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001.追放と幼馴染

初投稿になります。

文もこのサイトの使い方も色々と至らないところがあると思いますがよろしくお願い致します。

「リック。お前には【勇気カレッジソード】から出て行ってもらう」


パーティーのリーダーであるデルシスから呼び出されて部屋に行ってみると、そこには幼馴染のアルティナ以外のメンバーがいて、デルシスからいきなりそう宣言された。


「とりあえず何故か理由を教えてくれないか?」

「理由か?簡単に言ってしまえばお前が魔法剣士だからだ。剣では俺にもアルティナにも敵わず盾としてもアルティナに劣り、攻撃魔法もミレイがいるし回復にはアイーダがいる。何もかにもが中途半端なんだよ。お前の代わりに別の奴を入れた方が間違いなく俺達の為になると判断した」



この世界では一つのパーティーでは六人までと決まっている。

そして今俺達のパーティーは剣士のデルシス・聖騎士のアルティナ・魔法使いのミレイ・司祭のアイーダ・弓術師のレリィー・そして魔法剣士の俺で六人となっている。

それなので中途半端で居ても居なくても問題無い俺を追い出して新しい仲間を入れたいと言う事だ。

確かに俺の職業である魔法剣士は全てがその専門職に劣る中途半端の器用貧乏と言って馬鹿にする人も多い職業だ。

実際にステータスも平均的に上がりやすいためか総合値はともかく秀でたステータスは無い。

それでも自分なりに役立てる様に頑張っていたつもりだったんだけどな…。


「まあ感謝はしてますよ?盗賊等のいない私達のパーティーの為にトラップの勉強なんかもやってくれましたしね。でもそれなら盗賊を入れた方が良いと思うんですよね。この間だって見落としたトラップがあったじゃ無いですか」


とミレイが言った。

この世界では職はあくまでもステータスの上がり方や適正や一部のスキルがその専門職でないと覚えられなかったりするが、勉強や訓練次第では変わりを果たす事が出来る。

例えば剣士は魔法が使え無いのではなく取得するために魔法使いよりも苦労をし、使えたとしてもMPやINTが基本的には低い為に性能が低い。と言った感じだ。

そして俺は盗賊の居ないこのパーティーの為になればと罠の勉強をして少しでも罠を回避できる様に頑張ったつもりだ。

しかし前回罠の見落としがあって発動させてしまった。

その罠は矢が飛んでくる物だったのだが、その矢はアルティナが盾で防いでくれた。


「回復魔法は私は勿論聖騎士であるアルティナさんも使えますし、リックさんでは攻撃の火力も足りなくなってきてますしね」


とアイーダが言う。

先ほども言ったが魔法剣士はSTRやDEFでは剣士に劣り、MPやINTは魔法使い等に劣る。

しかも魔法剣士は最上位職と同じ様にレベルの上がり辛い職でもあるのでどうしても火力不足になってしまうのだ。


「リックが悪い人じゃ無いのは知ってるけどね。それでもやっぱり私達はもっと上に行きたいからさ」


とレリィーが言った。

確かに誰だって今より上に行きたいと思うのは普通の事だろう。


「「「それにデルシスが望んでるから」」」


と三人同時に言った。

三人はデルシスに惚れている…と言うよりも既にデルシスと肉体関係にあるからな…。

どうやらデルシス以外の三人も賛成らしい…。


「アルティナはなんて言ってるんだ?」

「アルティナは性格的にお前を追い出したりしないだろうから呼んでいない。しかしそれでも四対一だ。分かったら出ていけ」


と俺が質問ばかりで中々出ていかないからか部屋から蹴りだされた。

すると部屋の前にはアルティナが居て俺が蹴り出されたのを丁度目撃したようだ。


「どうしたの?」


蹴りだされて転んでしまった俺に対して手を差し伸べながら聞いてくるアルティナにパーティーから追い出された事を伝える。


「そう…」


俺を起き上がらせるとアルティナはデルシス達の方を向く。


「リックがいなくなるなら私も出て行くね。これまでお世話になりました。行こうリック」 


そう言って俺の手を掴んで歩きだした。


「ちょ、ちょっと待て!」


歩きだした俺達をデルシスが慌てて呼び止める。


「なんでだアルティナ?お前が出て行く必要は無いんだぞ?」

「私とリックが幼馴染なのは知ってるでしょ?そして私達はずっと一緒にパーティーを組むって約束してるし私はリックと一緒にやって行きたいと思ってるの。だからリックと一緒にパーティーを抜けるんだけど何かおかしい?」

「いや…それは…、だけどお前に出て行かれるのは困るんだ…」


アルティナの聖騎士は最上位職と呼ばれる職業で代わりも簡単には見つからないだろうしな。

このパーティーはこの間一流の仲間入りと言われるBランクに上がったところなのにアルティナがいなくなればBランククエストの攻略は無理だろう。


「…分かった。リックの追放は取り消す」


デルシスは俺の事を睨んでそう言ってきた。


「みたいだけどどうするの?」

「いや、流石に一度追放するって蹴りだされたのに俺が必要なわけじゃなけどアルティナが必要だからって理由で取り消されてもな…。しかも今デルシスは俺の事を睨んでいたし、今度は闇討ちでもされて殺すとかしてきそうだから出て行く事にするよ」

「そうね。と言う事だから私とリックは抜けるね。じゃあね」


そしてアルティナと二人で歩きだす。

その時にチラッと見たデルシスは完全に殺意の篭った目で俺の事を睨んでいた。

パーティーが拠点にしている宿から出た俺達はパーティー登録をしなおすために冒険者ギルドへとやってきた。


「あ、リックさんにアルティナさん。依頼を探しにきたんですか?」


この王都の冒険者ギルドの受付嬢の一人であるキャシーさんに話掛けられる。


「いえ、俺達はパーティーを抜ける事になったのでその報告に来ました」

「へ…?えええぇぇぇぇ!?な、何でですか?ついこの間Bランクに上がったのに!」

「実は…」


俺は先ほどのやり取りをキャリーさんに説明する。


「そんな事が…。はぁ~~、デルシスさん達何を考えているんだか…折角Bランクに上がったのにいきなりメンバーを変えようなんて…、連携の事とかを考えたらどう考えてもマイナスでしょうに…」

「それでとりあえず私達二人で組もうと思うのと、実は拠点を変えようと思ってるのよ」

「王都を出て行ってしまうのですか?」

「ええ、流石に追放されたメンバーと同じ街に居続けるのは気まずいからね。別の街を拠点にしようと思ってるわ。今回はパーティー変更の報告とその事を伝えに来たのよ」

「そうですか…、お二人とも優秀な冒険者でしたのに残念です」

「もしかしたら依頼の関係かまた拠点を変える事にして王都に来る事もあるかもしれないのでその時はよろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」


その後ギルドマスターにも同じ様に挨拶をした後は他にもお世話になった人達に挨拶をして回った。

一通り回り終わった後俺達は王都を出て西に向かう。




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