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055.ワイバーンの雛

しばらく忙しくて中々書く余裕もなく更新が止まってしまいすいません。

前の様に毎日更新は出来ないですがまた少しづつ更新して行こうと思います。

王都から帰ってから一ヶ月とちょっと。

この期間はのんびりと簡単な依頼やダンジョンで適当に狩りをしながら過ごしていた。

そんなある日。

ホームで管理していたワイバーンの卵が震えだしたと報告される。


実はジェシー達が魔人族の国では騎獣としてワイバーンが使われたりしていると教えてくれた。

その為には卵に孵ってすぐから人間に慣らし仲間意識を芽生えさせる必要があるそうだ。

それで卵をジェシーとブライオに任せてみたのだ。

報告を受けてから卵を見に来ると確かに時折震えていた。


「もう少しで孵ると聞いたけど」

「ええ、私の知っている通りならその筈よ」


そう言われて皆で卵を観察する。

皆で『楽しみだね』等と話をしながら待っていると、しばらくして卵の一つに皹が入った。


「一つ目が孵るわよ」


皆の注目が皹が入った卵に集まる。

すると少しづつ皹が広がっていき、遂にからの一部が割れた。

まだ姿がハッキリと見えるほど大きな穴では無いけど、そこからは少しづつ穴が広がるように殻が割れていく。

ある程度広がった所でワイバーンが顔を出して、丁度俺の方を見ていて目が合った。


「これがワイバーンの雛…」

「可愛いです!」


と女性陣が盛り上がる。

その後ワイバーンは体を動かして卵を割り、体全てを外に出すと俺の胸に飛び込んできて体を擦りつけたかと思ったら、


「くあああぁぁぁ」


と高い声で可愛らしく鳴いた。

それから皆が恐る恐るワイバーンに手を伸ばして頭や背中を撫でる。

最初ちょっとビクビクしていたワイバーンも次第に皆に慣れてきたみたいで、他の皆に抱きかかえられても大人しくしていた。


その後残りの二つも順番に卵が孵った。

ジェシーに注意事項なんかを確認してホームに連れ帰る。

一応庭にはワイバーン様の小屋を用意したのだが、まだ小さい内はできる限り一緒にいた方が良いと言う事で体が大きくなるまではホームの中でお世話するつもりだ。

さてここで最初に問題になったのはどの部屋で誰がお世話をするかだった。

とりあえず普段のお世話は皆でその時に手を空いている人がして、冒険者として活動している時はイリナさんに任せる事にし、寝る場所については女性陣が交代で自分の部屋で一緒に寝る事になった。


そう言えばワイバーンの尻尾にある針だが、自由に出し入れが出来るようだ。

攻撃をする時にだけ出していたらしい。

今までそんな事知らなかったな…。


孤児院の人達やハリエル達もワイバーンを見に来るようになりホームへ人が来る事が増えた。

三匹のワイバーンは皆によく懐いてるし、ワイバーン同士でじゃれあったりもしている。

それを見てるととても癒される。

食事もよく食べるし元気いっぱいなので無事に成長してくれるだろう。


そんなある日。

ホームにギルドマスターのドーガと現在俺達のギルドの担当の様になっている受付のミリーシャを家に招待した。

ワイバーンの事を伝えておく為である。


「…本当にワイバーンの雛を飼っているんだな」

「ああ」

「可愛い…、将来は騎獣として使うんですよね」

「その予定だな。ただ流石に人が乗れる様になるにはまだしばらくは掛かるみたいだけどな」

「まったく…お前達には驚かされてばかりだな」

「まあ今回の事に関しては、偶々卵を持っていた事と魔人族の二人が俺達の所に来てくれていたと言う偶然が重なったからだけどな」

「それにしても…だ。魔人族がワイバーン等を騎獣として使っているという話は聞いたことはあったが、まさか卵から育てる事が大切だったとはな」

「別に秘匿している情報って訳ではないらしいぞ、ただ普段ほとんど交流が無いし、卵は向こうでも中々手に入らないみたいだからな」


ジェシーの話では何故かワイバーンは野生同士で無いと卵を産まないらしい。

もしかしたら環境等の影響なんじゃないと言う事だが、今のところその理由は分かっていないそうだ。

その為普通に使われていると言っても騎獣のワイバーンの数は少なく結果的に人族にはあまり伝わっていない様だ」


「まあそもそもワイバーンの集団なんて滅多に聞かないしな」

「ああ、ワイバーンが卵を温めている期間はそんなに長くなく、見辛い所で温める為に見つかり辛いらしいからな。俺達のは本当に偶々だな」

「なるほどな…」

「まあそう言う訳なんで領主からも発表があると思うが、冒険者ギルドの方でもワイバーンを攻撃しない様に注意喚起して欲しい」

「そうだな…出来れば何か騎獣のワイバーンだと分かるような目印は考えておいてくれ、そうじゃないと野生のワイバーンが襲撃してきたら分からなくなるしな」

「分かった。そう言う事なら皆と相談して何か目印をつけておく」

「あ、あの。ワイバーン触っても大丈夫ですか?」

「ああ、痛くしない様に触るなら大丈夫な筈だ」


そう言うとミリーシャは一番近くに居たワイバーンに近づいてそっと手を伸ばして、抱きしめたりなでたりをしていた。


「ワイバーン自体は触った事はあるはずなんだけどな」

「それって誰かが倒した奴だろ?流石にそれとはまた違うだろ。家の女性陣も凄く可愛がってるしな」

「そう言うものか…」


話が終わりドーガは帰ったがミリーシャはしばらくの間残りワイバーンと触れ合っていた。



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