064.ミレイとアイーダ
王都でも顔を売っておいた方が良いと言う事で、とりあえず王都の冒険者ギルドで依頼を受けて見る事にした。
ワイバーンの小屋は現在建設を頼んでいて、五日もあれば出来るらしい。
冒険者ギルドで依頼を見ていると、
「あれ、リックにアルティナにレリィー?またこっちに来たの?」
そんな声がして見てみるとミレイとアイーダがいた。
「ミレイとアイーダか。…デルシスはいないのか?」
「うん…、私達もデルシスと別れたんだ…」
「…もしかして何かあったか?」
二人の格好はあまり身綺麗とは言えない状態だった。
「あ、あはは…。実はレリィーに負けた後デルシスはストレスを発散するように一人でウルフとかの簡単な討伐ばかり受けるようになってね。
私達が手を出すとこれぐらい一人で余裕だから手をだすなと言われるし、自分だけで倒したんだから報酬は全部俺のだとか言われるしで、二手に別れて依頼を受ける事になったんだ。
だけど私達二人だと後衛二人だからちょっと強い魔物だと近づかれたらきついし、臨時のパーティーとかに参加しようにもこれまでの悪評で誰も組んでくれないしで、採取依頼とかしか受ける余裕がなかったんだ。
何回もちゃんと皆に謝ってまた位置からパーティー募ってやりなおそうって言ったんだけどね…」
「駄目だったわけか」
「うん、私達二人だけだと採取依頼だけの収入じゃそれまで拠点にしてた宿だと辛いし、宿を帰る時にこれ以上デルシスとはやって行けないって宣言してね」
「なるほどな」
「ねえ二人ともちゃんと食事取ったりお風呂入ったり出来てる?」
「あはは…実はあんまり…。どうしても採取クエストとかって低ランクパーティーに優先的に回しちゃうのもあるから依頼を受けれない日も多くて…、レリィーが別れた時について行けば…ううん、リックの追放に反対しなかったのがきっといけなかったんだよね…」
ミレイは凄く辛そうな後悔している様な顔で目に涙を溜めていた。
元々ミレイはオシャレするのが好きな奴だったし、今の風呂にも満足に入れない状況と言うのはかなり辛いのだろう。
「「リック…」」
アルティナとレリィーに名前を呼ばれ二人にジッと見られる。
ミレイとアイーダに待っててもらい皆を集め、スキルについては秘密にするように言っておく。
皆が頷いたのを確認し、
「二人ともとりあえず食事を奢るぞ。それと良かったら拠点を俺達の所に変えないか?宿代もかからないし風呂にも入れるぞ」
「…いいの?」
「ああ」
「うん、ありがとう…」
「ありがとうございます」
二人にお礼を言われてとりあえずギルドの食堂で食事を食べてもらい、二人が食べ終わった後に今日は依頼を受けるのをやめて二人の荷物を取って俺達のホームに向かう。
俺達のホームに着くと二人とも固まった。
「ちょ、え?ここって宿じゃないよね?お屋敷だよね?もしかして本格的にこっちで活動する事にしたの?いや、それにしてもこんな大きな場所…」
「サイタールの方にもちゃんと拠点を残してるぞ、ちょっと縁があってこの屋敷を貰ったんだよ」
「貰ったって…」
「とりあえず中に入ろうか」
中に入ってカスミとグレンにお風呂と二人の部屋の用意を頼んだ。
二人は今も冒険者兼家事手伝いとして頑張ってくれている。
…こっちのホームも増えたし早く人数を増やさないとな。
王都の方でも探してみようか。
ジェシーに契約魔法を二人に使ってもらいたいので、スピカに呼んで来て貰う。
しばらくしてからミレイ達が風呂から出てきたようだ。
「ね、ねえ…私達本当にあんな部屋使っていいの?正直一つの部屋を二人で使ったとしても豪華すぎるぐらいなんだけど…」
「部屋は余ってるしな。ただ二人にはここで住むのに契約をしてもらう」
「契約って、もしかして奴隷になれ…とか?」
「いや、あれとは違って普通に契約魔法って言うのがあってな」
二人に契約魔法について説明する。
「と言うわけで、二人にはこのギルドの秘密を知っても、秘密を知らない人には話さないと契約して欲しいんだ」
「首輪とかが出たりはしないんだよね?秘密を話せない以外には影響が無いって考えて良いんだよね?」
「ああ」
「それなら全然問題無いよ。むしろそんな事でここに住んでいいなら喜んでするよ。アイーダもいいよね?」
「はい、勿論です」
こうして二人と契約をして二人には俺達のギルドの秘密を他人に話す事が出来ないようにしてもらった。
とりあえず二人にはアルティナとレリィーに臨時パーティーを組んでもらってその間に人を探す事にする事になった。
問題は二人がパーティーを組む人を見つけたらその後どうするかだな。
まあ今の状況ではすぐには見つからないだろうからその間に考えておこう。




