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010.元パーティー視点 (SIDE デルシス)

中途半端野郎のリックを追い出して、リックを気遣って俺の誘いを受けないアルティナを手に入れようとしたのに…なぜアルティナまで出て行ってしまうんだ。

いつも俺と背中を合わせ、お互いに助け合い俺に笑顔を向けてくれたアルティナは絶対俺に惚れていたはずなのに…。

きっとリックの野郎を気遣って一緒に行ってしまったんだろうな…。

こんな事ならリックを追い出すんじゃなく事故に見せかけて始末した方が良かったか?

アルティナがいなくては俺の理想的なハーレムパーティーが完成しないじゃないか。

他の三人もいい女なのは間違いないが、俺にとってアルティナこそが理想の女性で、彼女だけは絶対に俺のハーレムに加わってくれなくては困るのに…。

しかもあの二人はこの街から出て行ってしまったそうだ。

きっとリックの野郎が俺にアルティナを渡さないために逃げたんだろう。

くそっ!どこまでも忌々しい奴だ。

しかしどこに向かったのかは分からないし、いつかきっとで会えると信じて今は新しいハーレムメンバーを捜すのが優先だな。


「皆。まずは新しいパーティーメンバーを見つけなくてはならない。どんな職のメンバーが良いと思う?」

「やはり前衛がデルシスだけでは辛いでしょうし、私達へ敵が来るのを足止めできる前衛と中衛をこなせるアルティナの様な人が居てくれると嬉しいですね」


ミレイがそう意見をだす。

うむ、それは俺も同意見だな。


「やっぱりそうだよな…。アルティナが残ってくれれば良かったんだが」

「後は何をメインに動くかじゃないですか?ダンジョンメインならやはり盗賊が欲しいですし、ダンジョンじゃなくて外での依頼をメインならやはり前衛か中衛をもう一人で良いと思います」


と今度はアイーダが意見を出した。


「ダンジョンはやっぱり冒険者としては行きたいよな」

「それじゃあやっぱり一人は盗賊だね」


レリィーの言葉に俺達全員が頷いて足止めと火力のある前衛を一人と盗賊を一人探す事になった。


「俺に新メンバーを決めるのを任せてくれないか?」


と三人にパーティーに入れるメンバーを選ぶのを俺に一任してもらう。

男を入れるつもりは無いからな。

まずは冒険者ギルドに向かって受付に丁度いい人材がいないかを聞いてみる。


「正直に申しまして難しいですね。個別に冒険者登録しに来た新人等はいますが、ある程度でも熟練した人は大抵既にパーティーを組んでいますから…」

「やっぱりそうなのか…」

「はい、偶にメンバーの都合等でパーティーを解散した人やメンバーに不幸があった人等が浮く事はありますが、当然そう言う人はすぐに知り合いの伝手で別のパーティーに入ったりしてしまいますし滅多に無い事なので…」

「そうか…」

「それなので現実的な話をしますと新人から将来性のある人を捜してその人を自分達で育成する方がよろしいかと」

「分かった。それなら新人冒険者を紹介してくれないか?」

「はい少々お待ちください。…これが今私達が把握しているパーティーをまだ組んでいない可能性の高い新人の人達のリストです。当然既にパーティーを組んでしまって居る可能性もあるので絶対ではありませんが」

「助かる」


リストを読んでまずは男と女に分ける。

その後女のリストから条件に合いそうなメンバーを見繕っていると、リストにそこそこレベルの高い女盗賊が居るのを発見した。

これは掘り出し物じゃね?

後は一人重戦士の女が居たのでその二人を紹介してもらう事にした。


「この二人を紹介して欲しい」

「えっと…このお二人ですね。泊まっている宿も分かりますからそちらを教えますので交渉はそちらでお願いします」

「分かった」


教えてもらった宿に行くと女盗賊の方はすぐに会えたが、重戦士の方は冒険者としてある程度収入が出るまではと近くの食堂で働いて居るらしくもうすぐに終わるはずだと言う事なので待つ事にした。

その間に盗賊の方に話を聞いておく事にする。


「あんたはそのレベルで何でフリーだったんだ?」

「あー、前に所属していたパーティーは私以外幼馴染だったんだけどね。無事だったらしいんだけど実家の村が山賊に襲われたらしくて、村の近くで山賊や魔物を狩るのをメインに活動する事にしたいってんで盗賊のあたしは役に立てそうに無いし、あたしはダンジョンが良かったからパーティーから抜けたのよ」

「なるほどな」

「しかしまさかBランクパーティーに誘われるとは思って無かったよ。正直あたしのレベルだとBランクには付いて行けない気がするけど…」

「それは気にしなくていい。これから勧誘する重戦士なんて新人だし、二人とも俺達で育成するつもりだからな」

「そうかい?それならこちらも助かるよ」


そんな会話をしていると少しして目当ての相手が現れた。

よし、この女盗賊もそうだが重戦士も見た目もスタイルも悪く無い。十分当たりと言えるだろう。

そして重戦士にも俺達が責任を持って育成する事を伝えるとパーティーに加入してくれる事を了承してくれた。

ちなみに重戦士はミラ、盗賊はジュネと言うらしい。


俺達の拠点にしている宿に二人を連れて行く皆に紹介する。

三人とも二人の育成から始める事を快く認めてくれた。


アルティナがいなくなってしまったのは痛いが、これでとりあえず俺のハーレムパーティーの完成だ。

後はいつかアルティナと再会して俺達の仲間に迎え入れる準備をしておこう。




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