062.報告と王都への誘い
今日は国王と王妃と二人の王女がアリシアさん達を連れてやってきた。
「今日は現状の報告をな。実は他国等でもフードを被った謎の魔法使いの報告があがっておってな。
幸いこの国では大分被害が抑えられているのだがな…。
それで各国の王達と話し合いの場を設けようと今特使を送っていてな。
今は混乱もあるのですぐにと言うのは難しそうなのだが…」
「魔人族の方とはどうですか?」
「ああ、色々と魔法の情報等を貰っておるよ。ただ問題なのがこの事件を魔人族の侵攻準備なのではないか?等と言っている者がいてな。
謎の魔法使いの仲間には人族や獣人族等の多種多様な種族が居ると分かっておるのにな…」
「そうなのですか?」
「ああ、謎の魔法使いを捕まえようとすると同じ様にフードを被った物が邪魔して来たらしいのだが、何人かは戦闘中にフードが取れたので確認が取れた」
確かにそう言う事ならどこか一つの国が…と言う可能性は低いだろう。
しかしだとしたら本当にどんな集団で何の目的があってやっているのだろうか?
「それでな。その事で【白い絆】に提案がある。
王都に本拠を移さぬか?」
「王都に…ですか。実はその考えも一つの案としてはあるんですが」
「そうなのか?」
「はい、テートがそろそろ学園に通うので王都に本拠を移すかどうか考えているところですね」
「ああ、そう言えば彼女はエイラと同じ年だったな。エイラの同級生となるのか」
エイラと言うのは第二王女の名前である。
「そう言えばテートのパーティーメンバーのリスティとリースだったか?彼女達も同じ年齢だと聞いたが」
「ええ、確かそうですね」
「その二人は学園には入らないのか?」
「あの二人は孤児ですからね。学園に入る事を考えた事も無いと思いますよ…」
「一応あの学園は身分関係無く入れるのだがな」
「それでもやっぱり貴族や商人等お金のある家庭じゃないと難しいと思いますよ。最終的には本人達がどうしたいかとなるでしょうけど」
「やはりそうなのか…、生徒の中には親の身分で相手への態度を変える者も少なく無いとは聞いているが…、身分関係なく将来に向けて多くの事を学ぶ為の場所なのだがな、何か対策を考えなくてはいけないか…。
まあ学園の事は後で考えるとして、私としても王都に居てくれると何かと助かるのだがどうだろうか?」
「そうですね…、ただいくつか問題がありまして」
「どの様な問題だ?」
「まずは住む場所ですね。ワイバーンも住める場所が良いのですが流石にそんな家はすぐには見つからないでしょうし」
「確かにそこまで来ると相当金も必要だろうしな」
「はい、それとサイタールを離れる事への抵抗もありますね。この町は好きですし、もしいない時にまた狙われたらと考えるとここにテート達はここに家があるわけですし」
「なるほどな…」
とここでジェシーが話しだす。
「その事なんだけど、向こうである程度の手頃な拠点を購入出来れば解決しそうよ」
「そうなのか?」
「ええ、前にリックがダンジョンコアを半分に切った物を二つ持ってきたでしょ?あれを一個使って片道のポイント設置型のだけど転移が出来そうなのよね。
ほら、ダンジョンではボスを倒した後や最奥の魔法陣に乗ると入り口付近に戻れるでしょ?その機能を引き出せそうなのよね。
だから向こうで適当な家を買って、そことこの屋敷をそれぞれポイントを設置してしまえば自由に行き来出来るようになる予定よ。
まだ完成までは出来て無いから確実にとは言えないけどね」
「それなら王都の家はあまり大きく無くていいのか」
「そうなるわね」
「ふむ、それならすぐに用意できるかもしれんな。王都に戻ったら捜してみよう」
しかし前回もそうだが王様自らがここに来るのはどうなのだろうか…。
本人は第一王子に任せてるし、自分達は息抜きの為に療養と言う事にして来ているらしいが…。
話し合いも終わり客間に行くと皆楽しそうに話をしていた。
するとこちらに気がついてテートとリスティとリース、それにエイラ様がこちらにやってくる。
するとテートが
「あのリック様」
「どうした?」
「リースちゃんとリスティちゃんなんですけど、あの二人も学園に入学しては駄目でしょうか?」
「二人を?」
「はい、二人とも私と同じ年ですしどうかなと思いまして」
「さっき王様にも言われたんだが、学園って貴族の子供とかばかりだから二人には辛いかもしれないぞ?間違いなく孤児である二人を馬鹿にして自分の方が偉いと言ってくる奴もいるだろうしな。二人はどうしたいんだ?」
「どう…と言われても」
「うん…学園に行く何て考えた事もなかったので…」
まあそうだよな。
一般の平民で学園に行くなんて考えた事がある人の方が少ないだろう。
「貴族だからと偉そうにしてくる人がいましたら私が二人を守ります」
そう言ってくれたのはエイラ様。
どうもこの前の時と今日とで四人はかなり仲良くなったらしい。
ここに来てすぐにアイン達と一緒に遊んでいたみたいだしな。
「できる事ならワシの方からもお願いしたい。エイラと仲の良い相手でありエイラを守る力を持つ三人が一緒にいてくれるのはありがたいし、平民に対して貴族の子供達がどういう態度を取るのかを知りたい。
二人には辛い環境になる可能性は否定できないが、何かあればワシが直接力にならせてもらうがどうだろうか?」
「えっと、でもこの町から離れないといけないんですよね?私はリックさんの力になりたいと冒険者になりましたし、ここで冒険者を続けたたいんですけど…」
リスティがそう言うので先ほどのジェシーに言われた事を伝える。
「つまりここから王都の学園に通う事が出来るって事?」
「成功すればそうなるな」
「それなら私は良いけど…リースはどうする?」
「私もいいよ。フィル様達にも久しぶりに会えるし」
「本当ですか?ありがとうございます!それにここと王都を行き来出来るようになれば私も毎日アインちゃん達に会えるんですよね?楽しみです」
確かにそうなのだが王女様が毎日の様に遊びに来ると言うのはいいのだろうか?
一応王様に確認したのだが、
「下手な護衛を付けるよりもテート達三人が一緒にいれば安心だろうからな。良いんじゃないか?と言う事で王都に家も用意しておくので転移の実験が成功したら城に来てくれ、兵には通すように言っておく」
との事だった。
王妃様と第一王女様…ヴィオラ様も気にしていない様だ。
二人は俺のスキルの事を知らない筈なんだけどな…本当にいいのだろうか?




