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天魔堕ちる暁に  作者: 置鮎瞬夜
3/3

2話

西暦300X年。


人類の技術は飛躍的に進歩した。


天候操作、植林技術の進歩によって多くの環境問題が解決され、不治の病という言葉も過去のものとなった。


ワープ技術や超高速航空機の開発で、誰でも買い物気分で世界中のあらゆる所へ移動できるようになった。


そんな時、とある国がゲートと呼ばれる、異世界へと繋がるポータルを作り出す。


目的は「理論上存在している異世界が本当に存在するのか確かめたい」という些細なもの。




結論から言えば、それは開けてはいけない門だった。




まず一個目の門から天使たちが現れた。



白く美しい翼を持ち、超然とした雰囲気を纏った者たち。


誰もが呆然と天使を見つめていると、天使はこう言った。


「悲しい。空しい。あまりに狂おしい。この世界には最早信仰はなく、あるのはヒトの欲望一つのみ。浄化せねば。彼らヒトもまた、神の子どもであるが故に」



二個目の門からは、悪魔とその配下たる魔物が現れた。


黒く禍々しい翼を広げ、ぬらぬらと光る口腔から鋭い牙を覗かせながら、


「ククク、臭う、臭うぞォ。どうやらこの世界の人間は余程欲が深い様だなァ。しかし天使のクソ野郎共もいるとはなァ。」


「汚ならしい悪魔が何様ですか?欲深いことには同意しますが、彼らは私達天使が浄化するのです。死にたくないなら邪魔はしないことですね」


「お前らは浄化でも何でもすれば良いさ。だが我々悪魔も自由にやらせてもらうぞォ?なんせ久方振り狩りなんだならなァ」


現れた天使と悪魔は、それぞれが平行線のまま言い合いを続けている。


人間そっちのけ、という点では両者共通していたが。


そうしてしばらく言い合いを続けた後、


「分かりました。ではこうしましょう。私たちの浄化が早いか、貴方達の殺戮が早いか、ゲームと致しましょう。そしてその間は互いに不可侵ということで」


「ククク、面白そうじャないか。乗ッてやる」


「ではその様に」



そんな身勝手な理由で、人類は天魔両方から狙われることとなる。





━━そして現在。


天魔の侵攻から僅か一年足らずで、人類はその四割を喪っていた。

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