この世界の異端者は今日も狂っている
特に構成が決まっているわけでもなく趣味を詰めた形です。更新も遅いですが、気長にお待ち頂ければm(_ _)m
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私は異常だ。これまで出会ったどこかの人々が仮に外では隠し家の内で何か特殊な癖や好みを持っていようと、通常とはかけ離れていると言われる類の悪い性格をもった人間であろうと、私と比べれば些事だと思う。
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私には友達が沢山いて、可愛い子も明るい子も綺麗な子もいる。私は所謂お馬鹿ポジションで、バカだなあと周りに言われながらヘラヘラ笑っていて、或いは怒って見せて、それで相手を笑顔にしたり楽しませたりする役割だ。
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いつも知り合いを見かけては声をかけ、笑って怒って泣いて、表情豊かに周囲を和ませ、お馬鹿な鈍感さでもって空気をぶち壊す。そんなオチに最適なポジション。外では。
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お気楽で良いよね、とてもいいと思う、ずっとそのままでいてね。よくそう言われるから、つい分かっていない顔でうんと元気に頷いてしまう時、心の内で申し訳なく思っている私に気付いている人はいないだろう。私のような異常者が本当にそんな殊勝な気持ちを持ち合わせているのかさえ、自信はないけれど。
「ああああああああぁぁぁあ''あ''あ''あ''あ''あア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛あぁああああア゛ア゛ア゛ア」
喉が枯れるまで叫ぶ。いっその事壊れれば手間がもっと少なくて済むのに、なぜか毎日やっても壊れない。こんな事に魔法を使ってしまうから授業中足りなくなって落ちこぼれるっていうのに、なんて少ない凡人以下の魔力量なんだろう。
いつからかな、これが趣味になったのは。生まれた時に力いっぱい泣き叫んで羊水を吐き出し、生きようとする赤ん坊みたいに。人から恨みを買い、残虐な報復に苦しみ悶え、死の間際に断末魔の叫びを上げる塵芥の如き人間のように。
口は引き裂かんばかりに大きく開けられ、喉と舌は焼けそうなくらいに空気を震わせて、それを世界に出す直前に管を塞き止める様に両手で喉を閉め風魔法で空気を止め壁を作って、呼吸も止まれば良いのにと祈って。
何を間違えたかと言われたら、多分生まれた時点から間違えてた。守ってあげたくなるような儚い女の子なら良かった。同じ女の子に惚れられるくらいに魅力的な女の子なら良かった。気が弱くて、助けてあげたくなるような子なら。自分の信念をもってそれを曲げない強い女の子なら。何があろうと、周りがどうだろうと気にしない余裕のある子だったら。表では清楚で完璧を演じられて、裏では天真爛漫で可愛いなんて全てを持っている子になれたら。
見開いた目からは垂直に滴が零れて桶に溜まる。首を締め上げているから、まるで自分の身体から水分を絞り出しているみたいな気分になるのが少し可笑しい。
疲れてきたので、最後に一つ、あまり周りから見えないお腹に自分の出来る最大の力で殴りつける。涙を流して声を枯らして首を絞めるだけで満足出来ない下劣な私はいつもこの流れで終わらせる。治癒魔法はあんまり得意じゃないから、肌の見た目の色を治すくらいしか出来なくて、痣とかはそのままで当たると結構痛かったりするけど、それは何だか生きている証みたいに思えるから嫌いじゃない。
これまで何度かやっている事だけど、気付かれたことは一度もない。気付かれ無いようにやっているのだから当然といえばそうだし、見つかったら意味無いけれど。
そんなわけで、私の夜の日課はこんな風に過ごし、後は桶を洗い流して目の潤いを乾かして、乱れたネグリジェを綺麗に直してベッドに入る。明日は確か魔術の授業でテストがあるんだった。どうせ使い果たしてるからへっぽこな事になってしまうだろうけど、それでいい。
いつ終わるんだろう。これ。
そうボーッと考えながら目を閉じた。
ご覧いただきありがとうございます(*^^*)