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036.元パーティー視点(SIDE レリィー)

リックとアルティナと話をした夜。

これからの事をちゃんと考えてみた。

確かに私達後衛三人の中で一番近接戦闘が出来るとしたら私だろう。それで次がアイーダで最後がミレイかな。

私はもっと上の冒険者になりたい。

そう考えると確かに私が最低限近接戦闘ができた方がいいのは確かなんだよね…。

でも正直接近戦をするのはちょっと怖い…。

そう言えばリックの所にいたエルフの子は私と同じ弓術師だけど近接戦闘も練習してるんだっけ?ちょっと話を聞いてみようかな。

そう思って私はリック達のホームへとやってきた。

メイドさんに案内されて応接室へと通される。


「それでレリィー今日は一人でどうしたんだ?」

「実は昨日言ってた近接戦闘を練習している弓術師って言うのが気になってどんな感じなのか見せてもらえないかと思って」

「私ですか?」

「うん。どうかな?」

「えっと…」


エルフの子がリックとアルティナの方を見る。


「いいんじゃないか?」

「スピカが嫌なら受けなくてもいいのよ」

「…分かりました。それでは練習を見せると言う感じで良いですか?」

「うん、ありがとう」


リック達と一緒に庭の方にやってきた。

アルティナとエルフの子が向かい合って鉄の剣と鉄の短剣を構える。

アルティナが普段から剣を教えているのかな?

それにしても真剣でやるんだ…。

私はこの時エルフの子が振り回す剣をアルティナが受け止めたりする真剣だけど比較的安全な指導になるのかと思っていた。

でもいざ始まってみると…、エルフの子が体勢を低くしてものすごい速度で駆け出して一気に距離を詰め、短剣をアルティナの左肩目掛けて突き出した。

アルティナはそれを体を捻るように避けて、エルフの子の左肩辺りに剣を振り下ろす。

エルフの子は突進の姿勢から更に低くなる様に前に飛んで剣を避けて、左手を使って体を捻ってアルティナの方をむく。

その後もとんでもない速度でお互いに剣を振りあう二人。

え?この子本当に後衛だよね?弓術師だよね?実は凄腕の盗賊とか暗殺者なんじゃないの?

そう思ってしまうほどに凄かった…。

流石にアルティナが押しているけどアルティナも無傷と言うわけではなかった。

訓練を終えると僧侶の子が回復魔法を使って傷を癒した後。


「どうでしたか?」


とエルフの子が聞いて来た。


「正直貴女が近接職じゃないって信じられないんだけど…」

「私は弓術師で間違いないですよ」

「そ、そうなんだ…」

「別にすぐにここまで出来るようになんて無理だからな?少しづつ訓練なんかで技術をつけて行くしかないんだから」

「リック…。うんそうだよね…ちなみに君はいつから短剣を使ってるの?」

「そうですね…。この町に来て初めてダンジョンに行った時ですから…」

「俺が追放されてからこの町までまっすぐ来て、その後すぐになるな」

「そんなに最近なんだ…」


そんな短い期間であんな実力をつけられる気なんてしないんだけど…。

最初から才能があったって事なのかな…。


「スピカも頑張ってるからね。空いている時にはよく私やリックに訓練をお願いしてるし」

「はい、ご主人様やお姉様のお役に立てるのは嬉しいですから」

「もう、可愛いな~」


アルティナがエルフの子…スピカちゃんだっけ…の頭を撫でると、スピカちゃんは本当に嬉しそうだった。

私も頑張ればデルシスにあんな感じに褒めてもらえるのかな?


「そうなんだ…ねえもし良かったら私にも剣を教えてくれないかな」

「近接戦闘をやることにしたのか?}

「うん…。昨日リックとアルティナに言われた通りデルシスが変わるか私がそうしないと上には行けないと思うから…」

「そうか、まあ俺は構わないぞ」

「私もいいわよ。あの時までは仲良くしてたんだしね」

「う…。あの時は本当にごめん…。私達リックがもう私達に付いて来れてないって本気で思ってた…。それにデルシスがそれを望んでるならって…」


昨日リックが実は強かったのは分かったし、私達のパーティーが駄目になったのは間違いなく追放してからだ。

デルシスはアルティナがいなくなったからって思ってるみたいだけど、多分アルティナの言う通りリックがいなくなった事が一番大きいんだろうな…。

デルシスは今もアルティナに固執してるんだよね…。

あ、そういえば…うん伝えておいた方がいいよね…。


「ねえリック。デルシスに気を付けてね」

「何がだ?」

「実はこっちに来る前にね『アルティナをリックの呪縛から解き放つ為にはリックをこの世から消せばいい』って言ってたんだよね」

『!?』

「は?マジで?」

「うん…私達もそれは流石に駄目だって思ってるし冗談だと思うけど…、実は先日リックに負けてから荒っぽくなっちゃってて、今ちゃんと考えたらもしかしたら本気なのかな。って…」


昨日リック達の話を聞くまでは強くなるために頑張ってるんだと思ってた。

でも冷静に考えたらあれはリックに対する怒りをぶつけているんだろう…。

今のデルシスだと本気でやり兼ねないって思ってしまう。

この後スピカちゃんに剣の振り方や防御の仕方を教えてもらった。

剣の練習の一環として西深のダンジョン八階層にいるバングスワローを倒せる様に練習するといいって教えてもらった。

リックが言うにはバングスワローを弓矢で倒すのもバングスワローの攻撃も私のレベルなら大丈夫だろうからまずは短剣だけで戦える練習をするといいらしい。

ただ実入りは少ないみたいだからデルシスは協力してくれないだろうし、ミレイ達に頼んでみようかな。


ホームに帰って何も持たないで剣の振り方の復習をする。


「レリィー何してるの?」

「ん、短剣を使う練習」

「リック達の言う通り短剣を使う事にしたの?」

「うん。と言うよりリック達のところで少し習って来ちゃった」

「へぇ~、それでどうなの?」

「まだ初日だからどうなのって言われてもね…。ただリックのパーティーの弓術師であるスピカちゃん…すごかった」

「凄い?」

「うん。アルティナとの訓練を見せてもらったんだけど、もう前衛でしょこの子って感じだったよ。あれならある程度の魔物相手を短剣だけで倒せるんじゃ無いかな?」

「そんなになんだ…」


ミレイもアイーダもピンと来ていないみたいだけど、あれは本当に凄かった。

動きも速かったけどどんなステータスしてるんだろう。

一応聞いてみたけど教えてくれなかったんだよね。

私が練習をしているとデルシスが入ってきた。


「明日どうす…レリィー何してるんだ?」

「ちょっと私達後衛の防御の為に近接戦闘を覚えようかと思ってね」


流石にリック達に教えてもらったりした事は言わない方がいいよね。

頑張ってるって褒めてくれるかな?

そう思っていたのに…。


「やめとけやめとけ。レリィーの役割は弓矢での相手の弱点や細かいスキマを狙った物理遠距離攻撃なんだ。近接戦闘なんて役割じゃない無駄な事をする必要ねえって」


そんな事を言って笑って馬鹿にされた…。

この時私の中で何かに皹が入るような感覚を覚えた。



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