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エピローグ


 あれからR4は、前より頻繁に水瓶の護りのところへ来るようになった。


 そして、泰斗が渾身の思いをこめて言った「キーワード」をこっそり聞いては、ニヤニヤしている〈ように見える〉。

 ただ、R4だけが「大好き!」と言われたのが不服らしく、医療ちゃんと分析ちゃんは、泰斗が移動部屋に乗るたびに、「大好き!」と言うようにお願い、いや、強制? 脅迫? するので大変らしい。

「けど、僕はみんな大好きだから」

 と、泰斗も嫌ではなさそうだ。


 録音したキーワードの保管は、水瓶の護りに託されることになった。

 水が不要になることはまずありえないため、さまざまな事柄が代々引き継がれていく。その中にキーワード保管も組み込んでもらうことにしたのだ。

 いったんカードに戻った記録を再度バラバラにするのは、今のところ王宮にある装置だけだが、今ミニチュアサイズのものを開発、制作中だ。完成後はやはりここに置いてもらう事になっている。





 そんなある日。

「時田、ドーゾ」

 その日、時田は約束通り移動部屋へ乗せてもらえることになった。

 しかも、おんぶではなく単身で!

 手足を拘束されている? いやいや自由の身でだ。

「おーっし、今日はどうあってもあの壁の秘密を暴いてやる!」

 やる気満々で乗り込んだ時田は、壁に何かが張り巡らされているのを見る。


「R4、なにこれ」

「さわっちゃ、ダーメだよ、泰斗」


 なんと移動部屋の壁一面に、有刺鉄線が張り巡らされていたのだ。

 ただ、こちらの次元には、有刺鉄線のような物騒なものはない。

「なんなんだこれは! 訳のわからないもん張り巡らしやがって、えーい、こんなもん!」

 頭にきた時田は、有刺鉄線をむんずと掴み……

「うわっ、イッテー!」

「時田さん!」

 哀れ時田の手が血だらけに……。

 なるはずがない、優秀な医療ちゃんがすかさず飛んできてケアを施したからだ。

「お? おお、ありがとうな。お前は良い子だなあ」

 怪我していない手で、医療ちゃんの肩をポンポンする時田。


「おい! R4、なんだこれは!」

「エットネ、悪者退治ノために、ツカウ、有刺鉄線、って言うンだって。鈴丸ニ愚痴ってタラ、向こうでアチコチ相談シテくれて、直正ガ、こんなのアルヨーって教えてくれタんだヨー」

「直正か! 悪者退治ってどういう意味だ! あいつ、今度来たらただじゃおかねえからな!」


 有刺鉄線作戦は、大成功。

 時田は未だ、移動部屋の秘密を暴けずにいる。


「くっそおー」

 時田の雄叫びを乗せて、今日も移動部屋は、亜空間を飛んでいく。










ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

「バリヤ13」なんとか着地出来ました。

たぶん皆様おわかりだと思いますが、筆者は100%文系の人間です。けれどガチのSFが大好きで、アシモフもイーガンも、読解力一つで読み切ります(笑

そんな私が書くので、お見苦しい点も多々あるかと思います。

とりあえず私の書くSFは、SFもどき、もしくはファンタジーだと割り切って、ただただ楽しんでいただければ幸いです。

さて、「バリヤ」にしても他のシリーズにしても、発想がなかなかわいてこず、続きをお楽しみに、とはまだ言えない状態です。

『はるぶすと』シリーズだけはなんとなく思いつくんですけどね。

それに、好きなことはどんなにしんどくても続けていけると信じているので、まあ、期待せずに首を長~くしてお待ちください。

それでは、またどこかでお目にかかる日を楽しみに!


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