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069.新しい従者

今日は王都の奴隷商へとやってきた。

とりあえず今はある程度家事を出来てしっかりとやってくれるのであれば能力が高くなくてもいい。

そう考えて家事の出来る奴隷をお願いして連れてきてもらう。

出来る事なら数人購入したい。

連れてきてもらった中で気になったのは母娘だと言う二人。

ものすごく暗い顔をして怖がっているようだった。


「あの、彼女達は?」

「ああ…、実は彼女達はあるお店をやってたのですが、お店の関係で急遽お金が必要になってうちで二人を担保に父親がお金を借りて行ったのです。

 ですがその父親が道中で山賊に襲われたらしくて亡くなりまして…。

 当然お金は取られてしまいそのまま奴隷へと…と言う感じですね」

「そうですか…」


まずは話を聞いて見る事にする。


「二人は家事はできるのか?」

「はい…、娘も家の手伝いをしてくれていましたので」


それならこの二人でいいかもしれないな。


「この二人を買わせてくれないか?」


俺がそう言うと母子はビクンと体を振るわせた。


「はい、それではまずは料金をお願いします」


そう言われたのでお金を渡すと確認に入る。


「…確かにそれでは契約を行ないますので」


母子と共に移動して契約を行なうと二人の首に黒い首輪が現れた。

ちなみにこの二人母親の方はネーレさん、娘の方はサーシャと言うらしい。


「これで完了になります。まだ他の奴隷もお求めになられますか?」

「いや、今回はこの二人でいい」

「それではまたのご来店をお待ちしております」


二人を連れてホームに戻るのだが、やっぱり黒首輪があるからだろう周囲の視線を気にするようにしてビクビクしている。

仕方の無い事とは言え黒首輪の時点で下に見られてしまうからな…。

ジェシーにお願いして二人の分も隠蔽した方が良いだろうな。

そしてホームに着くと二人は驚いていた。


「あ、あの。ご主人様は貴族様だったのですか?」

「いや、貴族じゃなくて冒険者だな。ここは俺達のギルドホームなんだよ」

「冒険者のギルドホーム…」


まずは中に入ってイリナさんに紹介する。


「とりあえず二人にはこのイリナさんに仕事を教えてもらってください。イリナさん手が増えたからと言って無理に作業を増やす必要も無いので」

「はい」

「あ、あの」


イリナさんに任せて部屋に戻ろうとした所でネーレさんに呼び止められた。


「お願いです。私はどう扱われてもいいので娘は…サーシャには手を出さないでください。娘の方が若いですし年頃ですが、ちゃんと好きな人と結ばれて幸せになって欲しいんです。お願いします!」

「お母さん…」


とネーレさんは床に頭を付けてお願いしてきた。

そんなネーレさんをサーシャは心配そうに見ていて、イリナさんは笑いをこらえている感じだった。


「なんかカスミにも同じ様な事言われたな…、俺ってそう言う事をするように見えるのか…、それとイリナさん笑ってないで助けてくださいよ」

「す、すいません。あのネーレさん。リック様はそう言った命令をする方では無いですよ」

「本当ですか?」

「はい」

「俺が命令するのはうちのギルドの秘密を他人にバラさない事と悪事を働かない事の二つだけですから、それ以外はイリナさんの下で家事をやってくれれば良いです」

「それだけですか?」

「ああ」


そんな事を話していたら学生組が帰ってきた。

フィル達も一緒のようだ。


「ただ今帰りました。あれ?その人達は…イリナさんのお手伝いをされる新しい奴隷の人ですか」

「ああ、後で他の皆にもまた紹介するけど、こっちがネーレさんでこっちがサーシャで二人は母子だ」


そこから学生組みが自己紹介と挨拶をするのだが、貴族の子供だったり王族だったりでビックリして、エイラ様の時なんてその場で跪こうとしていた。

そこはエイラ様が止めていたけど、完全に混乱しているみたいだ。

…まあ王族がいきなり来たら仕方が無いだろう。

王様達が来るまでに少しでも慣れてくれれば良いけど…。

一応付いて行く事にすると、その後もアイン達を見て驚いていた。

どうやらワイバーンを飼ってるギルドがある事自体知らなかったらしい。

更に転移用の部屋を紹介した時にはもう固まっていた。

夕食の時間には他の皆も帰ってきたので紹介する。


「あの、冒険者の方達のギルドホームって私達の様な一般家庭の者には信じられない物ばかりあるのが普通なんですか?」

「いやぁ~、ここが特別なだけだと思うよ」

「ミレイの言う通りですね。私も信じられませんし…」


ミレイとアイーダがネーレさんに同意するように返事をして首を縦に振る。

うん、確かにうちのギルドって色々と普通じゃ無いんだろうな。

こうして新たに黒奴隷の従者が二人加わった。



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