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028.西深のダンジョン再び

西深のダンジョンに最初の六人でやってきた。

今回は十一階層より下に潜って見る事にした。

特に梃子摺る事もなく十階層目のワーウルフを倒して今回は先に進む。


十一階層目。

この階層は広い草原が広がっていた。

空もしっかりあるのは本当にどうなっているんだろうな…。

ダンジョンは本当に分からない事が多い。

見回すとホーンバイソンが走っている。


ホーンバイソン…集団で行動する角の大きい牛型の魔物。

集団で突撃してくるために巻き込まれない様に注意が必要。

近接で戦うのは危険なので、集団の先頭を走るホーンバイソンを遠距離攻撃で攻撃して後ろを走るホーンバイソンを巻き込むのがセオリー。

一度勢い良く転倒するとすぐには起き上がれない様だ。


「ホーンバイソンか…戦う必要は無いけど敵視されたら面倒だよな」

「そうね。とりあえず見つかったらリック、スピカ、アリッサお願いね」

「ああ」

「分かりました」

「任せてください」


とりあえずあまり騒いで刺激しない様にして先に進んでいく。

今回は見つからなかったのか襲われないでやり過ごす事が出来た。


十二階層目。

この階層も広い草原が広がってしっかりと空がある。

この階層に居たのはまたホーンバイソンだった…。

同じのが続くのかと思ったら空に鳥の様なものが飛んでいるのが見えた。

目を凝らして良く見てみると飛んでいるのはラッパバードだった。


ラッパバード…口がラッパの様な形をしていて、獲物を見つけるとその真上を旋回しながらラッパ音の様な鳴き声を上げる。

その音に寄ってきた他の魔物に獲物と戦わせ負けた方を食べるという死肉喰らいの鳥である。


「また面倒なのが…、スピカ空の方を頼めるか?出来るだけ遠くに居る内に落して鳴かせない事を目標で頼む」

「頑張ってみます」

「鳴かれた時はしょうが無いから気を張りすぎない様に気楽にね」


そう言ってアルティナはスピカの頭を撫でた。


「はい、ありがとうございますお姉様」


スピカが移動しながら矢をラッパバードに射って落していく。

ラッパバードは動き自体は早くは無いのだが、それにしても上手く当てていくものだ。

スピカのお陰で一回も鳴かれる事もなく、ホーンバイソンもこちらに向かってくる事はなかった。


「やりました」


そう言ってブイサインを作るスピカの頭を撫でてやると嬉しそうに笑ってくれた。


十三階層目。

この階層は深い森になって居た。

風が無いのに木が揺れる音がしてそっちを見ると、そこにはロックモンキーがいた。


ロックモンキー…長い尻尾の先が丸く硬い岩の様になっている猿型の魔物。

        木にぶら下がりながら尻尾を分銅のように振り回して攻撃してくる。

        木の上からの攻撃な上に威力も結構高いので後衛は特に注意が必要。


アルティナとノエルに防御をしてもらって、俺とスピカとアリッサの遠距離攻撃で倒していく。

上を見ながらだし木の陰にも気をつけないと行けないので疲れる…。

ロックモンキーの皮、特に尻尾の皮は丈夫で伸縮性もある為に良い素材になるのでしっかりと剥ぎ取っていく。


十四階層目。

この階層も深い森になって居た。

しかし魔物の姿は見えない。と思った時に木から枝が伸びて攻撃してきたのでそれを剣で受け止める。

どうやらここにいるのはトレントの様だ。


トレント…木に擬態している魔物。

     戦闘能力自体は決して高くは無いが、普通の木と見分けるのが難しく気付かないまま奇襲され無い様に注意が必要。

     弱点は姿を見せた時に同時に現れる鼻となっている部分の枝で、それを切り落とすと倒す事が出来る。


まずは襲いかかってきたトレントをウインドカッターで鼻を落して倒す。

トレントの鼻の部分の枝は魔力を帯びていて、魔法効率の良い杖の素材等に使えるので持って帰る。

