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041.黒から白へ

あれから数日経ったが水彩のダンジョンを更に奥に進む良い手は思いついていない。

まあそんな簡単に思いついたら苦労しないだろうが…。

そんなある日。

偶々買い物をしているイリナさんとカスミとグレンを見かけた。

声をかけようとも思ったが三人に対して冷たい目を向けている人が僅かだが居る事に気が付く。

なんだろうか?と考えたが答えはすぐに分かった。

三人がして居る黒い首輪が原因だろう。

黒首輪になる多くの理由は何かしらの犯罪行為である事が多い為か、黒奴隷と言うだけで冷たい目を向ける人は居る。

しかしあの三人は別に犯罪を犯した訳では無い。

三人とも運が悪かったり嵌められたりしただけだ。


実はイリナさんが奴隷になった理由の借金だが、ブランディアさんから仕えていた男爵家の馬鹿息子がイリナさんを手に入れる為に仕組んだ事だと教えてもらった。

普通に告白して振られたので借金を背負わせてそれを理由に手に入れようとしたらしい。

これはブランディアさんがイリナさんを買い取ってしばらくしてから分かった事で、その段階でイリナさんの借金が不当だったのだが、イリナさん自信がブランディアさんにお金を使わせた事やカスミ達の事もあったので残る事を選んだのだそうだ。

ブランディアさんが俺にイリナさんの事を紹介したのは、ハリエルから聞いていて俺ならカスミ達の事も購入してくれるし不当な扱いはしないと信じての事だったようで、もしお金が足りなかったらハリエルが足りない分を出すつもりでいたらしい。

その事や普段の仕事ぶり等もあって三人の事は信じて良いと家のギルドの皆思っている。


次の日ギルドの事で話があると皆に集まってもらって話を切り出す。

ギルドに所属していないレリィーはここにはいない。


「まずイリナさんとカスミとグレンの三人に聞きたい事がある。正直に答えて欲しい」

「なんでしょうか?」

「三人を黒奴隷から解放しようかと考えている」


そう言うと三人は暗い顔をする。


「あの、それはクビ…という事でしょうか?」

「いやいや、そうじゃないから話を最後まで聞いて欲しい」

「はい…お話を遮ってしまい申し訳ありません」

「うん。それで奴隷から解放したらそのあとどうしたい?家で今のまま働いてくれたら嬉しいけど辞めたいと言うのであれば止めるつもりも無いのだが…さっきの反応を見る限り残ってくれるって事でいいのか?」

「はい、ご迷惑でなければこれからもここで働かせていただきたいです」

「カスミとグレンはどうする?」

「私もここに居たいです」

「俺も…」


どうやら三人とも残ってくれるようだ。

それなので三人の首輪に触れて奴隷契約の解除を行なう。

契約解除をすると一応ステータスを確認するとステータスの上昇値が下がっていた。

やはり奴隷が減るとその分の上昇値もなくなる様だ。


「さて、それでもう一つ聞きたいのだが…三人は白奴隷の契約は行なうか?」

『はい』


三人ともすぐにそう答えたのでそのまま契約を行なう。

すると三人の首に白い首輪が装着された。

もう一度ステータスを確認すると奴隷契約解除前の数値に戻っていた。

三人に聞くと数値がアルティナ達と同じになっている様だ。

やっぱり色が変わるとその効果も変わるらしい。

何かが大きく変わるわけでは無いけどやっぱりこっちの方がスッキリする。

これからも黒奴隷を手に入れたらその人の事を見て契約解除をして大丈夫そうなら解放していって良いだろう。

白奴隷になりたくないと言われたとしてもそれは仕方が無い。


その日の夜。


「あれ?イリナさんにカスミちゃんとグレン君も、首輪が白くなってるね」

「はい、黒奴隷から解放していただきました」

「それで白奴隷になるんだ」

「私はここで働き続けたいですし、主がリック様と分かったほうが良いでしょうから」

「なるほどね。カスミちゃんとリック君もかな?」

「はい。私達は冒険者をやりながらここでイリナお母さんのお手伝いをしていくつもりですから」

「なるほどね…本当にリックは皆に慕われてるんだね」

「ありがたい事にな」

「そっか…うん…なんか分かる気がする」


そんな事をいうレリィーは何かを考えているようだった。


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