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〜15分完結推理〜僕はこの推理に心まで奪われる

作者: mikoto

---------プロローグ--------------------------------

少し町のはずれにあるコンビニ、動きやすそうな服装でスニーカーを履いた3人の女子学生らしき、がそれぞれ間を置いて入る。店内は左側奥にレジがあり、1人の店員がいらっしゃいませーと言った。その手前には雑誌たちが姿勢を正しして並ぶ。右側には商品棚が3列、突き当りの壁と右側の壁にはジュースやお酒が冷やされている、1人が奥のジュース類の前まで行く、もう1人は雑誌の場所にたつ、、、、、

私は1番手前の商品棚;爪切り、リップ、文房具などがそろっている;の前にたつ、緊張した顔持ちで商品を眺めながら左を時折みる、胸が高鳴る

奥で店員を呼ぶ声がした、そのすぐ後左から合図が送られてくる、心臓が破裂する前の風船のように膨らむような感じがする、

私は、棚にある赤いボールペンに手を伸ばす、、、その瞬間コンビニの自動扉がウィーンと開き、スーツ姿の男性が入ってくる、膨らんだ心臓が破裂したと思った、その男性の方を見たまま刹那、手を伸ばしたまま固まる。次の瞬間私は手を引っ込め、早足に男性の横を通り過ぎ、自動扉を目指す。店内から出るまで5秒ほどだが、その何倍にも長く感じた。私はコンビニから出た直後左の道に全力で走り出す。前方から向かってきている男女の横をすり抜ける、万が一ミスったら、、、、、、、なんて言われたし

できるところまで逃げてみるか、と思った。しかしすぐ少し後ろで声がする。ひとけはない。前に小さな公園が見える。あぁここまでか、、、、

------------------------------------------------

僕はあるファストフード店に入った。透明なドアをあけると左の方に店は広がっている。前の方に二人用のイスとテーブルが3セット並び、その左に商品を注文するカウンター、僕の左に大人数用テーブル席その奥にも同じように大人数用のテーブル席がある。その手前の大人数用のテーブル席にノートや教科書を広げ勉強している男子学生が3人。ノートの横にはポテトが置かれているのが見える。あと1番カウンターに近い二人用のイスに白のブラウスにジーパンという身なりの20代後半くらいの一人の女性が座っていて、横の窓から外を眺めている。テーブルの上にはストローのついたカップと、高級感の出るバックが置いてある。客はそれだけで、店員たちからのんびりした雰囲気が伺える。僕は二人用のイスに座る女性に話しかけた。

「お久しぶりです、先生」

わっ、と言ってこっちに振り向く、後ろで結ばれた髪が揺れる

「びっくりした、久しぶり〜、ショウくん!」

そう言ってテーブルの上のバックをひざの上乗せ、僕に座るよう促す。

彼女、僕の先生というのは、僕が卒業した高校の先生で3年のとき担任であった。そこそこ美人で整った顔立ちをしている。放課後よく教室で不思議な現象について-そこまでホラーや科学的なことでもないが-議論を交わしていた。ちなみに僕は当時からショウくんとあだ名で呼ばれていた。

仲が良かったため数カ月ぶりにこのように会うことにしたのだ。

僕が座ると

「早く、例のブツを」

と先生は言う。目が輝いている。

「別にそんな麻薬とかじゃないんですから、人聞きの悪いこと言わないでくださいよー、あと気が早いです、飲み物買ってきます。亅

と言って僕はカウンターへ向かう。

まぁ先生にとったらあれは麻薬とまでは言わずともタバコくらいか、と思う。昔ばなしや最近のこともしゃべりたいなと思いながらドリンクを持って戻る。まだ先生の目は輝いたままだ。僕はあきらめた。

「、、、じゃあ本題に入りますね」

----------------------

ある日の晩

「明日の朝ごはんは何がいい?」

母親が子どもたちに聞く

「目玉焼き!」

弟が答える

「じゃあ目玉焼きで」

兄は合わせた

「卵が残り1個しかないの、スクランブルエッグでいい?」

と母親が言うと

「嫌だ、目玉焼きがいいー!」

と弟は駄々こねる

顔をしかめた母親をみて兄が言う

「じゃあ別のおかずでいいよ」

「ごめんね」

と母親が言った。

しかし、まだ母親はなにか思案しているようだった。

翌朝

「え?」

食卓に並ぶ朝ごはんをみて兄は驚いた

きれいな目玉焼きの乗った皿が2枚ある

弟は、あれ?前と少し小さくないー?

