風でたなびいているけど決して捲れ上がらないのは何で!?そういう仕様なの!?……あっ、でも口は見えた。ひょっとしたら顔も見えるかも……。
「成世様、降ります」
心の中でそんな邪なことを考えていると、急に式部が声を掛けてきた。最初は顔を見ようとしたのがバレたのかと思ったけど……ん?降りる?降りるって言った?このスピードで?
「えっ、ちょ、ちょっと待って!ゆっくり!ゆっくりだよ!?」
「承知致しました。出来るだけ頑張ります」
「で、出来るだけって何!?速い!速いんだってーーーー!!」
─────────!!
着地した。
というよりこれは落下した、の方が正しいと思う。まあ、命はあるし式部もノーダメージっぽいから大丈夫だろう。すっごく怖かったけど!!
「だ、誰だ!?」
焦ったような声が聞こえてくる。まあ結構な音を立てて着地(落下)した訳だしびっくりするのは当然だと思うけど。
というか、この声……!間違いない、電話越しで聞いた男の声だ!
「誰だ……とはおかしいですね。貴方が呼んだと云うのに」
あんな派手な着地をした後も冷静に、声の主に対して式部が声を掛ける。ぼくも慌てて式部の向いた先を見ると……そこには一人の男がいた。その足下には縛られて倒れているサスケ氏が。
「……っ!!サスケ氏!!」
もう乱暴されてしまった後かもしれない。遅かったのだろうか。ぼくは最悪な想像をしてしまう。
「……大丈夫です、成世様。どうやら眠らされているだけのようです」
「ほ、ほんと……?」
「ええ」
……良かった。とりあえず、サスケ氏が無事で。
でもまだ安心は出来ない。サスケ氏の身柄は男が拘束しているのだから。




