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009.MPの少ない魔法使い

ダンジョンから帰った俺達は宿に一度帰ってモコウサギを飼う許可を取ってからケージ等必要な物を揃えた後、ギルドの食堂で反省会を兼ねて食事をする事にした。


「それで今日の目的を達成する事が出来たが何か気になった事やこうした方がよかった等あったら教えてくれ。まずはアルティナから」

「んー、私とリックはいつも通りだったし、スピカも初めてにしては十分動けてたし良かったんじゃない?」

「うん。スピカはどうだった?」

「私はお二人に守ってばかりでしたので、もう少し一人でも戦える様になりたいですね。出来る事なら私がお二人の背中をしっかり守れる様になりたいです」

「そうか、しかしな…正直アルティナも言っていたけど冒険者になったばかりにしては十分すぎるほど動けていたと思うぞ?」

「そうでしょうか…」

「まあステータスはリックのおかげでどうにかなってるけど、技術なんかはそれだけじゃどうしようも無いわよ。その辺りはこれから勉強していきましょう」

「はい。それとアルティナさんにお願いがあるんですけど」

「私に?仲間なんだから出来る事はするわよ」

「その…アルティナさんの事をお姉様って呼ばせてもらって良いですか?」

「え?お姉様?」

「はい!ご主人様との連携している時も凄かったですけど、あのワーウルフから守ってくれた時に完全に見惚れてしまいました!」

「…まあ良いけど」

「ありがとうございます!」


こうしてアルティナはスピカからお姉様と呼ばれる様になった。

アルティナは悪い気がしている訳では無いようだが流石に戸惑っているようだ。

そのまま食事を食べ終わってこれからどうするかを話し合おうとした時。


「お願いします。私をパーティーに入れてくれませんか?」


と言う声が聞こえてきた。

そちらに目をやると装備からして魔法使いだと思われる装備をした銀髪の可愛らしい少女が依頼の貼られている掲示板を見ていた男の人に話し掛けていた。

しかし男は既に六人パーティーを組んでいる様で断られていた。

するとその少女はキョロキョロとして別の人に同じ様にパーティーに入れて欲しいとお願いする。

だけど何でか分からないけど人数の揃っていないパーティーにも断られてしまっていた。

もしかしたら彼女に何か原因があるのかもしれない。

そんな事を考えていたら少女と目が合ってしまった。

少女は俺達の所に来ると、


「お願いします。私をパーティーに入れてくれませんか?」


と訊いてきた。

とりあえず俺達は話を聞いて見る事にする。


「私はアリッサといいます。実は私魔法使いなのにMPが全然成長しない…所謂落ちこぼれで魔法をほとんど使え無いんです…」


少女にステータスを見せてもらうとINTはレベルからしたら普通よりかなり高いのにMPが初期レベルクラスしかなかった。

落ちこぼれと言うのは偶に現れる職とステータスの上がりが一致しない所為で力を発揮できない人達の事だ。


「それなので初級魔法でも数回、少しレベルの高い魔法だと一回使うと他に何の魔法も使えなくなっちゃうんです…。それをみんな知っているのでパーティーに入れてくれる人がいなくなってしまって…。偶にいても自分達の奉仕役としてなら入れてやるなんて男の人達のパーティーだったりで…」


顔を俯かせて泣きそうになってしまった。

俺達は顔を見合わせて頷き合う。


「なあ、場合によってはパーティーに入れてあげるのもまったく構わないんだけど、とりあえず俺達の泊まっている宿で話をしないか?」

「…もしかして貴方も私の体ですか?私その手の誘いは受けませんよ。これまでのだって断ったり頑張って逃げてまだ清い体なんですから」

「いやいやそう言う事しないって誓うから、ちょっと他に聞かれたくない事を話したいだけなんだ。ほらこの二人も一緒にいるからさ」

「…確かにその人達は白首輪ですし貴方の事をしっかり信じてそうですよね。…分かりましたただもし私の体目当てだって分かったら自爆覚悟で魔法使いますから」

「ああ、それで構わない」


と言う事でアリッサを連れて四人で宿に帰ってきた。


「それじゃあ説明するな」

「はい」

「まず俺達のステータスを見せるわ」


俺達は自分のステータスを表示してアリッサに見せる。


「これが何か?」

「俺達のステータス能力値を見てくれ」

「なんですかこのカッコで囲われた数字は?こんなの初めて見ます」

「それな…普通に表示されているのが俺達個人の元々のステータスで、カッコの中は上昇値なんだ」

「は?…特殊なバフ魔法でもかけてるって事ですか?」

「少し違う。それは俺のスキルの影響でな。細かい計算はこの際抜くが、俺は奴隷を持つとその分自分と自分の奴隷のステータスが上昇するんだ」

「え…?本当ですか?」

「ああ、だからもし君が俺の奴隷になりたいと心から願う事が出来ればこの二人みたいに白くb「奴隷にしてください!」…早いな」

「私魔法を使うのが大好きなんです。もっと多彩にもっと強力な魔法を使いたいんです。黒首輪奴隷は流石に嫌ですけど、白首輪奴隷になる事でそれが敵うなら是非奴隷にして欲しいです!」

「…分かったとりあえず挑戦してみるか」

「はい!」


そして契約の言葉を紡ぐとアリッサの首に白い首輪が現れた。

アリッサは急ぐように自分のステータスを見る。


「本当にカッコ内の数字表記が増えてる…」

「少し外で試してみるか?」

「はい!」


四人で街から離れた人気の無い所にやって来た。

ここでアリッサの魔法を試して見る。

アリッサはファイアーランスを岩に放ってステータスを確認するとパアッとものすごくいい笑顔になって岩に向けて色々な魔法を撃ち始めた。

それからMPが切れるまで魔法を使い続けると、アリッサはこちらに走ってきて、


「こんなに魔法を撃てたのは初めてです!凄く幸せです!しかもこれからも増える可能性もあるんですよね?是非これからもよろしくお願いします!」


と頭を下げてきた。

こうして俺達のパーティーに魔法使いが加わった。

INT以外のステータスは殆ど影響無いが、INTに関しては結構上昇したしまだアリッサはレベルも決して高く無いのだからこれからも上昇するだろう。

四人全員が魔法を結構使える職や種族なので実は既に結構高かったINTがかなりの数値になっている。

もう既にINTだけなら一流パーティーの魔法使いにも負けないんじゃないだろうか?


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