なんてぼやきながら目玉焼きを食べる

気のせいよ、と言いながら母親は兄の方をみる。

兄は怪訝そうな顔を浮かべている。

その後、まぁいっかとつぶやき、目玉焼きを食べた

-----------------------

「っていうのが僕が聞いた話です」

「2つになった卵、ねぇ〜」

先生は考えながらストローをくわえた

「だってきれいな目玉焼きって黄身が中心にしかないってことでしょー、フライパンの上で2つにするなんて不可能だもんな〜」

「そうなんですよ」

あ、 気づくと先生は目を閉じている。先生はなぞをとくときよく目を閉じる。目が開くともう謎は解けている。そんな目をつむるだけで頭が冴えるのかと僕は不思議でならない。

15秒ほど経ったあと先生は目を開けた。

「わかったよ」

「早い、、、、」

いつもは1分くらいなのに、なんだこの早さは

「余裕だね」

「と、とりあえず考えを聞かせてくださいよ」

と僕が聞くと先生は答える。

「卵ってたしか、たまに2つ黄身が入っているよね、だから、、、」

先生が言っているのを聞き、僕は少しにやけてしまった。結論を言うと間違いだ。たしかに、まれに卵には黄身が2つ入っているときがある。しかし、どうやって確かめるのか。

「なんて言うと思った?」

僕のにやけっつらはすぐにかき消される。

そして身を乗り出しぐっと顔を近づけてきた。

「つまり卵は包丁で切ったんだよね」

やられた、、、、!わかってるじゃないか

「卵を冷凍庫で凍らせ、凍った卵の皮をむき、包丁で切る、その切った面をフライパンに乗せて焼けば目玉焼きが2つできる」

勝負ごとでもないが、悔しい。僕は天を仰ぐ。

しかもフェイクの予想を入れてくるなんて

「なんで分かったんですか」

「まぁ弟が目玉焼きが小さいって言ってたからね」

聞き逃さなかったか、僕はうなる。

先生は余裕の笑みを浮かべている

顔を近づけられたときに少し胸が高鳴ったのは内緒だ。


その後、僕らは昔ばなしや最近の話に花を咲かせた。

ふと時計をみると11時を過ぎていた。客も気づけば増えている。今日は休日だが朝からこうやって話していたことを思いだす。先生は昼から用事があるというので、僕らはその店で別れた。僕はその後、楽しかったなと余韻に浸りながら駅まであるき、電車に乗った。ちょうど真ん中の車両で、車内はそこそこ混んでいて座れそうにないので僕は扉のそばに立つ。僕の家の最寄りまでは4駅だ。そこまで乗っている時間は長くないが僕は少しうとうとしながら扉の窓から外の景色を眺める。1駅目にとまる。反対側から数人入ってきた。少しして車内に次は〇〇〜〇〇〜という声が流れる。まだ僕はうとうとしている。少しずつ電車のスピードが落ちる。そんなときだ。僕のすぐ後ろから

「キャーッ!、、ち、痴漢です!」

、、、、え?

振り向くと私服の女子学生がいた、横にも2人、その友達のような女子がいる。車内の人たちの視線は僕に集まっていた。完全に犯人が僕であるかのように。え、僕?頭の中が真っ白になる。頼むから夢であれ。次の瞬間僕側の扉が開いた、判断は早かった。僕は冤罪だと主張する選択肢を捨て、電車から飛び出す。飛び出す直前後ろからチェッと舌打ちが聞こえた。面倒事かもしれませんが冤罪なんですよ、と言いたい。すぐに階段を駆け上がり、ズボンのポケットから磁気カードを取り出す。改札を抜け、そのまま駅から遠ざかるように全力で走る。そういえば冤罪を起こし、お金を被害者としてもらうことを狙う人がいるというのを聞いたことがある。あそこで無実を証明してくれる人が現れれば冤罪を晴らすことができるが、いなかったときはもう人生どうなるか。

