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052.学園へ

謁見も終わり今日はフィル達が通っている学園に二人に会いに行く事になった。

流石に学園を自由に…という訳にはいかないが、放課後であれば許可さえ取れれば学園内で会えたりするらしく、ハリエルが王都に来た日に許可を貰いに来ていたらしい。

今回はテートが来年学園に入学するのでその見学も兼ねてと言う理由で学園内での行動を許可してもらえたそうだ。

あまり大人数で行っても迷惑かもしれないので俺とハリエルとリーファンとテートの他には二人と一緒に訓練したリスティとリースが学園にお邪魔する事になった。

正門に行くとフィルとイヴェールが待っていた。

それと俺の知らない女の子が一人一緒にいる。


「二人とも元気だったか?」

「父さんにリックさん達もお久しぶりです」


俺達も二人と挨拶をする。

幼馴染と妹であるテートは勿論リスティとリースも二人と会えて嬉しそうだ。


「そっちの子は確かジョエル・グリッチ子爵の所の…」

「はい、マーガレット・グリッチです。お久しぶりですハリエル様」

「リック。彼女は例の領主を殺してしまった貴族の娘だ。グリッチ子爵は現在留置されているが例の事で処罰に困っている状態でな。今も子爵のままになってはいるんだ」

「そうですか。冒険者のリックです」


マーガレット嬢に挨拶をして三人に学園を案内してもらう。

俺が思っていたよりもかなり広かったり色々な施設があった。

その時になぜマーガレット嬢が一緒にいるのか聞いたのだが、領主を殺した男の娘としていじめられていたのを、同じく謎の魔法使いが関わっているのもあってイヴェールが放っておけなくて助け、それ以降一緒に行動しているそうだ。


一通り案内してもらった後、ハリエルとリーファンは学園の先生達に挨拶をしに行くらしく別れる事になった。

七人で話しをしていると、


「なんだ?落ちこぼれテートがいるじゃないか」


と何やらニヤニヤと嫌な笑いをした男子四人女子二人の六人が現れた。


「テート。知り合いか?」

「はい、魔法剣士は役立たずの落ちこぼれと会う度に私を馬鹿にしてくる人達です」


ああ、確かにテートは最初その事で悩んでいたな。


「お久しぶりですね皆さん。私は今日お父様が王都に来る用事がありましたのでそれに同行してきているのですわ」

「そうかそうか、それなら俺が剣を教えてやるよ」

「結構です」

「そう言うなよ。俺達これでも冒険者をしていてな。ウルフもゴブリンも倒してる実践派なんだぜ」

「あら、冒険者なら私もしていますよ」

「へぇ~、だけどどうせ薬草採取とかが精々だろ?」

「いえ、私は一応レッドウルフやソードキャンサー、ダンジョンボスのバブルバイバルブも倒してますわ」

『は?』


これには六人だけでなくイヴェール達も驚いている。


「リックさん本当なんですか?」

「ああ、本当の事だな」

「ふ、ふん。どうせ腕のいいパーティーに寄生してるって事だろ?」

「そうですね一人元Bランクまで行った弓術師の方がいますね。でもそれ以外は私と同時期か私の後に登録した新人ですよ」

「それならその弓術師の腕が相当良いんだな」

「でもさっきの魔物達を倒した時はその弓術師の人はパーティーにいませんでしたけどね」

「え…?」


おーおー、テートの奴完全にからかってるな。

まあ相当魔法剣士って事を馬鹿にされてたみたいだからストレスがそれだけ溜まってたのかもしれないな。


「ど、どうせ嘘だろ。本当だって言うなら勝負して見せてみろよ」

「はぁ…わかりましたわ」


こうしてテートが男子と剣の勝負をする事になった。


「あの、リックさん。テートは大丈夫でしょうか…」

「んー、あの男子の実力は知らないがウルフとゴブリンを倒した事を自慢にしている腕ならテートなら余裕だと思うぞ」


正直スキルの影響が無くても技術だけでテートの方が数段上だろう。

テートはかなり技術を身に付けてるしステータスが高くなってるけど、それに慢心しないで俺やアルティナに自分から剣の訓練をお願いに来てるしな。

そして勝負は予想通りテートがあっさりと勝利した。


「これでいいかしら?」

「も、もう一回だ!今のは油断しただけだ」

「はぁ…」


その後も何回か戦うがテートにその男子の剣が掠る事すらなかった。

技術でもステータスでも圧倒してるから当然なのだが…。

実際にはあの六人同時にでもテートは勝てるだろう。

そして何回目かの勝負が終わり、


「もう流石に良いですわよね。これ以上やっても無駄ですわ」

「何で勝てないんだ!」

「リック様達に教えていただいてますから」

「リック様?…リックなんて名前聞いた事無いぞ?」


そりゃまあサイタールならともかく王都ではそんなに知られて無いだろうしな。


「私が今所属しているギルドのマスターですわ」

「…なんていうギルドなんだ?」

「【白い絆】ですね」

「やっぱり聞いた事が無いな。大した事の無いギルドなんだろ」

「さあどうでしょうね。でも少なくとも私よりは強い人ばかりですわよ」

「ぐっ…、お前が入学してくる時にはお前より強くなってみせる。その時にまた勝負だ!」

「え~~」

「そこは受けろよ!行くぞ!」


六人が離れて行く。

そしてテートが俺達の方へと歩いて来た。


「お疲れ様」

「はい」

「テート。そんなに強くなっていたのか…」

「いえ、まだまだです」

「まだまだなんですね…。さきほどのセクターは一応私達の学年では剣士としては上位なのですが…。しかも魔法剣士なのですよね?」

「はい」

「リックさん…一体どんな訓練をしてるんですか…」

「どんなって…剣は俺とアルティナが、魔法は俺が教えて、剣の方はバングスワローに剣だけで対処出来るようにその階で只管バングスワローと戦わせたな。あ、後レベルはパワーレベリングで二十まで上げたぞ」

「パワーレベリングは言い事ではないと聞きましたが…」

「一応な。でもそれはレベル頼りになって技術をおろそかにしたり、適正レベルを勘違いするからだからなんだ。だからその辺りはこっちで注意している」


 そもそもレベル以上にステータスがずっと高いから技術が追いついてなかったとしても適正レベルどおりの依頼を受けても問題ないだろうけどな。

 それにテート達は技術も十分付けている。

 あれぐらいのパワーレベリングなんて何も問題はない。

 その後話しをしていてハリエル達が戻ってきたので俺達はフィル達と別れて宿に帰る事にした。



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