066.テート達学園へ(SIDE テート)
今日から私達は学園に通う事になります。
エイラ様と一緒に通う約束をしているのですが、ホームにエイラ様が迎えに来てくれるらしいです。
…むしろ私達がお迎えに行った方が良い気がするんだけどいいのかな?
それからリスティちゃん達と王都のホームで待っているとエイラ様が馬車でやってきて一緒に乗せてもらう事になりました。
「うー、緊張する…」
「うん、私も…」
「大丈夫ですよ二人ともマナーや文字の読み書きのお勉強も頑張りましたし、孤児と言う事で馬鹿にする人からは私が守りますから」
エイラ様…多分二人が緊張しているのはそう言うところだけじゃないです…。
貴族の子供や大きな商人の子供しかいない場所に行く事や、この王家の馬車で登校する事にも緊張しているんだと思います。
私だって王家の馬車での登校には緊張してますし…。
学園に着くと当然注目が集まる。
第二王女様が今年から学園に通う事はさすがに皆知っているだろうし、注目を集めないほうがおかしいよね…。
馬車を降りると色々な視線を感じる。
皆からしたらエイラ様と一緒にいる私達はどう言う風に見えるのでしょうか…。
校舎の中に入る辺りでお兄様達を発見しました。
うん、凄く驚いていますね。
ちなみにお兄様達にはリースちゃんとリスティちゃんが学園に通う事も、エイラ様と一緒に行く事も驚かせたくて教えていない。
エイラ様にお兄様達があそこにいる事をお伝えするとエイラ様がそちらに向かうので付いて行く。
「テートちゃんのお兄様であるイヴェール様とハリエル様のご子息のフィル様ですね。テートちゃん達とは仲良くさせていただいております。よろしくお願い致します」
「は、はい。こちらこそよろしくお願い致します!」
「お、お会い出来て光栄です!」
おお、二人ともカッチコチでちょっと面白いです。
それと二人と一緒にいる女性。
確かお父様が家のお父様と同じ様に怪しい魔法使いの術に掛かってしまった方でしたね。
確かお名前はマーガレット様だったと思います。
ちなみにこの方のお父様はすでに釈放されているそうです。
前にお父様とリック様がそんな話をしているのを聞きました。
それにしても…お兄様とマーガレット様の距離が前よりも凄く近い様に見えますね。
これはお父様達に面白い報告ができそうです。
それからマーガレット様やリースちゃんとリスティちゃんもいるので自己紹介をしました。
マーガレット様はリースちゃんとリスティちゃんが孤児だと知って当然ですが凄く驚いていました。
お兄様達の目が私達に聞きたい事があると言っている気がします。
何が聞きたいかはなんとなく分かりますがエイラ様がいる手前聞けないのでしょうね。
「あ、あの。テート様達は寮にお入りになるのですよね?私でよろしければ案内させていただきますが」
とマーガレット様が提案してくれる。だけど、
「いえ、折角のご好意なのですが、私達三人はこちらに帰る所がありますので寮には入りませんので」
「え?そうなのですか?でも…」
マーガレット様がお兄様達を見る。
うん、そうだよね。お兄様達が寮なんだから普通はそう考えるよね。
「まさか三人で住む為に家でも買ったのか?」
「いえ、私達冒険者ギルドに所属しているのですが、そのギルドのホームがありますので」
「ギルドってリックさん達のだよな?もしかしてリックさん達は王都に拠点を移したのか?」
「いえ、一応本拠点はサイタールにあるのですが、王都でもホームを手に入れまして」
「そうなのか?」
「はい、ちなみにこちらのホームですが、最近有名だと思いますよ」
「有名?もしかして何かしたのか?」
「したといいますか、ワイバーンを飼っている家があると噂されているようですので」
「「「え?」」」
お兄様達が驚いた顔をする。
「確かにワイバーンを飼ってる屋敷があるけどどなたの屋敷か分からないし、見てみたいけど勝手に入るわけにもいかないので見に行けないと言う話は聞いているが…」
「そこがギルドのホームになります。ワイバーンはギルドの騎獣ですので」
「ほ、本当なのか?」
「本当ですわよ。私も乗らせていただいた事がありますし、ホームはお父様がプレゼントした物なので」
エイラ様がそう言うと更に固まるお兄様達。
「こ、国王様からのプレゼント…リックさん達は何をしたのですか…」
「さあ?私は詳しくは知りませんわ」
「テート?」
「えっと…、何かをしたと言うよりも気に入られたと言った方が正しいと思います」
一応理由もあるのですがスキルの事は言えませんしね。
「私達も冒険者をしながらですのでホームにいるかは分かりませんが、リック様達にも許可を頂いていますので、もしよろしければいつでも訪ねて来てくださいね」
そろそろ授業の時間となるのでお兄様達と別れて教室へと向かいます。
私達四人は同じ教室になります。
教室に入るとやはり注目されました。
皆さん話し掛けてみたいと言う感じではありますけどやはり恐れ多いのか話し掛けてきません。
その後先生が来て多目的ホールへと移動した。
そこで学園長のお話とかを聞いて今日は解散となる。
次の日。
学園に行って授業を受けます。
今日は魔法学と経済学の授業だったのですが、どちらも基礎中の基礎でした。
最初だからどの授業も皆がどれぐらいできるかの確認も兼ねて基礎からやるそうです。
魔法学に関しては魔法を使え無い職の人達も勿論いるのですが、魔法の特性は知っていて損は無いという事です。
授業が終わるとお兄様達が玄関で待っていました。
ホームに来てみたいと言う事なので一緒に帰る事にします。
ちなみに帰りですが、寄り道してもいい様にと馬車では帰っていないので問題もありません。
さて行こうとしたところで私を馬鹿にしている例の六人に会ってしまいました。
「テート約束通り勝負しろ!」
何て言ってくる。
六人が戦闘体勢に入ってるけど一対一じゃないのかな?