気づくと結構な距離を走っていた。周りは住宅街で少し見覚えがあった。ここからならそのまま家まで帰れそうだ。とんでもない目に遭った。まだ昼過ぎくらいだろうがとても疲れた。それでもまだ追われたりしてないか少し緊張しながら帰った。

-------------------------------------------------

 なんとなく、公園に入ってしまった。ここには塗装のはがれた滑り台しかない。息を切らしたまま進むと雑草が意地悪な顔をして好き勝手公園一面にのびている。といっても、滑り台を囲うように私の胸の高さくらいの緑色のフェンスがあり、奥の方は家の壁が見える。そのことにすぐ気づかないとはうかつだった。希望を自分で絶ってしまった。

 その公園の入り口に女が2人、どちらも肩で息をしている、周り確認すると、もう逃げられないぞとふんだのか、じりじりと近づいてくる。私は後ずさりする。さぁこれから何をされるのか、想像したくない。すぐ私の後ろはフェンスになった。飛び越えることも考えた、しかし高いため上ってる間にすぐ捕まるだろう。あきらめるか、と思った、、、、

「—————————!!」

公園の入り口の方、もう少し遠いところから声が聞こえた。

-------------------------------------------------

 僕は1週間前と同じ店、前よりは遅めの時間にまた居た。目の前には先生がいる。1週間前の、つまり先生と別れた後、冤罪を着せられたことを報告すると、またすぐに会おうと言われた。別に謎があるわけでもないと思うのだが、、、しかし、先生と会って話すのは楽しいし、特に予定もなかったので会うことにした。

今日はちらほらと客が入っては出る。 

僕は小さめの声で冤罪を着せられたときの状況を詳しく伝えた。

「まぁでも運良く扉が開いたのは助かりましたよ」

そう言って伝え終わると先生は目を閉じた。

「舌打ち、、、」

目を閉じたまま先生はつぶやく。

やっぱり、どこに不思議なことがあるのか。

 1分ほど経つ。先生は目を開いた。表情が険しい気がする。何を言い出すんだと息を飲む。

「ん〜」

と、うなっただけだった。

拍子抜けした。何もないようだ。考えた上で特に何も無かったのだろう。

だんだんと客が増えてきた。店の席数は少なく、あまり長居するのもよくないと思い店をあとにする。まだ太陽は高い。全く大通りという感じもない。あまり人通りも少なく、車もたびたび通っていくくらいだ。先生とは世間話をしながら駅へ向かう。少し先にコンビニがある。スーツをきた男性がコンビニに入っていくのが遠目でも分かった。その男性と入れ替わるように誰かが出てきた。すると、その人は僕らの方向へ駆け出した。僕と先生はその人を目で追う。そのまま僕らの横をすり抜ける。高校生くらいの女の子だった。そのとき、顔が見える。おびえるような顔つきだった気がした。あと、僕はどこかでその子を見たような気がした。そうだ、僕は思いだす。

「先生、あの子、僕に痴漢をなすりつけた張本人にそっくりなんですけど、、、」

「え、そうなの亅

すぐに、さっきの子と同じくらいの歳の2人組がさっきの子を追いかけるように僕らの横を走って通っていく。2人は言葉を交しながら走っていった。上手く聞き取れない。なにかあったのだろうか、僕は少し気になった。先生は何か聞き取れたのだろうか、ふと先生に目を向けると先生は目を閉じている。ん?

