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メカニズムドールの一分間  作者: ありづき
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目的達成〜物語のはじまり〜


「なんか色々試行錯誤して見つけたわけだけど、やっぱり店の名前とある骨董屋なんだな」

 正確には、百歩(とある)骨董屋だ。


螺旋巻(ねじまき)様、そう言えばこの旅の目的を私は理解していません」

「ん?ああ、そうか。言ってなかったな。俺たちがここを目指してた理由は、俺のためだ」

「螺旋巻様のため……ですか……」

 きょとんとした顔で俺を見つめていたメルが俺の回答に、顔を曇らせて俯く。

「ああ。俺のためだ」

 そう言って俺は、俯いたメルの頭にポンと手を弾ませる。


「百歩骨董屋にようこそ。何をお探しかな?」

 店に入ると、すぐ目の前に会計のカウンターがあり、長い白髭を生やした爺さんが接客する。

「ああ。メカニズムハートというものについての情報が欲しい」

「……ふん。ならば、いい情報屋をお教えしましょう」

「ありがとう」


「ん?」

「どうかしたのか?」

 店主が電話帳をパラパラとめくりその情報屋の連絡先を探している。その最中、店主がふと視線を上げた瞬間、棚に並ぶ水晶を興味深そうに覗くメルが視界に入り疑問符を上げた。

「そのドール……。どこで?」

「父からの贈り物だが……?」

「そうでしたか、あなたが螺旋(らせん)さんの息子さん」

「父を知ってるのか」

「ええ。旅の途中、息子に送る土産が欲しいと言ってご来店していただいて、あのドールを」

 ここにメルが売られていたのか?!

「メルのこと、何でもいい。知っていることはないか?」

「そのドールは、一巻き一分しか持ちません。ですから、先程あなた

が言われたメカニズムハートが必要」

 親父、絶対今と同じこと説明されたんだろうな……。

 くそ親父め。

「やっぱり、メカニズムハートを知っているんだな?」

「ええ。そのドールの持ち主にしか教えまいとしていたものですから、先程は嘘をつきました」

「そうか。メカニズムハートは、どうやったら手にはいるんだ?」

「……ここにございます」


「……は?」

 ここにある?

 


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