と言うかエイラ様がいる前で勝負を挑んでいいのかな…、もしかしたらエイラ様に気付いて無い?
「俺達も親にお願いしてBランクパーティーに直接教えてもらったからな。俺達の連携を見せてやる」
「連携って一対六でやるつもり?」
「そんなわけ無いだろ、お前のパーティーを連れて来い!」
「いや、私のパーティー三人は学園の生徒じゃないですし…」
そう言うと相手は固まる。
えーーー、もしかしてその可能性を考えてなかったの?
六人に呆れてしまう。
仕方が無い…。
「リスティちゃん、リースちゃん手伝ってくれる?」
「いいよ」
「私も良いですよ」
「と言う事だからこっちは三人でいいわよ。すいませんエイラ様少し待っていただいても良いですか?」
「大丈夫ですよ。私もテートちゃん達の戦いを見てみたいですし」
「ありがとうございます。それじゃあ演習場に行きましょうか」
私が演習場に行こうとすると、
「な、舐めてるのか!器用貧乏の魔法剣士の癖に!」
なんて言ってきた。
「だって他に無いじゃない…、連携を見せたいみたいだから六人揃って無いと駄目でしょ?」
「そ、それはそうだが…」
何も言えなくなったみたいだ。
本当何がしたいのか…。
「それなら僕達がテートと臨時でパーティーを組むよ」
そう言ってくれたのはフィル君。
マーガレット様まで協力してくれる気のようで、結局六対六となった。
移動中にマーガレット様に職を聞いてみたら魔法使いで火と風を使うらしい。
この状況じゃ断れないよね…。
こちらは臨時なので移動しながら作戦を立てる。
「まずは僕とイヴェールが前に出るからテートとマーガレットで魔法を、リスティは遊撃で…」
「いえフィル君。元々私達が売られた喧嘩ですので私とリスティちゃんが前に出ますので」
「え、でも…」
「大丈夫ですので」
「…分かったよ」
心配してくれてるのはありがたいんだけど、正直負ける気がしない。
反則とも言えるので申し訳無いけど仕方無いよね。
演習場に付いたのでお互いに別れる。
エイラ様が開始の合図をしてくれる事になった。
「それじゃあ準備は良いですね?……始め!」
エイラ様の合図と同時に私とリスティちゃんは突っ込む。
「え?ちょっ、速っ!」
距離があるからとちゃんと構えてすらいなかった相手は完全に反応が遅れましたね…。
リスティちゃんは私より速いけど、私はリスティちゃんの右側を通るようにエアバレットを放ちながら走る。
男子二人にエアバレットが当たってその場で倒れました。
更に四人が驚いている所にリスティちゃんが斬り込んで男子二人を木刀で叩き、残りの女子二人に私とリスティちゃんが木刀を突き付けます。
「どうします?まだやりますか?」
「こ、降参します」
こうして勝負はあっさりと終わってしまいました。
うん、ギルドの皆が偶に言ってるけどやっぱりこれ反則だよね…。
六人だけじゃなくてお兄様達三人も驚いて固まってるし、エイラ様はなんか嬉しそうですけど…。
「すごいすごい。テートちゃん達ってこんなに強かったんだ。さすがお父様が一緒にいたら安心だって認めるだけあります」
「ありがとうございます。エイラ様」
六人にも彼女が誰だか分かるように名前を言う。
それを聞いてやっと気が付いたのか六人が驚いた顔で固まった。
「テート…普段どんな訓練してるんだ?」
お兄様にそう聞かれました。
「えっと、剣術はリック様とアルティナさんに教えてもらって、ダンジョンに行ったり依頼を受けたりしていますね。後あった事と言えば…小規模でしたけどリック様のパーティーと私達のパーティーでスタンピードに対応しましたね」
「スタンピードって…二パーティーって事は十二人で?」
「はい、通常階層一階とボス階層一階の小規模ダンジョンのでしたけど、それでもかなりの数と戦いましたよ」
「スタンピードまで…」
お兄様も六人も唖然とした顔をしてこちらを見ている。
まあ驚くよね。
自分でも信じられないし。
もうここにいてもしょうが無いよね。
「終わりましたし帰りましょうか」
と言う事でホームに帰ってきました。
ホームに帰るとまずはアイン達の所に向かいます。
私達が近づくと小屋から出てきて頭を擦り付けてきてくれます。
うーん、本当に可愛いですよね。
野生のワイバーンと言えばかなり危険な魔物で襲われたら…と恐怖の対象なのですけど、そんな風にはまったく見えません。
お兄様達三人は怖がりながらもアイン達に近づいてから頭を撫でれるまで少し時間がかかりました。
その後は慣れてきたのでお空の散歩にご招待しましたら喜んでくださいました。
やっぱり空を飛べると言うのは感動しますよね。




