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067.アリッサの家系

王都での依頼を受けるのにも皆が慣れてきた。

アイン達の事もあり俺達のギルドも大分有名になって来ている。

現在はテート達が学園に行っているのでパーティメンバーを入れ替えて、


俺、スピカ、アリッサ、ノエル、ティニーのパーティーと、


アルティナ、カスミ、グレン、レリィー、ミレイ、アイーダに別れている。

テート達三人はフィル達三人とパーティーを組んで活動している。

安全の為にフィル達の能力に合わせて依頼を受けて、三人の訓練も兼ねて三人がメインに戦闘して、テート達はサポートをしている状態だそうだ。


そんなある日。

パーティーメンバーの四人と一緒にホームに向かっていると、


「あら、落ちこぼれのアリッサじゃない」


と声を掛けられた。

そっちの方を見ると、どことなくアリッサに似ている女性がこちらに向かってきている。


「メリッサ姉…」


アリッサがそんな事を呟く。

似ているし本当の姉妹と言う事だろうか。


「貴女家から追い出された後まったく見なかったのにまだ王都にいたのね」

「最近まで違う場所にいたよ。今は冒険者をやってて王都でも依頼を受けているから」

「貴女が冒険者?貴女の様にMPが全然無くて碌に魔法を使えない子が?それはさぞかしパーティーの皆さんに迷惑をかけているんでしょう」


と勝ち誇った顔をするメリッサという女性。


「あの、アリッサはとても役に立ってくれてますよ?うちの自慢の魔法使いです」

「あら、そうなの?だとしたら貴方達相当ランクが低いのか、戦闘回数が少ない依頼だけを受けているのでしょう?」

「そんな事は無いぞ。ダンジョンにだって潜ってるしな」

「へえ、アリッサがダンジョンにね。もしかしたら収入のほとんどをMP回復ポーションにでも使っているのかしら?」

「メリッサ姉…MP問題が解決したとは考え無いんだね…」

「MP問題なんてそう簡単に解決するものじゃないのは知ってるでしょ?お父さん達だって情報集めたけど解決出来るようなアイテムの情報だって見つからなかったのに。それとも装備で無理矢理解決してるのかしら?でもそんなに良さそうな装備をしているようにも見えないわよね」


一応装備にはMP効率を上げたり装備者のMPを補助する物がある。

しかしそれでは根本的解決にはならない。と言う考えみたいだ。


「それでアリッサ貴女は今ランクはどうなのかしら?私も冒険者をやっていますけれどBランクですし、そう遠く無い内にAランクになって見せるわよ」


と胸を張って言う。

たしかにBランクになれば一流の入り口なので威張る人も出てくる。

デルシスもそうだったしな…。


「えっと、私は今Aランクギルドに入ってるよ。【白い絆】って知らない?最近有名になってきたと思うんだけど」

「へ?【白い絆】って…あのワイバーンを飼ってるとか第二王女のエイラ様が贔屓にしてるって言うあの?」

「うん」

「よ、よくそんなギルドに入れたわね。あ、あれでしょ、そこの末端パーティーで自分達のパーティーはまだDとかなんでしょ」

「ううん。ギルドマスターのいるパーティーだよ。と言うかこの人がギルドマスターのリックさんだし」

「ええ!?」


メリッサは驚いた顔で俺とアリッサを交互に見る。


「な、何で貴女がそんなパーティーに…」

「何でと言われても。リックさんがパーティーメンバーを集めてる時に声を掛けられたからとしか…あまり時期に差なんて無いけど、私一応ギルドでは四番目に古参って事になるし」

「そ、そんな…。あの落ちこぼれアリッサが私よりも先にAランクパーティー…、そんなはず…」


そんな感じにブツブツと呟いてメリッサは離れて行った。

それからアリッサが自分の事を教えてくれた。

何でもアリッサは元男爵家の三女の末っ子で、その家は各人の職を鍛え上げて将来的に騎士団に入ってその力を示すと言う武門の一族らしい。

さっきのメリッサは二女で適正はアリッサと同じ魔法使い。

ただアリッサはMPの関係で碌に魔法を使う事が出来なかった為に家を追い出されて、その結果冒険者になったのだとか…。

そんな事で娘を追い出すって…。と思ったがアリッサの家からすると職で大成すると言うのがとても大事な事らしい。

他の兄弟はと言うと、長女は僧侶でこの町の教会に仕えながら治療部隊に所属していて、槍術師の長男と闘士で斧使いの次男は今は騎士団の第二部隊に所属しているらしい。

それで長女以外からはさっきのメリッサの様に落ちこぼれと馬鹿にされてきたのだとか…。


「アリッサはどうしたいんだ?家が認めてくれたら戻って騎士団に入ったりしたいのか?」

「いえ、私は今の生活の方が合ってる気がしますので、皆さんが良ければ今のままここに置いて欲しいですね」

「そうか、俺としてはアリッサにいてくれた方が嬉しいし、皆も同じだと思うぞ」


その言葉に皆が頷いてくれる。


「ありがとうございます」


しかしアリッサの場合貴族だったからというのもあるんだろうけど、職で落ちこぼれだったからと追い出されるなんて事もあるんだな。

リスティの時とはまた違う形だけど、そんな自分ではどうしようも無い部分で駄目出しされるのもどうなんだろうか…。



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