この階層にトレントしかいないのなら…、木の一つ一つに全力で石を投げて攻撃をしていく。

トレントは一定以上の衝撃を受けると姿を現すのでこれで見分ける事が出来る。

この方法とウインドカッターを使いながら倒して行く。


十五階層目。

広い空間に大きな扉だけがあった。

どうやらここがボス部屋らしい。


「さてボスだけど、今回の方針だから情報は何もない。ただステータスを考えたら普通に倒す事が出来る筈だから冷静に対処しよう」

『はい』


実は今回の目的は前情報が無い魔物の対処をする為の訓練となっている。

それなのでここまで来ている人達のランク等やレベルは一応確認したが、どんな魔物がいるか等と言った情報は手に入れていない。

そして待っている人達も居なかったのでティニーに支援魔法を掛けてもらってボス部屋へと入って行く。


中は森となっていてボスが姿を現す。

出てきたのはトロールモンキーが二匹だった。


トロールモンキー…体が大きいのに猿の様にすばやく動き回り、攻撃力・生命力があり微量ではあるが再生能力もある。

         素早さ以外はトロールよりは低く武器も持たない。


トロールモンキーがいきなり飛びかかってきたがアルティナとノエルが受け止める。

スピカがアルティナが受け止めたトロールモンキーに矢を射って、俺とアリッサがノエルが受け止めたトロールモンキーにウインドカッターを放つ。

目を狙ったスピカの矢は腕でガードされ、俺とアリッサの放った魔法はトロールモンキーの両腕を切り落とした。

するとトロールモンキーは二匹とも後ろに飛ぶ。

スピカの矢を受けたトロールモンキーは矢を抜くと少しづつ傷が治り始め、腕の無くなったトロールモンキーは叫びながら地団太を踏み始めた。

さすがに腕が無くなればすぐには再生しないだろう。


腕がなくなったトロールモンキーは高く飛びあがって飛び蹴りの体勢で突っ込んでくるので、アリッサと合わせてまたウインドカッターを放つ。

十字に放たれたウインドカッターはトロールモンキーを切り裂いて絶命させた。

そのトロールモンキーが飛び上がるのと同時に低い体勢でもう一体のトロールモンキーが突っ込んできていて、それをアルティナとノエルの二人が受け止める。

二人がかりで受け止めて腕を封じるとスピカが矢を二本射って、今度は二本ともトロールモンキーの目を射抜いた。

目を失い暴れだすトロールモンキーの胴体をアルティナが切り抜けて、ノエルが大きな槌で頭を叩き降ろしてトロールモンキーを撃破した。


宝箱が現れてトロールモンキーの体が消えていくので宝箱の中身を回収してこの中に残る。

そのまま入り口まで転移されるのを待ってから町まで帰った。

調べてみたらトロールモンキーはあの場所ではレアパターンだったらしく、本来はロックコングがいるらしい。


ロックコング…体が岩の全身鎧で覆われたゴリラ型の魔物。

       攻撃力と防御力が高い。


今回の収穫はモンスターの素材の他にワーウルフのところでHP回復ポーションが三個とMP回復ポーションが三個。

トロールモンキーのところで、再生の指輪、パワーグローブ、深緑の杖×二、深緑の弓×2が手に入った。


再生の指輪…HP自動回復(微)


パワーグローブ…ATKに補正のかかるグローブ。装備している間は物を持つ事が出来ない。


深緑の杖…エルダートレントの枝で出来た杖。

     魔法の威力を上げMP使用量を五分の一抑える。


深緑の弓…エルダートレントの枝とエルダートレントの蔦でできた弓。

     丈夫で良くしり威力の高い矢を射れるが、それなりに力が無くては弦を引く事が出来ない。


再生の指輪はノエルに、深緑の杖はアリッサとティニーに、深緑の弓はスピカに渡して他の装備は取っておく事にした。



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