少しして、先生は目を開けた

「ショウくん、追いかけるよ」

え、、、、一瞬僕は先生が何を言ったのか理解できなかった。が、次の瞬間には先生が僕の腕を掴んで走り出した。僕も突発的に走り出す。先生の掴んでいた手が離れる。掴まれたときも少し胸が高鳴った。いやいや、そんなことに意識を向けている場合じゃなさそうだ。先生はスニーカーを履いていたのでなんとか普通に走れそうだった。

少し先にちょうどさっきの2人組が角を曲がるのが見える。その角まで僕らが急ぐとなんとか先の方にまだ2人組が見えた。

先生からなにか聞こえる。

「何もなければいいけど」

ところが、すぐにまたその2人組は曲がってしまう。これ以上曲がられると僕らは見失ってしまう。2人組の曲がった角から先をみると家が並んで建っていた。その中に緑色のフェンスが見える。少し進むと公園が見え滑り台があるのが分かった。中にさっきの2人組、その奥にも誰かがいるようだ。ふいに、先生がそのおそらく3人に向けて大きな声で呼びかけた。

「やめなさい!!」

僕は何がなんだが分からない。あの2人組は先生の発した言葉が自分たちに向けられていることを悟ったのだろうか、公園から出て曲がり道に逃げていったようだ。僕と先生が公園に着いたとき、最初にすれ違った子がまだ公園の中で立っていた。


僕と先生はその子に近づく。ちょっといいかな、と先生は声をかける。その子は俯いて、何もしゃべらない。

先生は優しく話しかける。

「彼を見たことあるよね?」

俯いたまま目を向けてきた。しかし、ひと言も発さない。完全に僕に罪を着せた人物はこの子だ。僕からすれば、あの日のことを早く謝罪してほしい。もうちょっとで僕は犯罪者になっていたのだぞ。

だが、次の先生の言葉に僕は、今までお茶だと思って飲んでいたものが、他人に、それオレンジジュースだよ、と言われたときくらい、;それほど衝撃的なことを聞いたときくらい;自分の耳を疑った。



「ありがとうね、彼が犯罪者になってしまうのを()()()()()()んだよね」



、、、、え? 僕は動揺を隠しきれない。目をめいっぱい開き、先生の方に顔を向ける。他人から見たらどんなまぬけな顔をしていたことだろうか。とっさにその子に目を向けると、その子は顔を上げて先生の方を見つめていた。表情は少し緩んでいて、その目はなんというか、やっと自分の理解者が現れてくれた、というような安堵した目だ。さわやかな風が彼女を撫でた。

先生は続ける。


「あなたは彼を犯罪者にしてしまわないように、彼が逃げられるように、電車の扉が開くタイミングを狙って悲鳴をあげたのよね」


彼女はどうして分かるのと驚きを隠せない様子だが、大きく頷く。僕はあっけにとられたまま、2人をみることしかできない。


「あの2人から嫌がらせや、いじめを受けていたんじゃないの、あれも命令でやったこと、、、つらかったでしょう」

先生がそう言ったとき、彼女の目から涙がこぼれた。


後から聞いた話だが、先生はあの2人とすれ違ったとき、あの2人が彼女についての悪口を言っていたように聞こえたらしい。それと、僕が電車から飛び出す前に聞こえた舌打ちはおそらく彼女をいじめていた2人のうちのどちらかが、彼女に向けてやったのだろう、と言った。確かに、企てた作戦をしくじられたのだから、と考えてもおかしくない。むしろ、全く関係のない人が舌打ちをする方がないかもしれない。

-----------エピローグ------------------------------

これで3週連続だ。別のカフェとかの選択肢は無かったのかと思う。

雰囲気だけでなく、店員までのんびりしている時間帯の店内。

目の前にはやはり先生がいる。先生があの後のことについては、なんとかすると言ってた。今日はその報告として呼ばれた。やはり先生の推理は当たっていて、彼女はあの2人からいじめられていた。電車の件もすべて先生の推察通りだったという。これに関しては僕は彼女に感謝しなければと思う。危うく犯罪者になっていたわけだし。。他にも公園で彼女と対面する前、彼女は万引にも協力させられていたらしい。先生の思考能力は、わかっていたものの、ここまでとは。

先生の努力もあってか、早くもあの2人は彼女に謝罪したそうだ。まだまだ解決には時間がかかりそうだが、良い方向に向かっているのならば、それに越したことはないだろう。

この事を経てか、先生は僕の担任の先生であったときより美しくみえる。報告を聞いて安心したせいか気が変な方へいくな、、、。言葉にしてしまいそうだ。

僕はその気持ちを半ば無理矢理に胸にしまった。

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