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042.レリィー(SIDE レリィー)

ホームの管理長をやっていたメイドのイリナさんと、そのお手伝い兼冒険者のカスミちゃんとグレン君が黒奴隷から白奴隷になった。

それはいい事だけど、何故か三人ともそのままリックの白奴隷になった。

リックが信用できる人だと言うのは分かるけど、態々白奴隷になる必要はあるのだろうか?


その次の日。

いつも通り皆とダンジョンに行ったらカスミちゃんとグレン君の動きが良い気がした。

この時は黒奴隷から白奴隷になったから嬉しかったり張りきったりでいつもより頑張っているのかな?なんて考えていた。


だけどその日から確実に動きが良いし、カスミちゃんの魔法やグレン君の速度も上がっているとしか思えない。

しかもレベルが一つ上がったなんて言う様な物ではなく、急激に何レベル…いやそれ以上に上がったかのような動きをしている。

リックのパーティーメンバーもだけど、このパーティーの皆も明らかにレベルと実力が噛み合っていない。

それにリックとアルティナの二人も【勇気の剣】に居た時よりも明らかに強くなっている。

この間のワイバーンの事を考えても間違いないだろう。

考えられるとしたら…シークレットスキルだろうか?

聞いた事は無かったけど、もしリックが私の仮定通りになるようなシークレットスキルを持っていたとしたら辻褄が会う気がする。

よし聞いてみよう。

そう考えた私はリックとアルティナに話があると三人だけで話しをする事になった。


「それで話ってなんだ?」

「…リックさ、もしかしたら白奴隷を持つと自分を強化&白奴隷を強化するようなシークレットスキル持ってたりする?」

「「っ!?」」


二人が一瞬目を見開いてお互いを見合った。

これはおそらく当たりかな。


「どうしてそう思ったんだ?」

「まずこのギルドの皆の異常な強さ。リックとアルティナも明らかに私達が追放する前よりも強くなってるしね。

 次にカスミちゃんとグレン君。二人ともこの間白奴隷になってから動きが間違いなく良くなったし強くなってた」


私がそう言うと二人は溜め息を吐いた。


「なるほどな…。そんなところからそう結論されるのか…」

「レリィー。正直に言ってしまえば正解よ。でもこの事は秘密にして欲しいの」

「まあそうでしょうね。それに勿論そのつもりよ。私は貴方達に負い目も恩もあるし、あんな事があったけど二人の事は友人だと思ってるもの。デルシス達が聞いて来ても話さないと誓うわ」


これは本気だ。

私はこれ以上この二人を裏切るような事はしたく無い。

二人は私の顔をジッと見ている。


「本気そうね」

「だな」


どうやら信じてもらえたみたいだ。


「それと隠したいならもう少し気をつけたほうがいいかもしれないわよ。私は確かに黒奴隷から白奴隷になった時の違いでほぼ確信したけど、何かしらはありそうかなぐらいには思ってたし」

「…そうだよな」

「まあ下手に人前で戦闘しなければ大丈夫かもしれないけどね」

「何か良い手が無いか考えておくか」

「そうね…」

「それとこのタイミングではちょっと言い辛いんだけど…私も白奴隷にしてくれないかしら」

「またどうして?」

「今テート達と組ませてもらってるけど、皆私に合わせて依頼を受けてるのよね…。冒険者としての技術や知識では流石に負けないけど、あの子達ならもっといい依頼を受けれる筈なのよ…」

「…分かった試してみるか」


リックは心配そうだけど私は首輪を付けられると確信している。

元々リックの事は人としては好きだったし信頼はしていた。

それにここに来てリックの事を更に信頼出来るようになったし、私がテート達に迷惑掛けているのも、それをどうにかしたいと思っているのも、その為にはリックの白奴隷になるのが一番良いと考えているのも私は本気で思っている事だからだ。

そして私の考え通りに私の首に白い首輪が現れた。

それから二人にリックのシークレットスキルの事をちゃんと教えてもらった。


「うん、これは反則よね。正直今なら私でも近接戦闘でデルシスに勝てるんじゃ無いかしら…」

「デルシスが変わっていなければ普通に勝てると思うわよ」

「やっぱりそうよね…」


近接戦闘の訓練を続けてきて、デルシスの剣がどれだけ幼稚でリックの剣がどれだけ優れているかが良く分かる様になった。

正直デルシスは本当に攻撃しか考えていなくてその攻撃も一撃で相手を倒す為の攻撃ばかりだ。

逆にリックは攻撃は急所に確実にダメージを与える事を優先しながら、ダメージを受け無い事を最優先としている。

言ってしまえばデルシスは派手で近接戦闘の駆け引きが分からない人にカッコ良く見せる為の剣で、リックは派手さは少ないが近接戦闘が分かる人から認められたり尊敬される剣と言った感じだと思う。

今では自分がどれだけ見る目がなかったか良く分かってしまう…。






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