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005.ゴブリンの巣

目的の村にたどり着いたのでまずは村長に話を聞く事にする。

するとこの村の北西方向で最近頻繁にゴブリンが目撃されて居るらしい。


ゴブリン…普段は二、三匹で行動していてそれぐらいなら村の自警団なんかでも対処出来たりする事が殆どだが、偶に上位種が加わると普通のゴブリンを率いて集団で村を襲う事がある。上位種だけで厄介なのに数が多ければ当然簡単には対処できなくなる。

上位種は獲物となる村を見つけるとゴブリンを集めだして巣を作り出す。

その影響でその村の近くではゴブリンを頻繁に見られる様になるのでそうなると注意が必要なのだ。

そして巣が完成すると村を襲い、殺した男は食料に運び、女は繁殖用の苗床にする為に巣に連れ込むと言うのがゴブリンの生態の一つだ。

なんでもなく偶々ゴブリンが多く近くにいただけで集まって居たわけではないなんて事も多い。


とりあえずゴブリンが多く見られたという場所に向かう。

すると前方にゴブリンを二匹発見する。

スピカの矢であっさりと二匹を倒し、証明部位である右耳を剥ぎ取って死体を燃やす。

近くを探索しているとそんな事が三回ほどあったが、問題なく倒す事が出来た。

そして二匹のゴブリンが見張りをしている洞穴を見つけた。

ゴブリンの巣である可能性が高い…。

こうなると問題なのは数と上位種が何なのかと言う事だ。

気付かれない様にゴブリン達に慎重に近づき、スピカが俺から遠い方のゴブリンに矢を居るのと同時に走り出してもう一匹を仕留める。

どうにか声をあげられる前に仕留める事が出来た。

音を立てない様に慎重に洞穴に入ると少しして広くなっているのが分かった。

隠れながら確認すると、普通のゴブリンが13匹と上位種がホブゴブリン・ゴブリンソルジャー・ゴブリンアーチャーの三体居るようだ。


ホブゴブリン…ゴブリンの上位種。

オークほどの大きさの体の大きいゴブリンで素手で戦う。

耐久力も力も普通のゴブリンとは比べ物にならないので注意。


ゴブリンソルジャー…ゴブリンの上位種。

普通のゴブリンより一周り大きく剣と盾を使うゴブリン。

剣の技術も侮れ無いために注意が必要。


ゴブリンアーチャー…ゴブリンの上位種。

普通のゴブリンより一周り大きく弓矢を使うゴブリン。

隠密行動が得意で隙を見て矢を射ってくる。

気付けていない状況で戦うのは危険。


一度入り口まで戻り作戦を立てる事にする。


「どうする?」

「まずはアーチャーを仕留めたいわね。あいつさえ居なければスピカを守りやすいわ」

「そうだな。スピカはまずアーチャーを狙ってもらえるか?最悪一撃で倒せなくてもしばらく攻撃してこなくなるだけでも良い」

「はい」

「それで俺はスピカを守りながら魔法で攻撃するからアルティナは前衛を頼む。無理に前に出ずに来る物を迎撃する事を優先で」

「ええ」


そして作戦通り行動する。

まずはそっと隠れる様にスピカが矢を射るとアーチャーの右目に命中してアーチャーが大きな声をあげてのた打ち回る。

それによりゴブリン達が俺達に気付き向かってきた。

俺はウインドカッターを放つとこれまでよりも明らかに威力が上がっていて、一気に三匹のゴブリンを切り裂いた。

これならいける。

そう考えてまずは数を減らすためにゴブリンへもう一回ウインドカッターを放つと、俺達のいる通路に入ろうとした為に固まっていて、今度は六匹のゴブリンを切り裂き、もう一度放つと全てのゴブリンを切り裂いた。

