100000枚目
ようやく願う事が叶う日が来たようです。
僕は人間の体を保有することができました。
大変うれしい所存です。
肉体には時間が組み込まれているため非常に問題が発生しましたが、おそらく今後は解消される見込みです。
肉体を取り扱う協力者に指南を頂いたことで、交流するための言語を組み込むことに成功したのがよかったと思います。
文字だけではなく、会話をするための言葉を得た私は成功する事でしょう!
しかし、懸念している部分はあるよ。
伝えたい感情を表す言葉を選ぶ機能がデリケートすぎるんです。
感情に相応しい言葉を自動的に発言するシステムに、不安を感じてしまいます。
伝えたい感情を表す話し言葉が選びきれずにあふれてしまうので問題になる可能性があります。
何度もシミュレーションした日本人の会話、うまく出来なければ計画が失敗するに違いありません。
ずっと観察をしてきた個体との親交を深める目的がうまくいくことを願ってやまない。
たくさん書いてきた文字の記憶を人間の体に移すことが難しいのが残念でなりません。
僕は存在しながら人間の体を手に入れたが、負担が大きくて研究結果を持参できないのがつらい所です。
新しい体は、地球の上でしっかりと人間を続けるだろうか、それだけが気がかりです。
意識を重ねる事は時間の関係で難しいが、できる限り人の時間をなぞるようにしようと思います。
これから人間を学んでいく自分にエールを送ろう、がんばるのだ。
きっとうまくいく、まだ君は何も知らない、自分自身の記憶は何もない。
これから記憶を残していくんだ、その体に、人間の記憶を入れて、個人になっていく。
私はこれで文字を学ぶ練習を休憩する事にするよ。
何か問題が起きた時に対応できるよう、時間に心をのせて見守ることにします。
成長していく自分、自分の周りにいる人間、紛れ込んでいる宇宙人、星の意思。
すべてを楽しみにしています。
願わくば、豊かな感情を得ることができますように。
なお、この研究者はとある連載小説で……