表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メカニズムドールの一分間  作者: ありづき
1/25

プロローグ


 私の名前は、螺旋巻(ねじまき)螺旋(らせん)。現在57歳にして、現役冒険家さ。

 私は、とある国のとある町のとある骨董屋のとある店主から、超美形の女性形ドールを買い、そのドールを遠くの国に住んで何でも屋とやらを営んでいる息子に送った。

 ――どうせ彼女の一つも持ったことがないだろうからねッ! 

 こんな事を息子の前で言えば、ブチギレられるだろうから言わないけどね。


 さて、私が私の息子に送った“ドール”というものについてちょっとだけ詳しく説明する(骨董屋の主人の受け売り)。

 ドール、正式にはメカニズムドールと呼ばれるこれは、人工で作られた発条式の人形人形だ。これらドールは、最初、国同士での戦争の人外兵士として開発、生産されたらしく、開発当初は男性形のものしか無かった。

 しかし、一人の貴族が「女性形を開発すれば、言い値で買い取る」と開発側と国へ交渉したところ、すんなりと話が通り、その貴族のためにオーダーメイド。その話が、貴族間、商人間、庶民間へと広がり、瞬く間にメカニズムドールというものが国中から世界中へと広まった。

 ドールは、その名の通り発条式で、一巻きで一日動く。そして、万が一発条が止まっても、何らかの技術で人工記憶というシステムが働き、再び巻けば記憶を保った状態で動き出す。


 私は、息子を独りにさせ過ぎたのやもしれん。だから、息子は何でも屋なんてあやふやな職業に就いた。いや、私にあやふやな職業なんて言う資格はないだろうな。


 これは、孤独になってしまった男と作られてしまった残酷なドールの、一分即終な物語。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