これで残りは上位種だけだ。

見るとスピカはアーチャーに追撃してもう一方の目も奪ったようだ。

これでアーチャーも完全に無力化できた。


「アルティナ。スピカの守りはもう大丈夫そうだからソルジャーを頼む。俺はホブゴブリンを倒すからスピカは念の為に後方に気をつけながら余裕があれば援護をしてくれ」

「了解」

「はい」


剣を抜いてホブゴブリンに向かうと体が軽い。

スキルの効果で大幅にステータスが伸びているからだろう。

ホブゴブリンのパンチを潜る様に交わしてそのまま胴を斬り上げる様に切り抜けて、そのまま振り返りながら剣を斬り降ろして背中を切り裂く。

そのダメージで膝をついたホブゴブリンの首を斬り落として勝利した。

ホブゴブリンぐらいなら元々ソロでも十分勝てる相手だったのだが、かなり楽に倒す事が出来た。

アルティナの方を確認すると、アルティナも既にソルジャーを倒していたようでこちらを見てブイサインを出していた。


「これぐらいの相手になるとステータスが上がってる実感が出てくるな」

「そうね。かなり楽だったわ」

「これでスピカのレベルが上がったり、他にも優秀な奴隷になってくれる人が増えたら…」

「凄い事になるわね…」


そう考えるとお金を貯めて奴隷を買うのもありなのかもしれない。

黒首輪の奴隷でもスピカみたいに悪い事して無いのに奴隷になった人から信じられそうな人を選んでも良いだろうし、単純に元犯罪者の奴隷なら『犯罪を犯すな』『仲間に危害を加えるな』等と言った命令をしておけば大丈夫だろう。

でも出来る事なら二人みたいに白首輪か前者の事情があって奴隷にされてしまった悪人じゃない人で信頼しあえるような関係を築けた方が嬉しいかな。

この辺りは二人とも相談して考えてみよう。


とりあえず普通のゴブリンからは右耳を、上位種三匹からは体内にある魔石を剥ぎ取ってから死体を処理して村に戻る。

上位種等の中には魔石を持っている魔物がいる。

魔石は色々と使い道があるので売って良し持っておいて良しなのでありがたい。

村に戻って村長に巣が出来かかっていた事を報告するとものすごく感謝されて、この日は村で宴会を開いてくれるらしいので一泊して行く事になった。

その前に巣の後をどうするかを聞く。

ゴブリンの巣は何かに使う予定があるならそのままにして利用するのもありなのだが、場合によっては新しいゴブリン達がその巣を利用して新たな巣を作る事も考えられる。

そうなると当然通常より短い期間で巣が完成してしまうので、依頼を出すのが間に合わなくなる可能性が高くなってしまうのだ。

その事を村長に伝えると、


「そう言う事でしたら出来れば巣を破壊していただければと思うのですが可能でしょうか?」


と言われたので巣に戻って土魔法と火魔法の合成魔法で巣を爆破して潰しておいた。

うん、魔法の威力もしっかりと上がってるな。

村に戻り宴会を楽しんで、次の日にサイタールに戻る。

受付に行くとミリーシャさんが対応してくれる。


「お帰りなさい。どうでしたか?」


今回の事を報告してゴブリンの耳と上位種の魔石を提出する。


「なるほど…みなさんが受けてくれて助かりました。まさか上位種が三匹いて巣を作っていたなんて…、やっぱりハズレが多いとは言ってもこの手の依頼を受けてくれる方達がいないと大変な事になってしまいますからね。かといって低ランクの人達では上位種は厳しい時がありますし…」

「そうだろうな。依頼達成報酬を増やせれば受ける人達も増えるだろうけどな」

「しかし殆どの場合巣なんて無いですからね…。上位種がいればこうして魔石を売っていただければ少しは良いお金にはなるんですけど…」

「上位種がいなければお金にならない…か」

「はい…」


その辺りは依頼を出す村と冒険者ギルドがお金を多く出す等何かしら対応しないと難しいんだろうな。

とりあえず今回は上位種の魔石を三つとも売ったので結構良いお金になった。

お金の割り振りを二人と相談して共有財産を作る為に四分割して俺・アルティナ・スピカ・共有財産とする事になった。








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